「社員のキャリア」と「事業の成長」はアラインさせよ──HRテックの先駆者・Works Human Intelligenceと探る、個のキャリアと事業成長の関係性

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我如古 マリアン

導入コンサルタントとして大手法人の人事システム導入を複数経験後、開発部門へ異動し機能の要件定義やユーザー会企画、導入手法のマニュアル化に従事。2020年6月より採用部門に異動し、オンラインインターンシップやコース別採用、新卒エンジニア採用を立ち上げ。2023年1月より新卒採用グループマネージャーを務める。スタートアップにて採用広報の副業も行っている。

飯田 晃大

2017年に新卒入社。現在のCS部門にあたる保守部門に配属後、大規模ユーザー様の担当として保守業務に従事。2022年1月より現部門へ異動。人事データ活用などコンサルティングサービスの提供活動に従事。2022年4月より兼務で人事部門の組織開発Grp.に配属。組織サーベイの設計、分析を中心に対応し、社内の人事データ分析にも着手。2022年4月より神戸大学大学院経営学研究科に入学。HRMをテーマに研究中。

東城 有希子

2009年新卒でWHIの前身企業へ入社。新規導入部門に配属後、コンサルタントとして30社超の新規導入プロジェクトに従事。2017年産育休開始、2019年時短勤務で新規導入部門へ復帰。2021年にマネージャーに就任。その後、2022年に新設された同部門の協力会社社員約30名を束ねるチームのマネージャーに就任(現職)。一児の母。

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今や終身雇用の時代ではない。

一昔前のように、一つの組織で同じキャリアを築いていくといった価値観だけではなく、個々人に応じたキャリアの選択肢が増え、またその築き方も多様化している。

企業側は、働き手である人材の生き方や働き方の多様性を認め、それぞれの価値観を持ってキャリアを築けるように寄り添っていく必要がある。そうした柔軟性の高いキャリアを実現できる企業こそが、働き手から選ばれ、これからの時代を生き残っていくのではないだろうか。

今回は、働き手である人材が主体となって自身でキャリアを描き、それに合わせて最適な環境を提供している企業の事例をお見せしよう。その企業とは、人的資本管理(Human Capital Management、以下HCM)市場で国内最大級のHRテックサービスを提供するWorks Human Intelligence(以下、WHI)である。

これまで、同社代表である安斎氏をはじめ、若手社員コア事業の部門長に取材を行い、WHIにおける育成環境の秘密を紐解いてきた。HCM市場のリーディングカンパニーなだけあって、自社内でも多様なキャリアが豊富に実現されている。もちろん、事業成長を伴いつつ、だ。そんな実態の裏側、そして多様なキャリアを築きながら第一線で活躍する社員の事例を見ていこう。

WHIの事例をもとに組織構築の新たな考え方を学び、自社の事業成長に結び付けてもらえれば本望だ。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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「大学院に進学したい…」「育休後のキャリアが不安…」
多様化する働き方の悩み

「実は、入社して5年目の頃、大学院へ行くためにWHIを辞めようとしていたんですよ」。

現在Customer Success Div.所属の飯田 晃大氏は、2021年当時、体系的に人的資源管理(Human Resource Management)を学ぶため大学院進学を志望していた。ところが、正社員という働き方では日中の授業が受けられない。飯田氏は大学院進学という自身の夢を叶えるため、仕事を辞めるしかないと考えていた。

一方、Business Development Div.所属の東城 有希子氏は、2017年に第一子出産を控え、将来に対し強い不安を募らせていた。「産休・育休で一度、現場から離れてしまうと、もう元のポジションで仕事ができないかもしれない」と。

かつて自身のキャリアプランに悩んでいた両者であったが、そこから数年が経った今、揃ってすっきりとした表情でこの取材に臨んでいる。結論から言うと、飯田氏は現在も正社員としてWHIで働きながら、2022年4月より大学院へ通っている。一方、一児の母となった東城氏は、2019年に元の部門に時短勤務で復帰し、マネージャーを勤めている。両者とも第一線で活躍しながら、それぞれ納得のいくキャリアを歩んでいるのだ。

