DXに必要なのはビジョン・戦略、そして「人に妥協しないこと」だ──壮大なリアル事業を変革し始めた東急不動産ホールディングスのデジタルエキスパート集団TFHD digitalとは
Sponsored日本を代表する総合デベロッパー・東急不動産ホールディングスで今、DXの機運が高まり、事例が多く生まれている。それを力強く推進しているのがデジタルエキスパート集団・TFHD digitalだ。
この「エキスパート」という言葉は決して大げさではなく、少数精鋭で不動産業界のDXに邁進するユニークなチームとなっている。そして、それを牽引するのがホールディングスグループ内出身の二人の稀有な"デジタル経営人材”だ。
DXによって不動産ビジネスの枠を超え、街と暮らしをアップデートする──。この最前線で起きているイノベーションと、それを実現する組織のつくり方から、現代を生きるビジネスパーソンが学ぶべきことは多い。業界の常識に捉われない発想力と行動力を身につけるヒントがここにある。
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
「壮大なリアル事業」にデジタルをかけ合わせ、これまでにない価値を
兼久東急不動産ホールディングス(以下、東急不動産HD)は、これまで総合デベロッパーとしてリアル事業の数々を手掛けてきました。ここに今こそデジタルの力をかけ合わせることで、これまでにない価値を提供していきます。
武重我々は「ホールディングス全体をDXで力強く推進していく」ような存在になろうとしています。今、手ごたえを感じ始めているところです。
笑顔で話す二人。東急不動産HDグループ全体のDXを力強く推し進めるTFHD digitalの取締役執行役員であり、2024年4月からは東急不動産HDのグループDX推進部統括部長も務める兼久氏。それから、TFHD digitalの上席執行役員プリンシパルとして現場でも躍動する武重氏だ。
東急不動産HDは2023年、経済産業省・東京証券取引所が選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄2023 (DX銘柄2023)」にも選定されている。とは言っても、渋谷フクラスやポートシティ竹芝に代表されるような大規模開発事業のイメージが強い。もしかしたら、「東急不動産HDのDX」に対して、具体的なイメージを持つ読者はまだ多くないかもしれない。今回は、そんな読者に対して驚きを提供したい。
2022年に立ち上がったTFHD digitalという会社が今、破竹の勢いで、不動産DXの実績を積み上げている。そしてそれを牽引する稀有な“デジタル経営人材”とも呼べる存在が、この二人なのだ。
武重ホールディングスとして非常に大規模な事業をやっているので、多くのデータがあります。活用余地がものすごく大きいことを今、実感しています。
では、TFHD digitalの何がユニークなのか?どのような期待を抱かせるのか?それをここから、ビジョン面と戦略面から解き明かしていこう。
稀有な“デジタル経営人材”が躍動するTFHD digital
DX戦略や実際の取り組みについて、そのユニークさに迫っていきたいところだが、その前にまずは、なぜこの二人がDXの現場で躍動しているのか、という点に触れていきたい。
兼久不動産会社に入ったのですが、不動産開発に直接携わった経験はほとんどありません(笑)。特に今につながるのが、福利厚生代行サービスを提供するイーウェルという新会社設立の仕事ですね。
新規事業をゼロから企画して会社を立ち上げ、福利厚生代行サービスの企画はもちろん、ウェブサイトの開設、コールセンターも含めたオペレーション構築などに携わりました。この時、システムの知見は全くなかったのですが、プロジェクトを推進するためにパートナー企業のメンバーも含め、システム開発のメンバーたちと積極的にコミュニケーションを取り、人間関係を構築することを意識してやってきました。この時の経験が今でも活きていると思います。
