「最先端技術を扱う会社」を「テックカンパニー」とは呼ばない──Gakken LEAP CTO山内&ソルブレイン櫻庭が提唱する「成長し続けるテックカンパニー」の定義
Sponsored昨今、新たなテクノロジーが次々と生み出され、世の中は大きく変わり始めている。
自社のDX化を進めたい経営者にとって、最新テクノロジーを扱うテックカンパニーは救世主のような存在に違いない。なぜなら「AIを取り入れたら画期的な進化ができそうだ」「生産性が急増するかもしれない」と期待を抱く経営者が少なくないからだ。自分たちにとって未知なる存在であるテクノロジーに対し、そう期待を寄せてしまうのは当然かもしれない。
だが、実際に新しいテクノロジーを導入してみたところ、期待していた成果にはつながらず、無駄な投資に終わってしまうことも。なぜそのような事態が起きてしまうのか──。
「その理由は、テックカンパニーを標榜する企業の99%が、『テクノロジーをビジネスに活かす』とはどういうことなのかを取り違えているからでしょうね」。
そう語る二人の経営者が、今、目の前にいる。「テクノロジー」と「ビジネス」の融合を推し進め、『日経電子版』の創刊や『日経ID』の推進で高い実績をあげた、元日本経済新聞社(以下、日経)、現学研グループ・Gakken LEAP CTOの山内氏。そして、FastGrowが昨年秋から注目している、新進気鋭のデータドリブンな急成長ベンチャー、ソルブレイン代表の櫻庭氏だ。
テックビジネスに対する誤った解釈や打ち手に対し、二人はこうも続ける。「これまでは間違った解釈でもビジネスとしては何とか成り立っていた。しかし、もはやその魔法は解け、これからは顧客の売上や利益といった価値に貢献できなければ、生き残ることはできない」と。
彼らが言う、顧客から選ばれるテックカンパニーとはどんな企業なのだろうか。そして、変化の激しい今の時代にテックカンパニーとして生き残るためには、一体何が必要なのだろうか?
DXやAIなどを用いたテクノロジー・ソリューションを掲げ、「我々はテックカンパニーだ」と自負する起業家・経営者にこそ、本作から多くのヒントをつかんでもらえれば幸いだ。
- TEXT BY YUKO YAMADA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
日経でDXの実現に奔走する山内氏と、ソルブレイン・櫻庭氏の出会い
時は2018年。「日本のデータサイエンティストの分野で、最前線で活躍している人がいる」。そう知人から案内を受けたソルブレイン代表の櫻庭氏は、「そんなにすごい人がいるのなら、ぜひ会ってみたい」とみずから志願し、山内氏(当時、日経に在籍)のもとに足を運んだ。
櫻庭当時、山内さんは日経でDXの仕組みをつくられている最中でしたよね。中でも『日経ID』を活用したデータ基盤を内製化してマーケティングに活用したり、社内の若手に対してBigQuery*をはじめとしたツールを「どう事業価値に紐づけていくか」といった本質論から説いていたりと、そのレベルの高さに驚きました。
日経というレガシーな大組織において、単にアナログからデジタルへの置き換えを行うのではなく、最先端のテクノロジーを取り入れた事業価値の向上にも奮闘されていて、「すごいな…」と思ってみていたんですよ。
山内櫻庭さんとお会いした頃は、まさに日経の中で全社的にデータ活用などのDXを浸透させていくため奔走していた時期でした。今となっては懐かしい(笑)。
櫻庭氏が尊敬の念を向けるGakken LEAP CTOの山内氏。同氏もまた、つい先日FastGrowで単独取材を行ったばかり。『日経電子版』の立役者として、レガシーな組織に変革をもたらした張本人だ。現在はその知見を引っ提げ、教育業界におけるDXに邁進している。
ここから話を進めていく前に、読者の中にはまだ櫻庭氏と山内氏についてその存在を深く知らず、「そもそもテックカンパニーやテックビジネスを語るに足る人物たちなのか?」と感じている者もいるかもしれない。そこでまずは、二人がどのような人物なのかを紹介していこう。
櫻庭氏は、『グロースマーケティング』を代名詞にFastGrow上で注目を集めるソルブレインの代表だ。データを起点に顧客のバリューチェーン全体の最適化を推進し、売上 / 利益に貢献するまでコミットするといったタフな事業モデルを敷いている。その秀逸さは櫻庭氏の著書『未来をつくるグロースマーケティング』や、過去の取材で精緻に紐解かれてきた。
対し、Gakken LEAP CTOの山内氏は、前職の日経において、新聞業界の中でも先駆けとなる「紙面のデジタル化」に向けて、2010年創刊の『日経電子版』の立ち上げに参画。並行して、読者とプロダクトを繋ぐ顧客IDサービス『日経ID』の企画・開発や、全社を対象としたDXの推進まで幅広くリードしてきた。
電子版ができたとはいえ、まだまだデジタル化やデータドリブンといった考え方に対して前のめりではなかった日経。その中で粘り強く社内を説得しながら理解者を増やし、データ活用の土台を築きあげていった山内氏。その後、2012年頃に世の中ではスマートフォンが一気に広まる。この社会変化が起爆剤となって、『日経電子版』も成長し、日経はレガシーが色濃く残る組織から、デジタルを軸にする会社になり、データドリブンな組織への変革も遂げていったのだ。
そんな二人の紹介を終えたところで、話を次に進めよう。
テックカンパニーの経営陣は、
自ら最先端技術で「遊ぶ」?