飯田WHIからは「自身で業務を調整できるのであれば、正社員として働きながら大学院へ進学してみては?」と提案してもらったんです。僕の意志を尊重してもらえたことがなにより嬉しくて。より一層、WHIでの仕事を頑張ろうと思えましたね。

続いて、産休前に大規模な案件を手がけていた東城氏は、その当時の様子を次のように振り返る。

東城もともとWHIでの仕事が大好きで、やりがいを持って働いていました。「産育休後は家庭の環境も変わるため、今までのように仕事にコミットできなくなるかもしれない…」という不安でいっぱいでした。

東城ところが2017年に出産を経て、2019年にいざ現場に復帰してみると、不安に思っていたことが杞憂に終わりました。復帰後は時短勤務という形で、産育休前の経験を活かしながら活躍の場をいただけましたし、今では時短勤務ながらマネージャーとして勤務しています。

当然ながら、両者が理想のキャリアを手に入れるために、入社後から今にいたるまで絶えず努力を続けていることは言うまでもない。Human Resources&General Affairs Div.所属の我如古(がにこ) マリアン氏は、「二人は入社してから努力と価値貢献を積み重ね、自分たちでキャリアを選び取ってきました。決して、単なるラッキーだったというわけではないんですよ」と添える。

このように、WHIでは自分たちの意志やライフプランに合わせてキャリアを選び、それぞれに最適化された働き方で活躍する社員が多く在籍していることがわかるだろう。

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「君はどういった生き方を望むのか?」。
社員の人生と事業の成長をアラインさせよ

なぜ、WHIではそうした柔軟な働き方を認めながら事業成長を続けられるのだろう。多くの経営者・人事担当者が抱えているであろうこの課題への処方箋を、現場起点で探っていきたい。

これまで同社を何度か取材してきた中で、どの取材においても「WHIは事業基盤が安定しているがゆえ、失敗を恐れず若手も果敢にチャレンジできる環境がある」というメッセージが発せられてきた。そうした背景は、こと社員のキャリアパスに対しても同様だ。安定した事業基盤があるからこそ、働き手は柔軟にキャリアを選べるのだろう。

飯田氏は、上記の要素に付随して「自由な組織風土と、社員を1人の人間として尊重するカルチャーが根付いていることが大きい」と話す。

飯田WHIは、社員の「こういうことがやりたい」という想いに対し、基本的には尊重のスタンスをとってくれます。裏を返せば、意志なき業務を無理強いされることはないため、自身でキャリアを考え、描いていく必要があるということですよね。最近ではキャリアパス制度のしくみが充実してきたことで、以前にも増してキャリアの構築がしやすくなったと実感しています。

その具体例の1つが、“キャリアディスカバリーシート"です。このシートに「1年後の自分はどうなっていたいのか」「5年後の自分はどうなっていたいのか」という理想のキャリアを記入し、それを基に上司との1on1ミーティングで話し合いをするんです。

飯田そして、その実現に向けて「今はこの仕事がしたい」と伝えたり、「君がやっていることは将来こんなことに繋がるのでは?」と上司からアドバイスをもらいながら、キャリアプランのブラッシュアップを図っていきます。

WHIには、働き手を単なる労働者としてではなく、1人の人間として捉え、本気でキャリアを考えてくれるカルチャーがあります。そこが一番の魅力ですね。

WHIでは自身のキャリアディスカバリーシートをSlack上で公開している人も少なくないという。そんなオープンな環境を見るに、WHIでは個々人のキャリアと仕事の結びつきについて常日頃から考える習慣が根付いていることがよくわかるだろう。まさしく『「はたらく」を楽しくする』というWHIのミッションが具現化されている好例ではないだろうか。