武重このようにシステム開発チームと近い距離で事業を推進してきた人は、グループ全体を見渡してもあまり多くいません。デジタル化の実務に精通したチームメンバーと対等に話しながら、ビジョンの実現に向かっていける。そんな貴重な存在です。
デジタルのことだけわかっていてもしょうがないし、不動産事業のことしかわかっていないというのもなかなか前に進みません。兼久さんは両方の知見・経験を持っているので、TFHD digitalの事業も前に進みやすくなっています。
武重氏がわかりやすく解説するように、兼久氏は経営や事業という大局的な目線で、リアルとデジタルをつなぐ経験をしてきた稀有な存在だ。
日本の大企業は、デジタル化やDXに苦戦しがちだとよく言われる。その中でも特に指摘されやすい要因の一つが「デジタル人材の不足」だろう。社内のシステム開発チームが小さく、SIerと呼ばれる企業に外注するケースが多かった。その結果、大企業の意思決定層に、デジタル化の知見や経験を持つ人材が増えなかったという指摘だ。
だが、東急不動産HDにおいてはそうした経験を持つ兼久氏や武重氏がいた。しかも、経営や事業を担うほどの経験も持っていた。
武重氏の経験についても確認していこう。
武重私は2016年ごろから、当時グループ会社だったフィットネスクラブでBIツールやCRMを活用したデータマーケティングを推進してきました。全国数十店舗で毎日数百人の新規入会がありますから、そのデータを蓄積・活用するだけで、経営に資するさまざまな示唆が得られます。グループの中では群を抜いてデジタル化が進んでいたような現場だったと思います。
この時の成果が評価されて、ホールディングスのDX推進室に立ち上げた初年度から参画することに。そうして業務効率化のプロジェクトなど、さまざまな業務のDXに携わってきました。
TFHD digitalの立ち上げよりも前からホールディングス内のさまざまなデジタル関連の取り組みで躍動していたこの二人。そして今ついに、「不動産業界のDXをリードするデジタルエキスパート集団」の牽引役として、成果を創出し始めている。
不動産は「建てて終わり」じゃない。
あらゆる境界を取り除き、まちにイノベーションを
さて、DX戦略について深く入り込んでいく。
まず、東急不動産HDはDXビジョンとして「― Digital Fusion ― デジタルの力で、あらゆる境界を取り除く」と掲げている。グループ全体で相互の壁をなくしていきながら、DXを推進していくのだ。その中核を担う存在こそ、この二人が率いるTFHD digitalである。
そして、そこには三つの方針がある。ビジネスプロセスの効率化、CX(顧客体験)の向上、イノベーションの創出だ。
そもそも東急不動産HDグループの事業規模は大きく、不動産開発などの資産活用型ビジネスと、商業施設やリゾート施設の運営などの人財活用型ビジネスの2つに分かれる。どちらも、リアルな空間やサービスが主体となっている。
資産活用型ビジネスとして、渋谷ソラスタやポートシティ竹芝、北海道ニセコエリアのまちづくりといった大規模プロジェクトがイメージされるだろう。そんな中で今回言及したいのは、2023年竣工の『Shibuya Sakura Stage』だ。
兼久「建物を建てて終わり」ではありません。むしろ、建ててからが本番。施設の運営に加えて、その建物の魅力を向上させるためには、様々な取り組みが必要であり、その取り組みの手段の1つとして、デジタルを活用して継続的に体験価値を高めていくことが重要だと考えています。そんな挑戦がどんどん加速しています。
兼久DXによる価値創出は、単なるビジネス面だけでなく、まちづくりの在り方そのものを変えていく可能性があると考えています。「リアルとデジタル」というかたちで別々に捉えるのではなく、その二つの異なる領域を高次元で融合させ、都市の魅力や暮らしやすさを高めていく。それこそが、私たちが目指すDXの方向性です。
DXは、ゴールではなく通過点。リアルな事業を起点に、DXの力を借りながら、街や暮らしをより良いものへと導いていきます。
ホールディングスの想いを乗せ、推し進める「横串」戦略
ではそのために、TFHD digitalはどのような取り組みを行っているのだろうか?現場で躍動する武重氏から語ってもらおう。ここでキーワードになるのが「横串」だ。