櫻庭山内さんは、2021年に学研に移られてもなお、新しい技術を研究して、学研グループとして最適解を模索し続けていますよね。日経新聞社時代と変わらず常に邁進されている姿を見て、どこまでいっても山内さんらしいなと感じています。
中でも私が「この人は本当にテックビジネスが好きなんだな」と感じる点は、今でもご自身でコードを書いてテクノロジーの活用を模索しているところです。すべての人に当てはまるわけではないですが、一般的に役職が上るにつれて経営やマネジメントに専念するようになり、自分では手を動かさなくなるケースも多いじゃないですか。でも、山内さんはそうじゃない。
例えばAIの活用においても、一般的な活用法を鵜呑みにするのではなく、AIの特性を理解した上でいろんなやり方を試して実験している。そんな人、なかなかいないですよ。
山内純粋に好きなんですよね。テクノロジーもデジタルも。だから、「もっといい活用法があるんじゃないか」と考えて時間さえあればコードを書いているんです。実際に、AWS*1やGCP*2といった新たな技術やサービスが出てくるととりあえず試してみたくなる。これから先、テクノロジーで世界がどう変わっていくか、未来を考えるだけでワクワクしますよ。
現在はGakken LEAPでCTOとして陣頭指揮を取る山内氏。未だに現場メンバーと同様にコードを書き、新しいテクノロジーを肌で感じながら事業への活用を模索しているという。そしてその根源たる動機は、純粋無垢なテクノロジーへの傾倒。好きこそ物の上手なれとはこういうことを言うのだろう。
そんな山内氏に対して、「ではなぜ、老舗の教育企業である学研に?」と疑問を抱く読者もいるだろう。それもそのはず、彼ほどの実績ならば、先進的なIT企業をはじめ、いくらでも選択の道があったはずだ。
山内今、私が学研にいる理由は一つ。「幼少期から大好きな学研の価値を守りたい。テクノロジーを活用して、新しい価値へと変革したい」と思っているからです。
もともと母親が“学研のおばちゃん*”として教材を配っていたり、子どもの頃、夢中になって学研の図鑑を読んでいたりと、私にとって学研は身近な存在でした。もし学研の教材『学習』と『科学』がなかったらテクノロジーに興味を持つこともなく、テックビジネスの領域に関わる仕事はしていなかったと思うほど、インパクトを与えてくれたサービスなんですよね。
ところが、この愛読していた『学習』と『科学』が2010年に休刊になったんです。そのニュースを見て、「楽しみながら新たな知識や情報を吸収できて、子供たちの好奇心・想像力を掻き立てるような面白いものがなくなってしまったら、世の中の学びコンテンツは“試験や受験向け”ばかりで、つまらなくなるよな…」と、寂しさと同時に、これでいいのだろうかという想いがずっとあったんです。
櫻庭そうだったんですね。ちなみにこれはいつか聞いてみたいと思っていたことなんですが、日経から移られる時って相当いろんな企業からオファーがあったんじゃないですか?山内さん程のレベルなら、引く手あまただろうなと…。
山内いえいえとんでもない。ありがたいことに他の新聞社やテレビ局といったメディア企業やこれからデータ活用したい会社などからお声がけは頂きました。しかし、日経でのDX推進を一通り経験して、「これからは自分が好きだったものに自分の力を活かしたい」と思ったんです。そこで先ほどお伝えしたように、「好きだったものの価値を守りたい」と、そう思って学研を次の挑戦の場として選びました。
山内氏が学研にジョインしたのが2021年1月。そして同年12月、教育の次世代ビジネス創出を目的としてGakken LEAPは誕生した。このGakken LEAPでは、元マッキンゼー・アンド・カンパニーでパートナーまで昇り詰めた細谷氏がCEOとしてビジネスサイドを管掌。そしてテクノロジーサイドをこの山内氏が管掌し、教育業界の変革に挑んでいるのだ。
「硬派で質実剛健」。
ソルブレイン 櫻庭氏の経営スタイル
そんなテクノロジー×ビジネスに明るい山内氏が一目置いている経営者の一人が、ソルブレインの櫻庭氏だ。業界や事業、そして世代も異なれど、互いにシンパシーを感じている二人。山内氏は、櫻庭氏ないし同氏が率いるソルブレインについて、次のように語る。