一方で東城氏は、「産育休から復帰後もスムーズに次のステップに入れたのは、WHIの『Works Life +(ワークスライフプラス)』制度の恩恵が大きい」と話す。

東城『Works Life +』は、出産や育児、介護等のライフイベントとキャリアの両立を目的とした制度です。その中でも短時間勤務制度は、子どもが小学校を卒業するまで利用できるものです。1日の労働時間を4〜8時間という所定の枠内で指定したうえで、たとえば就業時間を9時〜16時までというように指定することができます。

そのように時間に融通が利くことで、保育園よりもお迎え時間が早い幼稚園に息子を通わせることができ、かつ、平日の習い事の送り迎えまでできる。今の私にとっては、仕事と家庭を両立するうえでなくてはならない制度となっています。

読者の多くが、時短勤務の制度に詳しいわけではないだろう。実はこの対応、かなり先進的なものなのだ。より詳しく東城氏が語ってくれた。

東城子どもが3歳に達するまでは、時短勤務の希望があれば企業は認めなければならないということが法律で“義務”として定められています。ところが、それ以降〜小学校卒業までは各企業の“努力義務”としか法律で定められていないため、3歳以降の子どもを持つ社員に対する時短勤務を認めている企業はまだ非常に少ないんですね。

しかし、WHIでは私が入社した2009年の時点ですでにその制度を取り入れており、時代を先取りした働き方に対応していました。もちろん男性も取得が可能であり、性別に関係なく家庭と仕事の両立について様々なパターンに対応できる形となっています。

私は時短勤務ですが、もちろんフルタイムで働く母親・父親の社員もいます。それぞれの希望が叶う制度運用が進んでいるんです。

本件について臨場感がわかなくとも、WHIがいかに先を見通す力とそこに向けた実行力を持っているかが伝わったのではないだろうか。単に公的なルールに従うだけでなく、そこにプラスアルファとしてあるべき理想を捉え、自社の社員にマッチする形でしくみ化していく。HR領域を冠する企業として堂々たる振る舞いだ。

このように、WHIでは様々な制度の充実により、「どのような仕事をしたいか」に留まらず、「どういった生き方がしたいのか」といったところまで社員1人ひとりを支援している。それにより社員のモチベーションが上がり、目の前の業務に意欲的に取り組むことができる。それが結果的に事業成長に繋がっているのだ。

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ライフステージはもちろん、
価値観や志向の変化に合わせてキャリアを築ける点が、WHIの魅力

各自の多様な働き方を知ったところで、そもそもなぜWHIで働くことを選んだのか、そしてここまでどんなキャリアを経てきたのかもうかがっていこう。3人とも新卒で入社し、それぞれの意志でキャリアを築いてきたとのことだが、どんな魅力がWHIにはあったのだろうか。

飯田大学時代、WHIの前身企業が主催する、内定直結型のインターンシップに参加したことがきっかけです。審査をパスすると同社への入社権利が得られることもあり、参加を即決しました。

しかし、優秀なライバルたちが多く結果は落選。

ところがその後、就職活動を進める中で本選考のオファーをもらったんです。インターンイベントでは優秀な人たちが多く、刺激のある環境に魅力を感じていたので、再びチャンスが得られたことが嬉しかったですね。

飯田また、折しも時代は第三次人工知能ブーム。大学ではゼミで人事領域についての研究をしていました。テクノロジーで人事課題を解決するHRテックに関心を持ち、世の中の多くの人事部と関わることができることから入社を選びました。

その後、コンサルティング業務を担う保守部門を5年間経験しました。転機となったのが2022年1月ですね。もともとさらに上流のコンサルティング業務に携わりたいという想いがあり、社内公募制度を利用したところ、念願叶って現在の部署に異動することができました。そして、同年4月に大学院に入学して、今にいたります。