武重東急不動産HDでも、TFHD digital設立以前からDXの取り組みが各事業会社で進められてきています。たとえばBIツールを活用した太陽光発電所のパフォーマンス管理や、煩雑化した週報の取り纏め施策など、業務効率化を目的とした事例がありました。
ですが一つ、小さくない課題があったんです。それは、会社や事業ごとにバラバラに進めがちで、全体最適の視点が欠けてしまうこと。
各社が個別最適の考えでデジタル化を進めるのでは、DXと呼べるような大きな価値を生み出せません。たとえばデータがばらばらに散らばってしまい、一貫した活用ができない。データは、横串で活用してこそ本当の意味を持つんです。
そのために、TFHD digitalはその立ち位置について工夫を重ねる。
武重大きな組織においてトップダウンで物事を進めることは重要ですが、それだけでは、現場に「やらされ感」が生まれてしまう。一緒に考え、伴走していくような存在が必要なんです。私たちはそうありたいと思っています。
経営と戦略、そして現場の思いをそれぞれしっかり把握し、すべきことを細かくすり合わせていくことで、Win-Winな関係をつくる。そうして初めて、良いDXが進むんです。
TFHD digitalは、各事業におけるDXの推進サポートに加え、データ活用の基盤となるBIツール『BeesConnect』の展開も担っている。導入支援だけでなく、活用場面のアドバイスや、現場の意見を吸い上げる役割も果たしてきた。
武重私たち自身が東急不動産HDの事業や組織のことをよく理解し、一緒に走っていくからこそ、各事業の課題をより深く理解し、DX推進における適切な支援ができる。外部の会社に多くを任せるのではなく、グループ内で「伴走型の支援組織」となっているからこそ、現場にも経営にも価値がある施策を進めていけるんです。
加えて、DXの効果を最大化するには、システム導入後の運用定着まで見据えた息の長いサポートが不可欠だ。新しいツールを導入しても、現場に根付かなければ本当の意味で業務は変わらない。
武重システムの操作指導はもちろん、業務プロセスの可視化・見直しまで踏み込んで支援しています。表面的なツール導入だけでは、DXの真価は発揮できません。地道な現場課題の言語化から、一緒に取り組んでいくことが、DX成功の秘訣だと考えています。
大企業におけるDXの難しさは、組織の複雑さ故の属人化された業務プロセスにある。属人的な部分をいかにデジタルに乗せていくかが、DX推進の重要なカギとなる。
武重各事業会社のオペレーションには、必ず属人的な部分があります。それをいかに形式知化し、データ化していくか。そこに私たちの腕の見せ所があるのです。現場にしかわからない、言語化できない悩みや課題をすくい上げ、デジタル化につなげていく。こうした地道な現場との対話こそが、DXを進める上での要諦だと実感しています。
兼久グループの各事業会社が、各事業あるいは各建物みたいな範囲で最適化やデジタル化を考えるだけでは、全体の価値の高まりが不十分になってしまう。そこで、ホールディングスとしてデジタルの力を高めていこうという強い想いを持って取り組んでいます。そのための組織がTFHD digitalなんです。
東急不動産HDのバリューチェーン全体を俯瞰して、価値を高めていく。横をつなげて、全体を進化させていく、そんな存在になろうとしています。これは、外部のパートナー企業と組むだけでは実現できないことだと思います。
東急不動産HDのDX推進は、もちろんまだ道半ばで、これから取り組むべき大きなプロジェクトが多くある。だからこそ、事業に精通したTFHD digitalの役割は重要性を増している。
兼久私たちには、グループ全体のデジタル変革をリードする使命があります。現場目線を大切にしながら、仲間を巻き込み、DX推進の中核を担っていきたいと思っています。
貫く「少数精鋭」へのこだわり
武重実は、このTFHD digitalという組織を急速に大きくしたい、とは考えていないんです。