山内顧客のバリューチェーン全体をデータで可視化し、売上 / 利益の向上にコミットする。櫻庭さんからこの「グロースマーケティング」の事業内容をうかがった時は、シンプルに「面白いことをやっているな」という印象でした。世に蔓延る「提案して契約するまで一生懸命」で、とりあえず「見栄えの良い新しいツールを入れる」といった目先の利益だけを追い求めているマーケティング支援を謳う企業とはわけが違う。
顧客に対して「こうすれば確実に売上 / 利益が増える」と真摯に戦略を描き、泥臭く実行していく。「契約して、自社の利益と売上が増えたらおしまい」みたいに無意識に捉えてしまうスタートアップやベンチャーも多い中で、「顧客の事業成長という価値提供」に、とにかくひたむきなんですよね。「なんて硬派で、質実剛健なベンチャーなんだ…」という印象でした。
「質実剛健」──。余談ではあるが、つい先日、FastGrow編集部で組んだ特集において、我々もソルブレインのことを偶然にも「質実剛健」と記したばかりであった。
ソルブレインが提唱するグロースマーケティングは、山内氏が述べた通り、顧客の事業におけるバリューチェーン全体のデータをデジタル / アナログ問わず収拾・分析する。そして、事業成長に応じて移り変わるボトルネックを見極め、そこに対する解決策を講じていくことで、顧客の持続的な事業成長(売上 / 利益の創出)を実現しているのだ。(その実態に関してはコチラの記事が詳しい)
山内櫻庭さんもこのグロースマーケティングを実践していくにあたっていろんなテクノロジーを試されていますよね。そもそもどういう背景から今の事業に行き着いたんですか?
櫻庭もともとグロースマーケティング事業を始める前も、ITをベースにした顧客の事業支援は行っていたんです。それこそGoogle AnalyticsやTableauなどいろいろなBIツールを入れて、多面的に施策の効果を分析していました。
ですがある時、「これって、分析画面の前で数字をいじってクライアントに価値提供をした気分になっているだけだな」「どんなに優れたBIツールを活用して、施策の効果が綺麗なデータとなって出てこようとも、顧客の持続的な事業成長(売上 / 利益の創出)に貢献できていなければ意味がないな」と感じたんです。
櫻庭であれば、「我々の支援によって顧客が得るべき売上 / 利益の目標から逆算して、その実現に必要な要素をデータで紐づけるBIツールを自分たちで開発しよう」。また、「Webマーケティング施策がうんぬんというよりも、場合によってはそもそも顧客の商品自体の見直しを提案した方がビジネスとして本質だろう」といった考えに至り、グロースマーケティング事業を始めることにしたんです。
山内なるほど。顧客の事業成長を背負うグロースマーケティングは、ソルブレイン独自の、「顧客のサービス・商品自体を含むバリューチェーン全体」を最適化する経営的なマーケティング思考と、それを実現するための自社独自のテクノロジーに余程の自信がなければ決して打ち出せないテーマですよね。
「経営視点とデータを起点に顧客の事業成長を担うグロースマーケティングか。なかなか秀逸な事業だな」とは“ならず”、ぼちぼち読者の中には「単なる山内氏のお世辞じゃないのか?本当に顧客の事業を伸ばしているのか?」と勘繰る読者も出始めているかもしれない。
そんな読者の心情も汲み取るFastGrowからは、ソルブレインが打ち出している実績の一例をお見せする。また、記載されている顧客企業はすべて年商数十億円以上の企業ばかりだということも付け加えておこう。
顧客の持続的な事業成長(売上 / 利益の創出)に貢献した事例
(1)集客改善で、平均買い取り額は2.1倍、CV率は24%増。集客改善後、営業やオペレーション領域の改革を実現し全体最適化(廃車買い取り)
(2)6年間の年平均売上成長率は約87.97%。事業内容としても卸売業の専業から、卸売業界全体が抱える課題に対しソリューションを提案する事業も開始(食品)
(3)一人当たりの売上平均51%UP、作業スタッフの数は3倍に。見込み顧客の獲得〜作業スタッフの稼働率向上(住宅設備)
「テックカンパニー」を標榜するなら、どの経営者・技術者よりも早くテクノロジーの可能性を検証せよ
続けて山内氏からは、テクノロジー観点でソルブレインの競合優位性について意見をもらった。
山内ソルブレインは、世の中にある新しいテクノロジーを、私が知る限りのどの経営者や技術者よりも早く、とことん比較検証した上で、創業期の頃からGoogleのテクノロジーをフルに活用していますよね。