東城私はインターンシップで新卒入社の内定をもらいました。周りを見渡せば難関大学出身の人たちばかり。そんな優秀な人たちを目の当たりにしながら、「自分もここで何とか食らいつけていけば、もともと思い描いていたよりも2倍、3倍の速さで成長できそうだ」という想いで入社を決意しました。

2009年入社以来、コンサルタントとして30社を超える新規導入プロジェクトに従事しています。その後、前身の企業創業時からの悲願であり、最高受注額を達成したとあるメーカー企業への導入プロジェクトや、大規模かつ高難度なプロジェクト等、自ら手を挙げて経験してきました。若手の頃から全力で仕事に打ち込んできた経験が、今の自信に繋がっていると思います。

そして産育休を経て2019年に時短勤務で復帰。2021年に新規導入部門のグループマネージャーに就任し、2022年からは新設されたチームのマネージャーを担うことになりました。

今回は冒頭で飯田氏と東城氏のキャリアにフォーカスしてきたが、現在、人事担当の我如古氏もコンサルタント→エンジニア→人事とユニークなキャリアを歩んできた人物。ぜひ、そのキャリアにも着目して欲しい。

我如古これまで私はキャリアを積むごとに、「もっとこの分野を深めてみたい」「こういう視点から物事を見る力をつけたいから、◯◯なポジションを経験したい」と次のステップを見出してきたように思います。

私は大手企業向けの導入コンサルタントからキャリアをスタートさせたのですが、その中でコンサルティング経験を積むと、お客様の業務課題が掴めるようになっていきます。その知見やノウハウを製品にフィードバックできれば、より多くのお客様にとってメリットになるのではないかと思うようになりました。そこで上司と相談して開発部門に異動しました。

また、人事部門への異動に関しても、「自分が人事の一員となれば私たちの製品を使うお客様の立場となって世の中を見ることができる。その学びは大きい」と感じたからです。このように、キャリアを積むごとに自分が楽しめる環境を社内で選ばせてもらいながらステップアップができたと思います。

ライフステージの変化はもちろんのこと、社員の考え方の変化に合わせて最適な環境を提供し続ける。人材の流動が激しい今の時代、人材の定着を重視するという意味においても、「どんなキャリアを望んでいるか」を常に見極めることが組織運営を担う者にとって重要になることは間違いなさそうだ。

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「そのキャリアの選択は事業成長に紐づくのか?」
働き手が意識すべき視点

ここまでを通して、WHIでは働く社員の“個”の意志を尊重し、多様なキャリアパスが描ける環境だということが伝わってきたと思う。

しかし、働き手の声を聞きすぎると逆に事業成長とは無縁の方向に進んでしまう可能性も否定できない。WHIでは一体どこまで個の自由を尊重しているのか。そう問いかけると、我如古氏は「そこがWHIの腕の見せどころです」と笑みを見せる。

我如古もちろん私たちは営利企業なので、事業を行ううえではWHI側が意志を持って社員のアサインを設計します。そして社員はその采配に対して最大限の価値を発揮し、事業成長に寄与することが基本の責務だと考えています。しかしながら、その事業貢献の方法論が一通りではないのがWHI社員の腕の見せどころです。

たとえば、営業担当がお客様のニーズを製品企画に反映するために、開発部門に異動する。開発担当が人事部門に異動して、全社の生産性向上に取り組んでみるといった具合です。「事業の成長においてシナジーを発揮できそうだ」という前提の基、自由なキャリアを描けるんだと捉えていただければよいかと思います。

我如古今の時代、人的資本管理が注目されているように、企業の成長だけでなく、個の自己実現もどちらも大事です。そういった価値観が浸透してきた中で、それぞれの社員が知見を出し合いながらシナジーを発揮し、ユニークな問題解決方法を生み出せる環境が、WHIの面白いところだと思っています。

WHIでは当然ながら、今回登壇してくれた3人以外にも多様なキャリアパスの事例を持っている。そのため、同じ社内にいながら「こんなキャリアパスもありなのか!」と驚かされることも少なくないという。

