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スナチャとtbhが人気。
世界の10代から見放されるFacebook

細谷 元
  • Livit ライター 

シンガポール在住ライター。主にアジア、中東地域のテック動向をウォッチ。仮想通貨、ドローン、金融工学、機械学習など実践を通じて知識・スキルを吸収中。

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友達と情報をシェアしたり、ニュースを見たりと、あらゆる世代にとって日常で必要不可欠となったソーシャルメディア。

しかし、過剰利用、うっとうしい広告、誹謗中傷などネガティブな側面も多く、ソーシャルメディアから距離を置きたいと思うひとも多いかもしれない。

今回は最近発表されたインサイトあふれる調査から、ソーシャルメディア利用におけるZ世代の特徴をあぶり出してみたい。

  • TEXT BY GEN HOSOYA

デジタルネイティブといわれるZ世代(1990年代半ばから2008年頃までに生まれた層)でも、ソーシャルメディアから距離を置きたい、疲れた、と考えている割合が多いと聞くと意外に思うのではないだろうか。

Z世代のソーシャルメディア利用に関しては、近年数多く調査がなされており、「脱フェイスブック」や「デジタルデトックス」など興味深い実態が明らかになってきている。

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10代は「脱フェイスブック」、スナップチャットが人気

10代の多くがフェイスブックから離れている一方で、スナップチャットやインスタグラムのユーザーは増えている。eMarketerが2017年8月に発表した調査で、米国と英国ではこのようなトレンドが顕著になっていることが明らかになった。

米国では2017年、12〜17歳のフェイスブックの月間ユーザー数が2016年比で3.4%減少し、1450万人に減ったことが分かった。2年連続の減少だが、2016年は前年比1.2%減であったため減少スピードは加速している。

一方、スナップチャットとインスタグラムのユーザー数は増加傾向で、フェイスブックと反対にその増加スピードは加速する見込みだ。

スナップチャットの月間ユーザー数(全年齢層)は25.8%増加し、7920万人に達する見込みだ。このなかでも18〜24歳の年齢グループは19.2%の増加率になるという。

スナップチャット

一方、インスタグラムの月間ユーザー数は23.8%増加し、8550万人に達する見込みだ。年齢別の増加率では、12歳以下が19%増、12〜17歳のグループが8.8%増加となる。

全年齢層で見た場合、インスタグラムのユーザー数はスナップチャットより多いが、12〜17歳と18〜24歳の年齢グループでは、スナップチャットが勝るという。

英国でも状況は米国と似ており、フェイスブックが最大のソーシャルメディアとなっている一方で、若い世代の増加率はインスタグラムとスナップチャットに軍配が上がる。

英国でのフェイスブックユーザー数は、人口の48.9%(約3250万人)。一方、インスタグラムは25.1%(約1670万人)、スナップチャットは21.1%(約1400万人)。インスタグラムの2017年のユーザー増加率は前年比で34.8%、スナップチャットは20.2%とともに急速にユーザー数を伸ばしているのが分かる。一方で、フェイスブックは若い世代のユーザー減少に直面しており、2017年は12〜17歳で2.8%減、18〜24歳で3.1%減と推計される。

10代がフェイスブックではなく、スナップチャットとインスタグラムを好む傾向は、Piper Jaffrayの調査でも明らかだ。米国在住の6100人の10代から聞き取りを行ったこの調査でもっとも支持されたソーシャルメディアはスナップチャット(47%が支持)だった。次いでインスタグラムが24%。フェイスブックは3番目であるが、その支持率は9%にとどまっている。

eMarketerのアナリストは、動画や写真などビジュアルコンテンツを使ったコミュニケーションに特化していることがスナップチャットとインスタグラムの若いユーザー数の増加につながっていると説明する。また、若い世代のなかにはインスタグラムは使うが、フェイスブックを一度も使わない「Facebook-nevers」が出てきていると指摘している。

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学生もデジタルデトックスする時代へ

eMarketerやPiper Jaffrayの調査からZ世代の間でスナップチャットとインスタグラムのユーザー数が急増していることが見て取れ、ソーシャルメディア上での活動が活発であることが想像できる。

しかし別の調査では、意外なことにZ世代は一歩距離を置いてソーシャルメディアを使っている側面があることも明らかになった。

デジタル・アウェアネスUKなどが英国5000人の学生を対象にした調査では、驚くことに71%がデジタルデトックスを意識的に行っていると回答したのだ。さらには63%がソーシャルメディアが存在しなくても気にしないと回答している。

ソーシャルメディアのネガティブな側面を避けたいという気持ちがあり、こうした回答につながっているようである。

実際この調査では、ソーシャルメディアを利用していて誹謗中傷にあったという割合が57%、中毒・過剰利用を感じているが55%、ソーシャルメディアを使うことで自信をなくすが51%だったほか、「将来ソーシャルメディアがどうなってほしいか」という設問では、72%が広告が少なくなってほしい、63%がソーシャルメディア上でジャッジされたくない、61%がフェイクニュースをみたくないと回答しており、普段からソーシャルメディア上でさまざまな不満や心配を抱えていることが分かる。

ソーシャルメディアのネガティブな側面を知りつつも、デジタルデトックスなどを通じて距離を保ちながらうまくバランスをとっているようだ。

最近ではフェイスブックが10代ユーザーの獲得を狙って買収したアプリ「tbh」に見られるように、「匿名」ソーシャルメディアといった分野も出てきており、Z世代が独自のトレンドを生み出しているのは非常に興味深いところである。独自のトレンドや感性でZ世代がソーシャルメディアをどのように発展させていくの今後も注目していきたい。

※参考:eMarketerPiper Jaffrayデジタル・アウェアネスUK

こちらの記事は2018年03月08日に公開しており、
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細谷 元

シンガポール在住ライター。主にアジア、中東地域のテック動向をウォッチ。仮想通貨、ドローン、金融工学、機械学習など実践を通じて知識・スキルを吸収中。

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