自分たちでデータを扱って基盤を構築する際に、BigQueryの優位性や、テクノロジー・ソリューションの拡張性、また費用面なども吟味した上で「Googleが優れている」と判断している。
技術的に難度の高いGoogleのテクノロジー・ソリューションをフルに活用していることも、ソルブレインが先進的な優位性を確立できている一つの要因だと感じています。
また、一例としては、世界的に有名な中国のテックカンパニー・Tencentが提供している『Tencent Cloud』のクラウドサーバーも、社長である櫻庭さん自らが率先して、手触り感を持って、ソルブレインでは活用を試されていますよね。今、中国では学習塾が禁止*されていますが、実は中国はAIを使った自動採点など教育プロダクトが最も進んでいて、個人的に興味もあったんです。
山内ソルブレインのように、「経営者みずから」かつ「選り好みせず」新たなテクノロジーを検証して自分たちの事業に取り入れていこうとする姿勢。これはテックカンパニーを標榜する企業ならぜひ見習ってほしいですよね。
また、こうした企業こそが、新技術が毎月のように世の中に出てくる変化の激しい時代においても、自社の提供価値を高め続け、マーケットで生き残っていくんだとも思います。
ソルブレインでは、顧客の事業成長にとって最適な手段(テクノロジー)を見極めるべく、常に新たなテクノロジー・ソリューションを追い求め、検証を行っている。しかし、「なぜそこまで?マーケティング観点で顧客の事業成長を担うのであれば、そこまでガチガチにテクノロジーにこだわる必要はないのでは?」といった疑問が湧きそうだが──。
櫻庭純粋に気になるんですよ。AmazonがAWSを出せば、GoogleがGCPを出す。マイクロソフトもMicrosoft Azureを出してくる。他にも、模倣や改善の早い中国を始め世界中で類似サービスが出てきますが、ソルブレインではすべて試すようにしています。
どの企業も一様に「私たちのサービスは世界最高だ」と掲げるので、「じゃあ一体どれが本当に世界最高のサービスなんだ」と、一人の経営者として知りたくなるんですよね(笑)。自分が「価値がある」と信じるものでないと、クライアントさんに提供したくない性分なので。ですから、結果的に「新しい技術は全部」、検証するんです。
櫻庭例えば音声認識という昔からあるテクノロジーにおいても、コスト感も含めて、どのサービスが優れているか実際に試さないと分かりません。むしろ、検証するだけで自分たちにとって血肉となり、それが知識やノウハウとして昇華され、競争優位性にも繋がります。逆に、世の中のテックカンパニーを標榜する経営者の方々はなぜ試さないのか私としては不思議に思う面もあります。
山内いやいや。普通、ここまで試せる企業は少ないですよ。いちエンジニアとしての私の主観ではありますが、基本的に多くの経営者やエンジニアは、自社や自身が普段使用しているテクノロジー、既に持っている知識や経験で勝負しようとしますからね。それが経営者やエンジニアの性だとも思うんです。
Gakken LEAP CTOの山内氏と、ソルブレイン代表の櫻庭氏。この二人に共通していることは、顧客の事業成長(売上 / 利益の創出)のためという大前提はあるものの、より根源たるところでテクノロジーに対して「愛着」や「興味関心」という想いを持ってアプローチしていることだろう。
だからこそ、どんな立場になっても常に新たなテクノロジーの誕生を賞賛し、受け入れ、試してみる。言わば本能でテクノロジーに向き合っているようなものだ。
最先端技術を用いていればテックカンパニー?
笑わせてくれるな
世の中にテックカンパニーを標榜する企業は無数に存在する。しかし、その全ての企業が山内氏や櫻庭氏と同じような姿勢でテクノロジーと向き合っているわけではないだろう。
だからこそ、そんな二人が持っている知恵や教訓から学びを得たい。そこで、FastGrowは二人に対し、昨今のテックカンパニーに対する意見をざっくばらんに求めてみた。まずは、「そもそもテックカンパニーとは何か?」といった定義から問うてみよう。
櫻庭テックカンパニーの定義ですか、難しいですね。私の場合は、テクノロジーを使って顧客の事業課題を解決し、顧客に売上 / 利益という価値をもたらしている企業のことをテックカンパニーだと捉えています。もしくは、テクノロジーによって今までにない新たな価値を創出し、顧客の売上 / 利益に繋げている企業ですね。山内さんはいかがですか?
