プロダクトづくりにおいて、特に大事にしていることを教えてください。
プロダクトづくりにおいて、特に大事にしていることを教えてください。
4件の回答
「ユーザーが求めているものか」と「社会全体の中で自分たちが作るべきものか」の2点を大事にしています。後者は言い換えると、「本当の意味での客観視ができているか」ということです。実は世の中のほとんどの事業・サービスは、リソースもアセットもある大企業が作った方がいいはず。その中で、なぜ僕らのような小さいスタートアップがやるべきなのか?という問いは重要だと思っています。
Luupを例にすると、電動モビリティは究極的にはトヨタさんのような大手企業がやる方がいいんです。機体の製造に関しては、ものすごく積み上げられたノウハウもありますし、小さい組織で作るより全然良いものができるはずで。それでも僕らが取り組むのは、既存の産業構造と今後訪れるモビリティ業界の未来に「溝」があるから。具体的には、これまでの売り切りモデルの終焉、高度なソフトウェア開発の必要性、そして各関係省庁および地元との共生という地味なオペレーションの3つです。これらを既存の大手メーカーさんがスピード感を持って取り組むのは現実的ではないという観点で、Luupというのは存在しています。
スタートアップが取り組むべきことというのは、実は本当に奇跡的に小さいポイントしかないと思っており、その本質を見誤ってはいけません。その意味で、僕らはデータベースやアプリケーションレイヤーとオペレーションの2つは自分たちで作るべきだと思っていますが、機体の製造は最終的には国内メーカーが行った方が良いと思っています。
市場と顧客の最大公約数を見つけることです。「プロダクトのあるべき理想の姿」と「顧客からの要望」があると思うのですが、どの要望に応えるべきか、その判断がすごく重要だと思っています。
特に初期は、狙う市場のど真ん中にいるターゲットだけに絞ることが大事です。理想の姿と顧客の声を結びつけるためにも、課題にフィットした”熱量の高い顧客”に集中するイメージですね。僕らも初期は「ここの数社を狙う」という具体的なペルソナ企業があり、的確なフィードバックをいただきながら一緒にプロダクトを磨き上げてきました。
お客様のことを第一に考えること、その次に定量的にサービスを改善していくことは大事にしています。どのサービスもそうですが、お客様がいて初めて商売が成り立つので、お客様に対してより良いサービスを提供する為にできることを考えています。その上で、定量的な数値であったりファクトを元に改善することは会社の文化レベルでとても大切にしています。
「直感」を大事にしています。前職DeNAのカルチャーをご存知の方からすると意外かもしれないですが、自分自身がユーザーとして使う中で感じる直感には、なるべく従うようにしています。もちろん論理的に考えることも重要ですが、ユーザーさんがサービスを使うときに考えるのはロジックではありません。
ちなみに「直感」の重要性に気付かされたのは、前職で綾太郎さんと働いていたときです。DeNAではすごく数字を大切にしていたので、綾太郎さんが「そのピンクの色味は“ダサいから”やめようよ」とフィードバックをしてきたときに衝撃を受けました(笑)。でもこれは決して適当に意思決定しているわけではなくて、ユーザーさんも同じことを思っているんです。数値化できないような「気持ち良さ」や「使いやすさ」、つまり感覚こそが「正義」。なので、日頃から自分の感じた直感は殺さないよう意識しています。