東城事例を2つ紹介すると、まず1人目は導入コンサルタントをされていた方です。もともと話術に長けている方だったので、分科会や交流会でファシリテーターを務めるようになりました。そして、その才能が周りから評価されるようになり、ファシリテーションを生業とするようになったんです。現在はその経験を活かしつつ、役員陣と別の事業に奔走されています。

2人目も導入コンサルタントの方ですね。長年にわたり人事給与業務に特化されてきた方で、社会保険労務士の資格を取得されました。その後、コンサルティング業務の傍ら、専門家として雑誌やWebメディアに寄稿したり、テレビにも出演されたりと多方面で活躍を広げている方がいます。

このように、各自の個性を存分に発揮してもらうカルチャーがあるからこそ、結果的にWHIの事業にもポジティブなインパクトをおよぼしているのだと感じています。

この事例からもわかる通り、「次はこの仕事をしてみたい」という働き手の好奇心を企業が抑圧しない限り、働き手は常に探求心を持って主体的にキャリアを広げていくことができる。そしてそれは最終的に、企業にとってもポジティブなリターンとなって還元されるのだ。だからこそ、我如古氏は「働き手は企業側の意志や姿勢もうまく活用してキャリア形成すべき」と主張する。

我如古言うまでもなく、キャリアは自分が主体となって決めていくことが重要だと思っています。なぜなら、人は自分で決めたことには責任を持って取り組むことができるからです。

とはいえ、同時に「現時点の自分の視野・視点で描ける範囲内でキャリアを決めてしまってもよいのだろうか」「かえって可能性を狭めてしまうことにならないのだろうか」というような懸念も生まれてくるでしょう。誰しもが自らのキャリアに確固たる自信を持って切り拓いていける訳ではありませんからね。

だからこそ、企業にとって大事な姿勢は、働き手のキャリアの可能性を潰さないこと。働き手が「今いるフィールドの先にも多様な選択肢があるんだ」と可能性を見出すことができる機会を用意することが重要だと感じます。そうした両者の歩み寄りがあって初めて、お互いにシナジーを生み出すことができるのではないでしょうか。

「少なくとも、WHIは働き手の成長を邪魔することはない」という我如古氏の言葉に、飯田氏も東城氏も大きく頷いた。かつて、終身雇用が当たり前だった時代、キャリアと言えば出世や昇進をしていくことだけを指した。だが、終身雇用や年功序列が当たり前ではなくなり、いまや一つのルートだけが正解ではない。

自分の意志やライフプランに応じてどのようなキャリアの成長曲線が描けるか。どれだけ多様な働き方ができるのか。働き手たちは、そういった視点で企業を選ぶ傾向が年々高まってきている。言い換えれば、人材の獲得競争が激化する中において、競争優位性を持つようになるのは多様な働き方を認めるWHIのような企業なのかもしれない。

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悩むのは、「はたらく」を実体験でインプットしてからでよい。

ここまでの話は、組織運営に携わる者や、ある程度社会人経験を積んだ者であれば納得のいくものであると思う。しかし、これからキャリアパスを考え、選んでいく学生の読者の中には未だ懸念が残る者もいるかもしれない。

たとえば、採用面接の場ではしばしば「貴方はどんなキャリアプランを描いていますか」といった類の質問がなされる。その質問をする企業側の意図としては、入社後のミスマッチを防ぎたいという思いがあるからだろう。

もちろん、すでに明確なビジョンが描けている人であれば自信を持って臨めばよい。だが、多くの学生が「今の時点で明確なキャリアビジョンなんて持っていない。しかし、そこを明確にしなければ企業や仕事が選べないのでは…」と思い込んでいるのではないだろうか。こうした悩みに対し、「はたらく」のプロフェッショナルであるWHIの面々はどう考えるのだろうか。