山内私も櫻庭さんと同じ考えです。テクノロジーを用いて顧客に価値を出すことがなにより大事で、それができていないのであればテックカンパニーとは呼びません。
要は、テクノロジーとは目的ではなく手段なんですよね。まずは達成したいビジョンやゴールがあって、例えば「企業の価値を上げたい」や「人々の暮らしを豊かにしたい」など何でもいいです。そのゴールに対して仮説を立て、手段としてテクノロジーを用いたソリューションを提案・実現できる企業がテックカンパニーですよね。
繰り返しますが、テクノロジーは達成したいゴールに向かうための手段でしかない。なので、どんなに技術力が優れていても、どんなにツールが素晴らしくても、描いていたビジョンやゴールに自社やクライアントを導くことができなければ意味がないと私は思うんです。
取材はこの辺りから徐々に熱を帯び始め、なんと山内氏からは「そもそも、私はDXという言葉が嫌いなんですよ…」と衝撃的な一言が発せられた。
山内もちろん企業がDXに取り組むことは事業戦略上とても重要です。しかし、今の世の中は「DXという言葉に夢を見過ぎているのでは?」と思うんです。「うちのサービスにデータサイエンティストが魔法をかけてくれたら、爆発的にヒットするんじゃないか」「テクノロジーの力で何かすごいことが起こせるんじゃないか」という具合に。
これは“DX”を売り込みたいIT企業が煽っている側面もありそうですが、少なくとも、私がこれまでの22年間でやってきたデジタル化やDXを振り返って思うには、「本来、DXが価値を発揮する瞬間は、もっと泥臭いものだ」ということです。
櫻庭同感です。超優秀なデータサイエンティストがデータをこねくり回しても、結局、もとの商品やサービスが良くなければ売れませんからね。先進的なテクノロジーを使えばいいのではありません。
本来は顧客が得る売上 / 利益から逆算して、どのテクノロジーでアプローチすればそれらが増えるのか、はたまた、本当はDXや技術適用など不要なのか、きちんと必要な技術を選定した上で取り組むことが大事です。
DXを代表としたテクノロジー・ソリューションは決して魔法じゃない。むしろ泥臭く、タフに向き合っていかなければ決して求めるゴールには到達しない。「そんなこと分かっている。もはや100万回以上きいた話だ」と感じる読者が多いことだろう。
では、二人が定義するテックカンパニーたる企業とは、一体どれだけ存在するというのだろうか。
顧客の持続的な事業成長に貢献するテックカンパニーは1%も存在しない
山内正直なところ、1%もいないと思います。巷では「このツールを導入すれば、DXが実現できます」と謳う企業が多いですが、「勘弁してくれよ」と思います(笑)。
そもそもDXに至るには3つの過程があります。まず始めにデジタイゼーション*1。そして次に、デジタライゼーション*2が起きる。そしてその結果、最後にパラダイムチェンジ*3が生まれるという流れ。ゆえに、先に挙げたツールの導入は、単なる既存事業のデジタル化に過ぎません。
例えば今、メタバースやChatGPTなど面白い技術はたくさんあるのに、それを使って「顧客にどんな価値が生まれるか」といったところまで提案できている企業はほとんどないと思います。
実際、過去に私が営業を受ける中にも「うちの技術力やツールはすごいんです」「貴社の事業のDXをお手伝いをします」と言う企業はたくさんありました。しかし、「そのやり方で我々の企業(顧客)の本質的な価値に変化が起きるの?パラダイムチェンジできる?」と聞いた途端にだんまりしてしまうんです。それでテックカンパニーを掲げちゃダメでしょう(笑)。
デジタルツールの導入を提案しているだけで、顧客の事業に対するパラダイムチェンジには貢献しないのに、「我々はDXを実現します」と声高に語る企業が多い。しかし、そんな企業はテックカンパニーとは認めない。山内氏のこうした歯に衣着せぬメッセージにこそ、テクノロジーを標榜する企業にとって生き残るヒントがありそうだ。
ではなぜ、世の中の多くの企業が、二人が定義する本来のテックカンパニーとはズレてしまっているのだろうか。すると今度は、櫻庭氏から思いもよらない答えが返ってきた。
櫻庭要は、ズレていても「そこにマーケットがあるため、ビジネスが成り立ってしまう」んですよ。
例えば、「AIを活用して顧客の業務負担を部分的に減らします」といったサービスがあったとします。これはこれで確かに一時的に顧客に便益をもたらし、儲かる事業として成立するかもしれません。しかし、この手の事業を打ち出す企業は、山内さんのおっしゃるパラダイムチェンジという程のインパクトを顧客にもたらしているわけではありません。
他にも、すべてのケースがそうだという訳では決してありませんが、産学連携によるAIやIoTサービスなどを見ると、何かの課題解決というより「最新のテクノロジーを研究して世に出すこと」が目的となっているケースもありますよね。それって「ビジネス」がしたいの?単に「研究」がしたいだけなのでは?と。また、そうしたサービスを無条件に称賛しすぎてしまう雰囲気が社会にもあるように感じています。
