現役BizDevに聞いた「オススメ書籍」Vol.03──5名から計9冊をご紹介
事業を立ち上げたり、事業を伸ばしたり。あるいは、事業を見直したり。FastGrowの読者の中でも特に比率が高い「BizDev」に携わる者たちは日々、前述のような状況下で、さまざまな悩みに向き合っていることだろう。そんな時、心の支えになる一つがきっと、書籍(本)だ。
実際にこれまで多くのBizDevを取材する中で、書籍についての話が出る機会は多かった。事業や経営に関する意思決定を進める際に、理由や指針、あるいは勇気づけられる言葉として存在感を発揮するのが、書籍で得た知見やヒントであるはず。
そこで、書籍の情報に特化し、現役BizDevの皆様から紹介をいただく記事連載を制作しよう。題して、BizDevに聞いた「オススメ書籍」。
今回は計9冊、
『20代が仕事で大切にしたいこと ありのままの自分で成果が出る3つのルール』
『解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』
『銀河英雄伝説』
『DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門』
について紹介する。
※BizDev、事業開発、事業責任者といったお仕事をされている皆様から、オススメ書籍のご投稿、お待ちしております。こちらのフォームから是非お気軽にご回答ください。
ベーシック 甲斐氏
『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』
『論点思考 BCG流 問題設定の技術』
株式会社ベーシック
甲斐 雅之氏(Xアカウントはコチラ)
書籍から学んだこと
事業推進時や新規事業開発時における、「筋の良い仮説をどのように構築すべきか?」「どのように論点を設定すべきか?」「論点をどのように整理すべきか?」等の問いに答えてくれる名著です。
こちらの本に出会うまでは個人能力を活かして邁進するワークスタイルであったものの、読了後はステークホルダーと協業するワークスタイルとなり、複数人の力を最大限に活かしながらプロジェクトを推進できるようになりました。
特に、施策遂行時に論点を整理する癖を身につけてからは、構造化されたロジックツリーにて導き出される「他の選択肢」や「指定の解決策を選んだ際のリスク」を事前に洗い出せるようになり、途中でプロジェクトが立ち行かなくなったり、推進時に後から課題が見つかってしまったりする場面を、大幅に減らすことができました。
また、こちらの2冊は同じ著者である内田和成先生が関連付けて執筆した本となっており、2冊続けて読むことをオススメします。
誰に対してオススメしたいか
現場メンバーから経営層の方まで、ビジネスに関わるすべての人にオススメします。
現場メンバー目線としては、自身の上長や経営層への報連相が発生した際の「相談」のアジェンダ作成時にて、課題を構造化し、論点を提示しながら話を展開できるようになります。
また、上長目線、経営層目線としては、現場メンバーやプロジェクトメンバーから相談を受けた際に、「仮説をどのように立てたか?」「論点をどのように整理したか?」を擦り合わせる意識を持つことで、適切にフィードバックができるようになります。
私自身、新規事業の立ち上げの際、既存事業の中長期計画を立案する際など、さまざまな場面で「仮説をどのように立てるべきか?」「論点をどのように整理すべきか?」を意識して業務を推進してまいりました。事業を推進するどのような場面でも、応用可能な思考プロセスとして、「仮説思考」「論点思考」ともに取り入れることを推奨します。
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
書籍情報 | |
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著者 | 内田 和成 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2006/3/31 |
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論点思考 BCG流 問題設定の技術
書籍情報 | |
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著者 | 内田 和成 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2010/1/29 |
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AnyReach 山崎氏
『20代が仕事で大切にしたいこと ありのままの自分で成果が出る3つのルール』
AnyReach株式会社
BizDev
山崎 愛美氏(Xアカウントはコチラ)
20代が仕事で大切にしたいこと ありのままの自分で成果が出る3つのルール
書籍情報 | |
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著者 | 飯塚 勇太 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
出版日 | 2023/4/5 |
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この書籍から学んだこと
組織で成果を出す上で必要なことが全て詰まっている本だと思っています。「他者への想像力を働かせる」「挨拶はしっかりする」「オンライン会議で一言目を発する」「正確性よりスピード」「成果がでることだけをする=無駄なことは極力省く努力をする」などなど、当たり前に理解していることのようで、意外と出来ていないことに気が付かされます。
仕事はけして一人でしているわけではない中で、組織で最大の成果をだすためには全員が当たり前のことをしっかりやり切ることが何だかんだで一番大切であるということに、立ち返ることができる本です。
日々の業務に追われ、少し心が疲れているときに手に取ると「頑張ろう!」と思える本でして、デスクの横にお守りのように置いています。
誰に対してオススメしたいか
全員におすすめしたい本ですが、特にシード→シリーズBぐらいの会社(組織が急拡大し、関わるメンバーの数が急スピードで増えている会社)にいる方におすすめしたいです。
kubell(旧Chatwork) 藤井氏
『解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』
『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件』
株式会社kubell(旧Chatwork株式会社)
藤井 謙太郎氏(Xアカウントはコチラ)
誰に対してオススメしたいか
0→1のフェーズで、何かしっくりこない違和感を抱える方におすすめです。また、1→10のステージで、事業の本質を見極め、差別化戦略を練り上げたい方にも役立つのではないでしょうか。
解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法
書籍情報 | |
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著者 | 馬田隆明 |
出版社 | 英治出版 |
出版日 | 2022/11/19 |
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書籍から学んだこと