飯田学生のうちから必ずしもキャリアを明確に描く必要はないのではと思います。僕はたまたま大学時代から人事領域に興味があり、結果的に今の仕事に繋がりました。しかし、働く前から特定の領域に絞ってキャリアを決めてしまうと、それ以外の可能性を潰してしまうリスクも孕んでいます。そのため、ビジネスパーソンとしてのスタートはキャリアを絞るのではなく、いろんな領域に触れる機会を作ることも大事だと思いますね。

また、働くうえで必ずしも自分がやりたいことだけに携われるわけではありません。それでも目の前の仕事に興味関心を持って取り組んでいけば、「自分はこういう領域をやっていきたいんだ」ということが見えてきます。そうやって少しずつ目の前のことをクリアにしていきながらキャリアを描いていくことが大事だと思います。

仕事でもライフイベントでも、人生の中で意思決定をするタイミングが必ず訪れます。焦って何かを決めるのではなく、「そのタイミングが訪れるまでは、目の前の仕事を思いっきりやろう。楽しもう」と、どっしりと構えていてもよいんじゃないでしょうか。

東城私も一緒です。入社前からキャリアプランを明確に描くことはできないですよね。私の場合、キャリアについて考えるたびにマイルストーンを置いて、振り返りをしながら次のフェーズを見直していく、そのくり返しでした。そうやっていくつかの職種や業務を経験するようになって、いつしかそのスキルや経験を重ね合わせた時に自分だけの持ち味になっていたことに気づいたんです。

「次にこの絵具(経験)を混ぜ合わせたら、どんな色(キャリア)が生まれるんだろう」って。そうやって楽しみながら、一つずつキャリアを描いていけたらと私は思っています。「はたらく」に関して実体験というインプットがない状態でキャリアを描くことは難しいです。なので、「学生のうちから必要以上に考え悩まないで」と伝えたいですね。

続いて、次の問いもビジネスパーソンなら一度は耳にしたことがあるだろう。世の中の風潮として、入社したならば少なくとも3年は同じポジションで経験を積んだ方がよいと言われる。一方、多様なキャリアパスを提供するWHIでは、そういった風潮に対してどう捉えているのだろうか。

我如古私は、3年という年数よりも「そこで仕事の醍醐味を充分に味わい切ったのか」ということが重要だと思っています。

たとえば、短期間でフットワーク軽く複数の企業を飛び回る人は“ジョブホッパー”と呼ばれ、あまりよいイメージではないですよね。なぜなら転職市場において、「一つの仕事で得た経験が薄いのではないか」、「すぐに転職をしてしまうのではないか」という目で見られるからです。

私としては、未来の自分が過去の自分を振り返った時に“そこで何を得たのか”を語っている姿を思い描いてみるとよいと思うんですね。そうやって過去の経験と未来の挑戦をどんなシナリオにして繋いでいくのかが、その人のキャリアストーリーになっていくと思うんです。

自分の可能性を信じ、目の前の仕事にこだわる。その積み重ねが、未来の可能性や選択肢を広げて、振り返った時にキャリアという轍(わだち)になっているのではないでしょうか。

今回の取材全体を通じて、WHIの豊富なキャリアパス制度や、そこで働く社員たちの多様なキャリアの描き方がリアルに伝わっただろう。WHIは、HRテック業界をリードするにふさわしく、社員1人ひとりがキャリアを描きやすいしくみを導入している。

かつてはキャリアと言えば、ただひたすらに出世や昇進を目指していくことだけを指した。だが、終身雇用や年功序列が当たり前ではなくなった現代においては、「これが正解」というキャリアは存在しない。“個の価値観”こそが何よりも重視されるのだ。

そんな時代だからこそ、今までよりも自身の意志やライフステージに応じてキャリアパスを選べる環境こそが、個人にとっても企業にとってもポジティブな影響をもたらすことは間違いない。

組織は時代とともにアップデートしていかなければならないのだ。

こちらの記事は2023年02月27日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山田 優子

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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