櫻庭ここでソルブレインの事例を少しお伝えしますね。「データ活用が利益を産む」というのは想像しやすいと思いますが、弊社が最近多く手がけるのが、エッジからデータ化し、クラウドに送り、既存データと連結する事です。これで遥かに解像度の高い施策を打つ事ができるようになります。
例えば、フィールドセールスや、現場仕事の方が車で移動する際に、GPSで位置を管理されていることは割とよくある話ですよね。そして、今の世の中に出ている製品は10~30秒に一度のペースでの位置データ取得なのですが、ソルブレインは1秒毎にクラウドへ送ってリアルタイム分析できるようにしているんです。
これによって、「信号待ち時間が長いから有料道路を使った方が多くの顧客先を訪問できるので、結果的に利益がでるな」ですとか、やたら多く車線変更している事がわかり、「移動時間に遊びが無さすぎて、遅刻しないように危険な運転になっているから、スケジュールに余裕を持たせよう」といった対応ができるようになるんですよ。
焦っている時は得てして商談の成約率も下がってしまいがちです。詰め込まないようにするだけで結果的に商談の成約率も上がり、それによって許容CPAが上がり、デジタル広告への投資の仕方も変わってきて、と様々な相乗効果で競合優位性と利益が生まれてくるんですね。正直、広告クリエイティブのA/Bテスト100回分の効果より効果的だと思います。更にデータをクラウドに置く事で利活用もしやすく、移動をトリガーとして、Slackや既存システムとの連携も容易になります。
このようにエッジもクラウドも共に磨き抜き、マーケティングに繋げる事でグロースする仕組みが作れるんです。これらの一連の技術を「Chip to cloud」といい、これがソルブレインのテクノロジー活用における強みの一つでもあります。
近年、多くの企業では、業務の効率化、生産性向上、またコロナ禍によるオンライン需要の増加などにより、デジタル化が進んだ。
それに伴い、また多くのIT企業が急成長を遂げたが、真に「顧客の価値(売上 / 利益の創出)」にコミットできている企業は1%もいないのではないか。それが山内氏と櫻庭氏の主張である。
「今は顧客側が最新のテクノロジーに対する物珍しさで提案を受けてしまうケースも散見される。しかし、長い目で見れば、顧客側も自社の事業成長に貢献しないサービスや企業を活用し続ける道理はない」「AIやDXといったバズワードに乗っかり、顧客の持続的な事業成長への貢献を怠った企業は淘汰されていくでしょう」と二人は口をそろえる。では、どうすればこの1%の存在となれるのだろうか。
活用技術が、最先端かどうかなど、どうでもいい。
「顧客の利益がどれだけ増えたか」に向き合う企業こそが生き残る
山内もしも本当に自分たちのテクノロジーに自信があるのであれば、きちんと顧客の売上や利益の創出といった価値の提供にまでコミットしてほしいです。どんなに泥臭くても、そこに真摯に向き合ってくれる企業は本物だと感じます。
山内氏の熱いメッセージに深く頷く櫻庭氏。詰まるところ、二人が述べる「1%のテックカンパニー」に入れるかどうかの違いとは、「どれだけ最先端技術を使っているか」などは問題ではない。事業を推進する上で、テクノロジーを用いて顧客が求める売上 / 利益の創出という価値に向き合うことができるかどうかなのかもしれない。
櫻庭先ほど、マーケットがあるが故に、「最先端テクノロジーを使っています」と標榜しつつも顧客の事業成長(売上 / 利益の創出)には貢献しない、玉石混交のテックビジネスが成り立ってしまう構造があると言いました。しかし、正直なところそうしたビジネスを主とした企業はこれからますます生き残ることは難しくなってくると思います。
なぜなら、時代と共にマーケットが成熟していけば顧客の目も肥えてきて、より本質的な価値(自社事業の売上 / 利益に対する持続的な成長)を求めるようになるからです。
すると、「我が社のテクノロジー・ソリューションを用いれば、貴社の事業も明日からDXを実現できます」といった宣伝で、単なるイメージと広告力や営業力でもって「価値があるように」見せて売っているだけのような企業はメッキが剥がれ、マーケットから退場せざるを得なくなるでしょう。
山内これまでの多くは、ベンチャーやスタートアップがテクノロジー起点で掲げる「夢」や「ビジョン」に対して投資家からの投資がなされていたんだと思っています。そのテクノロジーを用いて顧客にどんな価値を提供でき、変革を起こせるのかについてはそこまで精査し切れていなかったのではないでしょうか。
しかし、昨今の世界的な金融不安が続く社会情勢において、新興企業の株価も下落していますし、投資家はやみくもに資金を投じることに慎重になっています。つまり、もはや明確な課題への目的意識や、提供できる価値や収益の提示なく、描きたい夢やビジョンだけでは投資が得られない時代になったんです。ある意味では、現実的な世界に戻ってきたという状況ですよね。
一種のボーナスタイムが終わった──。
山内氏と櫻庭氏が考える「これからの時代に求められるテックカンパニー」とは、単に見栄えのよい新たなテクノロジーを用いて顧客の「目先の生産性向上や利益獲得」などに走るのではなく、テクノロジーを起点に顧客の「持続的な事業成長(売上 / 利益の創出)」をゴールに据えて取り組む企業なのだ。