新規事業の成功は、高い解像度から始まるのではないでしょうか。それは、行動と思考による検証の積み重ね、そして誰よりも鋭い洞察力を持つことだと言えます。この本は、「広さ」「深さ」「構造」「時間」をバランスよく捉えるマクロな視点を磨くヒントを与えてくれます。高い解像度は自信につながり、アイディエーションから資金調達、組織づくりまで、あらゆる場面で説得力と信頼感を生み出すように思います。迷った時の羅針盤として、この一冊は常に手元に置いておきたい書籍です。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
書籍情報 | |
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著者 | 楠木 建 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2010/4/23 |
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書籍から学んだこと
優れた事業には、心を揺さぶる動画のようにストーリーがあるのかもしれません。「誰に」「何を」「どうやって」を軸に、「違い」と「つながり」を紡ぎだすセンスを磨く、そんな一冊です。失敗や収益の見通しが立たない事業には、往々にして戦略が欠けているように感じます。魅力的なストーリーは、人々の心に響き、ユーザーも人材も引き寄せるのではないでしょうか。この本は、そんなストーリーを描くためのヒントを与えてくれます。
ラクスル 藤谷氏
『フロー体験 喜びの現象学』
『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』
ラクスル株式会社
ラクスル事業本部 新規PJ 事業部長
藤谷 亮太氏(Xアカウントはコチラ)
フロー体験 喜びの現象学
書籍情報 | |
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著者 | M. チクセントミハイ |
出版社 | 世界思想社教学社 |
出版日 | 1996/8/1 |
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この書籍から学んだこと
「自身の内面の在り方が変わることで、社会や周囲の人への捉え方が変わる」という大筋だと解釈しています。「目の前のことに情熱を注ぎ、没頭しきる能力を高めるヒント」が記された本書と出会ったことで、人生のエネルギー総量が増したと感じています。また真にフォーカスすべき対象に集中しやすくなることで、事業運営のなかで不安に感じてしまうものの本当はリスクではない対象は中立に捉え、重要視すべき対象のみに正しく意識を向けやすくなりました。この書籍を通して「没頭力」を体系的に理論で掴めたことで、チームへも昇華しやすくなりました。
誰に対してオススメしたいか
役割や事業フェーズなど、何か変化の前後にいる際に特におすすめです。環境の変化と共に不確実性要素が高まったと感じるときに読むと、毎回新たな気づきを得られやすいです。また直接的な事業構築のみならず、人生をより豊かにする上で大切な考え方が詰まっていると感じており、自身の意識習慣の先にある変化と成長の扉を開くきっかけになる書籍です。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT
書籍情報 | |
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著者 | アンドリュー・S・グローブ |
出版社 | 日経BP |
出版日 | 2017/1/11 |
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この書籍から学んだこと
チーム成果を最大化するためにマネージャーが注力すべき仕事をテーマにした書籍で、事業/組織フェーズが変化するなかアウトプット品質を維持し続ける方法がグローバル企業の具体事例ともに紹介されています。私はこの書籍から、生産の基本原理に沿ったリーダーシップの発揮方法・意思決定プロセスに役立つ具体的な考え方のヒントを得ています。
誰に対してオススメしたいか
チームのリーダーとして活用できる資源の配分方法が体系化されており、どんな範囲であれ目的に対して取り扱い方を決めるべきリソースを持っている人におすすめです。
MOSH 木島氏
『銀河英雄伝説』
『DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門』
MOSH株式会社
事業開発
木島 敏裕氏
誰に対してオススメしたいか
0→1からグロース期の事業開発まで、どの事業フェーズの方にもオススメできる本かと思います。
銀河英雄伝説
書籍情報 | |
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著者 | 田中芳樹 |
出版社 | 集英社 |
出版日 | 2016/2/19 |
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この書籍から学んだこと
“戦略の 段階で最善をつくしておけば、戦術レベルでの勝利はえやすくなる。なあ、ユリアン、私は奇蹟を生むとか一部で言われているけど、それは戦術レベルでのこと。戦略レベルでは奇蹟も偶然もおこりっこない。だから戦略こそ、ほんとうに思考する価値があるんだよ。”
銀河英雄伝説からよく引用されるフレーズですが、銀河英雄伝説は極めて解像度高く戦略と戦術の違いを物語に落とし込んだ作品に思います。事業開発においては、戦う市場を間違えないこと、プロダクト価値の磨き込み先を間違いこと、真に大事なイシューにリソースを当てること、等、戦略レベルでの思考にこそ最も注意を払うべきと捉えています。一つ一つの施策推進は勿論戦術レベルで勝ち切ることが大事ですが、戦略レベルで精度高い意思決定が出来ているか、自分から戦術レベルに思考を限定していないか、は日頃から意識して仕事をしています。
DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門
書籍情報 | |
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著者 | 榊 淳 |
出版社 | 翔泳社 第1版 |
出版日 | 2024/2/15 |
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この書籍から学んだこと
定性・定量ともに常に顧客の声をきく。当たり前のように言われることですが、気が付けば顧客接点が減少していたり、データを見れていなかったり。お客様の声をきくという当たり前の基本行動を如何に高いレベルで実現するかを学ばせていただきました。弊社の事業開発でも常に顧客接点を持つこと、ペインを把握すること、データを見ること、どんな事業フェーズ・業務に対してもこの基本所作を怠らないように意識しています。
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こちらの記事は2024年08月06日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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