今田 孝哉
株式会社Asobica
代表取締役 CEO2015年ファインドスターグループに入社。年間トップセールス及び、社内の歴代記録を更新し(当時)最年少昇格を達成。CS領域におけるSaaSの立ち上げに従事し、多くの会社のカスタマーサクセス部門を支援。その後株式会社Asobicaを創業し、ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum」をリリース。2019年4月には30歳未満のアジア30人「Forbes Under30 2019」に選出。
ちょうど所属している会社にて、カスタマーサクセスの部署を立ち上げる予定です。(正確にはカスタマーサポートセンターのコスト削減目的で、よりコスパの高いチームにしようという目的と聞いています。)
カスタマーサクセス部署の立ち上げにあたり、適切なKPI設計や組織設計など、気を付けるべきポイントはありますか?
今田 孝哉氏の回答
解決したい課題はあるが、ビジネスとして持続的に成立させるのが難しそうな場合、参入しない方が良いでしょうか?大きな利益を追求せず、価値を提供することに専念するのは悪手なのでしょうか。
長期的に考えて「インフラになれるかどうか」を考えてみても良いかもしれません。たとえ短期的に収益が上がらなくても、ユーザーがしっかりと定着すれば後から回収できるので。例えば、まだ市場が形成されていないフェーズで参入する場合は、多少コストをかけてでも成功事例をつくる必要があるため、ある程度の時間軸で考える必要があります。その観点だと、どれだけ資金調達できるかも一つ重要な要素だと思います。
僕らの場合、ARR100億円という目標があり、逆算して事業計画は10年先まで見ていますが、そこに至るまでの具体的な道のりもつくっていなかければならないので、半年や1年先などもバランス良く見るように心掛けています。
今田 孝哉氏の回答
以前はtoC向けのコミュニティツールを提供されていたと思うのですが、サービスクローズの理由や、現在の事業への展開過程など、もし聞かせていただけると幸いです。
クローズした理由は、僕らの目標である「ARR100億円以上」を実現できないと判断したからです。具体的には参入タイミングが早すぎたというのが大きいです。前の事業は、ブロックチェーンやトークンエコノミー領域だったのですが、市場が成立するには5年10年かかってしまう。その時点でのキャッシュの状況や、事業を運営していった先のマネタイズなどを総合的に判断し、クローズという意思決定に至りました。
ちなみにクローズした事業も、現在提供している「coorum」も、どちらも起業当初からアイデア自体はありました。後者に関しては、前職で関わっていた領域であり、課題も肌感があったし営業も経験があったのである程度は伸ばせるだろうと思っていて。なので、初期はより未知数なC向けからスタートし、6ヶ月で結果が出なければB向けに転換しようと決めていました。初速は良かったのですが、長期的な目線で判断しピボットすることを決断しました。
今田 孝哉氏の回答
カスタマーサクセス (CS)という市場において、Asobicaさんは現状どのようなポジションを築いているのでしょうか?また具体的な優位性があれば教えてほしいです。
現在提供している「coorum」というプロダクトは、「カスタマーサクセスオートメーション」という独自のポジションを築いています。いま市場にあるCS領域のプロダクトは、機能として「分析」と「アクション」の2つに分けられますが、「coorum」はこの両方を実現し、自動化・仕組み化が可能なところが他との違いです。
実は過去、同じ話がマーケティング領域でも起こっていました。例えば、BI(ビジネス・インテリジェンス)などの「分析ツール」と、ポップアップやメールなどの「アクションツール」が分散していることで、最適化・仕組み化できないという課題が発生していたんです。そして、それを一本化することで解決したのが「b→dash」さんで、構造としては弊社も同じです。
また前提として、「業界で1番のポジションを取らないといけない」と考えています。なぜなら1番でなければ、顧客に価値を還元できないからです。1番であれば価格決定権もあり、機能のさらなる発達への投資もできるので、結果的に顧客により良い価値を提供できると思っています。あとは昔から父親に「1番になれないならやるな」と言われてきたので、価値観として”No.1でいること”が刻み込まれているというのもあるかもしれません(笑)。
今田 孝哉氏の回答
事業案/タネを思いついた時に、一旦検証してみようと思うアイデアの条件と検証してこれはいけるんじゃないかと実装を考える条件を具体的に伺いたいです(例えば現在のメインで取り組まれている事業の場合)
プロダクトづくりにおいて、特に大事にしていることを教えてください。
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