言ってしまえば当たり前のようにも思えるが、それがいかに難しいことなのか。二人の会話を見ていると伝わってくるだろう。
テックカンパニーを掲げる経営者よ、
まずは顧客の事業成長にこだわる姿勢を持て
白熱した対談もまもなく終盤にさしかかってきた。ここまで読み進めてくれた読者に対し、感謝の意を込めてFastGrowからプレゼントを用意した。読者諸君の明日の事業経営に活かしてもらうべく、山内氏と櫻庭氏がテックカンパニーの経営者・事業家として大切にしているマインドや価値観をうかがってみたので、お届けしよう。
山内私の場合は、Gakken LEAPとしてBtoC向けのデジタル教育サービスを例に挙げると、短期的な利益や成果を出しながらも、長期的な価値の創出にもコミットすることを大事にしています。
例えば、「CTRが上がった」「CVRが改善した」といった短期のマーケティングの指標も重視しつつ、同時に、顧客のニーズや要望に合わせたUXの改善、またはデータドリブンで顧客の行動を分析するなど、長期目線でLTVの向上にも意識を向けていくんです。
中でも後者のような、長期的かつ本質的な価値を追求する場合は、得てして自社の短期的なP/Lにはヒットしません。そこが難しく歯がゆい点でもありますよね。
けれど、そこに向けて目先の利益も確保しながらコミットしていくことで、長い目で見たら企業価値は上がり、自社の利益にも繋がるはずです。短期的な利益と長期的な利益、共に意志を持って追い求めることが持続的な事業成長には欠かせませんね。
次いで櫻庭氏は、「テックカンパニーを標榜する全ての企業は、技術をフル活用しながら顧客の持続的な事業成長、持続的な売上 / 利益の創出に取り組むべきであり、まずはその意識をもつことがテックカンパニーたるスタートラインだ」と主張する。
櫻庭今回、山内さんと何度もお話させていただいたように、最先端のテクノロジーをサービスに用いていようがいまいが、顧客の売上や利益の創出にコミットする姿勢がないということはビジネスとして本末転倒だということです。
そもそも、「顧客の利益を創出できていなければ、自分たちが存在している意味はない」と私は思うんです。
櫻庭テクノロジーを活用して顧客の課題を解決していくならば、「こういうデータをマーケティングで使った方が利益が増える」「こういうテクノロジーの使い方をした方がLTVが高まる」と、顧客の持続的な事業成長に結びつくことを提案すべきです。
例えば、顧客の商品・サービス自体に改善の余地があるのならば、それを売るためにひたすら広告を打ってABテストをするだけではなく、「商品・サービスにこういう付加価値をつければいいのでは?」といった商材設計やビジネスモデルにまで踏み込んでいく姿勢が大事だと思いますね。
局所的な最適解のための単なるツール導入ではなく、顧客の事業全体を見通し、事業成長のボトルネックとなる課題を抽出・分析し、解消していく。まさにソルブレインの御家芸たるグロースマーケティングだ。
とはいえ、顧客の中には、価値貢献に根差した提案をしても抵抗を示したり、受け入れてもらえなかったりする場合もあるのではないか。
櫻庭自分たちの提案を受け入れてもらえなかった時は、「自分たちの説明が不十分だった」と捉えるようにしています。顧客側の経営者たちは、ご自身が育て上げてきた企業に対して深い愛情をお持ちですし、当然ながら自社の企業価値・事業価値を上げたいと皆さん思っています。
そこに対して我々の提案が納得してもらえないということは、そもそも提案や提案の伝え方がズレている可能性がある。なので、我々の場合は納得していただけるまで提案をブラッシュアップして、何度でも諦めずにアプローチを続けていますね。
顧客の価値(売上 / 利益の創出)にコミットするとは、こういうことなのだろう。創業期から「プロフェッショナルとして成果を出し続ける」ことにこだわる櫻庭氏。
自社の利益のみを考えた経営スタイルではなく、顧客に提供する価値(売上 / 利益の創出)に重きを置く。テクノロジーを扱う経営者であるが、テクノロジーはあくまでも手段。どこまでも顧客志向というマインドを貫いている。
山内ソルブレインは、顧客の事業価値を上げるために生半可じゃない量の提案をしますからね。1つの提案だけで突破しようとは思っていない。
世の中には、「CVRが目標数値に達したので成功です」とそこでアクションを終えてしまう方々がいるじゃないですか。所詮は他人の事業なんだから、報酬分の稼働と目標を満たせば終わりだと。まあそれでよしとする経営マインドならいいんですが、ソルブレインは違いますね。
「こうすれば顧客の事業にパラダイムチェンジを起こせる」と常に考え、顧客への飽くなき価値訴求を続けている、正真正銘のテックカンパニーですよ。
山内氏をここまで唸らせる経営者・櫻庭氏のマインドやスタンスは、やはり硬派、やはり質実剛健。是非、読者諸君は二人のメッセージを自分なりに噛み砕き、自身の事業経営に活かしてみてはいかがだろうか。
経営者・起業家たちよ、
テックカンパニーであり続ける覚悟はあるか?