そう言って笑顔を見せる武重氏。DXを進めるためには「デジタル人材の数の多さ」こそが重要に思えるが、意外にも「組織の大きさ」にはこだわりがないという。ここにも、同社のユニークさが垣間見える。
その組織の特徴について、もう少し迫っていきたい。印象に残った第二のキーワードが、「少数精鋭」だ。
兼久中途採用には積極的に取り組んでいますが、厳選採用するようにしています。
武重能力ももちろんですが、やはり「想い」の部分では特に妥協しないようにしています。なぜなら、DX推進においてデジタルに関するスキルや知識だけでは不十分になってくるからです。
たとえば、ビジネス理解とコミュニケーション能力は不可欠。かつ、それらを単に使いこなせればいいというわけでもありません。想いやビジョンの部分をしっかり理解して、本質を見極めて行動していかなければ、前に進みません。
バックグラウンドの異なるメンバー同士が議論を重ねることで、事業サイドの本質的な課題を見出し、最適なDXソリューションを導き出せるのです。
ここには、大企業というよりもむしろスタートアップらしさを感じる読者が多いのではないだろうか。「想い」や「共感」を大切にした採用によって、少数ながらも力強く事業を推進していきたいという二人の強い意志が印象的だ。
TFHD digitalは、東急不動産HDのDX推進に本気で取り組む意欲と熱意を持つ人材を選りすぐっている。
兼久TFHD digitalは、ホールディングスやグループ会社それぞれにとってのDXパートナーです。単に開発を受託するのではなく、グループの変革をリードする存在であってほしい。
DXの専門性に加え、ITとビジネスの橋渡し役としてのセンスを兼ね備えた「ブリッジパーソン」を期待しています。そうした志ある人材がTFHD digitalに集うことで、グループのDX推進力は飛躍的に高まるはずです。
実際、TFHD digitalの社員からは「ユーザー目線で既成概念に捉われない新しいサービスを生み出したい」「DXを通じてグループ全体に変革の風を吹き込みたい」など、意欲的な声が上がっているという。
多様性に富み、志向性の高いメンバーが集う環境。それ自体が、イノベーション創出の源泉となる。
武重妥協することなく、ユニークで新しいことにチャレンジする人たちを揃えようとしているからこそ、面白いアイデアが次々と生まれるんです。誤解を恐れずに言えば、「無難」を好む人は、TFHD digitalには馴染めないかもしれません(笑)。
多様な価値観がぶつかり合うことで、化学反応が起こる。そうした刺激は、私自身の成長にもつながっています。
個人の特性を活かしつつ、組織としての一体感も大切にする。TFHD digitalは、東急不動産HDのDXを担う多種多様な人材の結節点として機能させていく。
二人の言葉からは、人材の力を結集することで、DXの可能性を最大限に引き出そうとする強い意志が感じられた。
事業の本質的な課題を捉え、DXの中核へ
「妥協のない採用」という言葉が示すように、TFHD digitalが何より重視するのは「人」だ。DXのスキルに加え、東急不動産HDの未来を切り拓く意欲と覚悟を持つ人材を求めている。
多様なバックグラウンドを持つメンバーが集うことで、事業サイドの本質的な課題を見出し、最適なDXソリューションを導き出すことができる。「ブリッジパーソン」の役割を担うセンスが問われるとも言えるかもしれない。そんなチャレンジングな環境にも思える。
もちろん、個人のチャレンジだけでなく、大局観も重要になるのだろう。TFHD digitalは、グループ全体の変革をリードする使命を担っている。現場に寄り添いながら、DX推進の中核として機能していくことが期待される。
不動産ビジネスの枠を超え、街と暮らしをアップデートする。TFHD digitalの挑戦は、東急不動産HDの新たな成長ストーリーを紡ぐ鍵となるだろう。これからの取り組みに注目していきたい。
こちらの記事は2024年03月29日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
写真
藤田 慎一郎
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