「テックカンパニーとは何か?」
「テックカンパニーの真贋を見極める術とは?」
「テックカンパニーとして生き残るためには何が必要か?」。
ある種、無茶ぶりとも言えるFastGrowの問いかけに対し、忖度抜きに意見を披瀝してくれたGakken LEAP CTOの山内氏と、ソルブレイン代表の櫻庭氏。
彼らから学べたことは、これからの時代、テックカンパニーとは、技術を活用することはもちろんであるが、持続的な顧客の事業成長、すなわち売上 / 利益の創出にこだわり続けなければ、いよいよ立ち行かなくなるということ。
なぜなら、マーケットが成熟し、これからは顧客企業の経営者たちもより厳しい目で提供側の価値の源泉に目を光らせるようになるからだ。
そんな顧客企業側にも山内氏は想いを寄せる。「どうか、データサイエンティストやエンジニアを魔法使いのように『なんでもしてくれるんだ』と過度に期待をするのではなく、経営者自身もテクノロジーの存在意義を学び、正しく自分たちの価値(売上 / 利益の創出)にコミットしてくれる企業や人を選んでほしい」と。
今後、テクノロジーの進化はより加速度を増し、あらゆる業界に変革を起こしていく可能性を秘めている。そのテクノロジーを武器に、顧客の持続的な事業成長やパラダイムチェンジを志向する二人は、今後の未来社会に向けてどんなビジョンを抱いているのだろうか。
山内Gakken LEAPは、学研グループ全体のDXを推進し、教育業界の変革をミッションに掲げています。その入口となる顧客IDサービス『Gakken ID』をもとに、ユーザーのニーズに合ったコンテンツやサービスづくりをしていきたいです。
教育というのは、届け方次第で本人が学びを好きになったり、嫌いになったりもします。では、好きになってもらうためにどのように届けるか。その手段がテクノロジーだと考えています。
Gakken LEAPでは現在、大人向けの資格取得サービスである『Shikaku Pass』を皮切りに、デジタルだからこそできるユーザーとの双方向のコミュニケーションや、ユーザーの行動ログを分析したサービス改善などを推し進めています。
また、学研グループに蓄積されている77年分の教育コンテンツ資産をデジタル上に集約し、今後のプロダクトづくりの際に社内の誰もがアクセスして活用できるような仕掛けもつくっていきたいです。この21世紀最大の発明とも言うべきテクノロジーで「学び」の最適解を見つけて、学研の価値を高めていきたいですね。
山内学研グループ全体のDXという観点では、古くから手がけているサービスや事業領域の広さゆえの大変さもありますが、私自身は学研の価値にシンパシーを感じており、「こうすればもっとよくなる」という強い信念があります。
日経時代と同様、周りから理解してもらえるように深く向き合いながら、テクノロジーを活用して新たな価値を創造していきたいと思います。
一方、櫻庭氏率いるソルブレインは今、次なるステージに向けて事業拡大を進めている。領域の拡大と、既存顧客のさらなる利益創出だ。
櫻庭1つは、グロースマーケティングをあらゆる業界に対して展開していくこと。そしてもう1つは、既存の顧客の利益をさらに高めていくことです。
そして私自身の想いですが、自身の出身地であり、ソルブレインを興した地でもある仙台・東北の地に希望を与えられる存在でありたいと思っています。地方拠点の企業であっても、テクノロジーを起点に日本全体で活躍できるんだというモデルケースをつくりたいんです。そのためにはIPOも一つの手段として、新たな道を切り拓いていけたらと日々精進しています。
どんなに最先端なテクノロジーを持っていても、それが顧客の価値となって昇華されなければ、顧客は離れていくどころか、マーケットに存続することすらできない時代が目の前に迫っている。
今後も、世の中においてDXを主軸としたテクノロジーへの要請は加速することだろう。そこで、数ある企業の中から「あなたにこそ」と顧客から選ばれるテックカンパニーというのは、目新しいテクノロジーを振りかざし、局所的な最適解を提案する企業ではなく、テクノロジーを用いて顧客以上に顧客の事業成長を見据え、飽くなき価値(売上 / 利益)への追求ができる企業なのではないだろうか。
貴社貴殿は、テックカンパニーであり続ける覚悟はあるか?
こちらの記事は2023年05月01日に公開しており、
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執筆
山田 優子
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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