【保存版】投資先の上場率20%超
ベンチャーシーンを牽引するVCの投資歴(前編)

日本のベンチャー投資をリードする、日本初のハンズオンベンチャーキャピタルをご存知だろうか。

今回は、多くの投資先をIPOに導くグロービス・キャピタル・パートナーズの投資歴を紹介する。

  • TEXT BY FastGrow Editorial
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ベンチャー投資のこれまでとこれから

グロービス経営大学院を運営することで広く知られるグロービス。

同グループのVCであるグロービス・キャピタル・パートナーズは、日本で最も影響力のあるといわれるベンチャー投資家を擁し、投資先の上場率が20%を超えるなど、その動向に注目が集まる存在だ。

1996年の第1号ファンドの設立以来、「ヒト(人材)」「カネ(資金)」「チエ(経営ノウハウ)」 で数多くの企業を総合的にサポートし、産業の創造と高い投資リターンを実現し続ける同社。

その投資歴を知ることで、今後のスタートアップシーンを垣間見ることができるかもしれない。

前編ではこれまでにIPOやM&Aが行われた投資先を、後編では未だ上場は行われていないものの、注目すべき企業を紹介する。

グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー 仮屋薗 聡一氏(左)
出典:日本で最も影響力のあるベンチャー投資家BEST10 | Forbes JAPAN

※リサーチに必要な情報は同VCのトラックレコード及び各社プレスリリース、関連メディアから収集した。

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これまでIPOを達成した企業たち

上場を達成した投資先及び元投資先の内、現在情報が確認できる企業から、上場時にグロービス・キャピタル・パートナーズが保有していた株式の総額が高かった上位6社を紹介する。

1. グリー:114億円

言わずと知れたITメガベンチャーの巨人。2004年12月の創業から間もない2005年7月に初めて投資を行った。2008年12月にマザーズ上場。上場時に全株式の9.82%、額にして114億円を保有していた。2010年6月に東証一部上場。現在は株式を手放している。

2. みんなのウェディング:72.8億円

DeNAの新規事業としてスタートした結婚式場の口コミサイト「みんなのウェディング」を運営する。2010年10月の設立と同時に第3者割当増資を引き受けた。2014年3月にマザーズ上場を果たす。上場時には全株式の29.20%、額にして72億8376万円分を所持。現在も株式を保有。

出典:結婚式・結婚式場選び日本最大級口コミサイト【みんなのウェディング】

3. ワークスアプリケーションズ:47.2億円

大手企業向けERPパッケージソフト「HUE」および「COMPANY」の開発及び販売を行う。1996年7月創業。翌年10月に初投資を行った。2001年1月のJASDAQ上場時の持ち株比率は26.43%。時価にして47億1880万円相当を所持していた。2011年にMBOによって非上場化された。

出典:HUE-世界初、人工知能型ERPシステム

4. ブイキューブ:27.3億円

Web会議システムをはじめとする情報通信技術を活用したツール・サービスの提供を行っている。1998年10月に有限会社として設立し、2001年1月に株式会社に組織変更。2011年7月に初期投資、第三者割当増資並びに譲渡引受を行った。2013年12月のマザーズ上場時には、全発行株式の13.16%、約27億3296万円分を保有。2015年に東証一部へ上場した。既に株式は売却済み。

出典:V-CUBE ミーティング | ブイキューブ|Web会議・テレビ会議(TV会議)のクラウドサービス

5. ngi group(現ユナイテッド):26.8億円

2回の合併を経て2012年12月からはユナイテッドとして、エンターテイメントやゲームアプリなどのスマホコンテンツ事業及びアドテク事業を行う。買収時にはインターネット関連事業、インベストメント・インキュベーション事業を主な事業としていた。1998年2月に株式会社ネットエイジとして設立された。1998年12月に初回投資。2006年8月のマザーズ上場時の持ち株比率は5.51%で、26億7720万円相当だった。現在は株式を手放している。

出典:ユナイテッド株式会社

6. ユーザベース:21.7億円

企業活動の意思決定を支える情報プラットフォームSPEEDA及びソーシャル経済ニュースNewsPicksの運営を行う。2008年4月創業。2012年8月に初投資、第3者割当増資引受を行う。2016年10月に東証マザーズ上場。上場時には全株式の10.16%を所有し、約21億7411万円に当たる。現在も株式を所持。

出典:SPEEDA|経営企画に必須の情報収集・分析ツール

上場済み投資先リスト

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大企業に買収された企業たち

続いて、Googleやリクルートなど一流企業によってM&Aされた企業4社を紹介しよう。

7. nanapi(現Supership):KDDI

2014年10月、KDDIにより買収、子会社化。評価額は77億円と言われている。生活の知恵があつまるHow to共有サイト「nanapi」を運営。2007年12月に創業され、グロービス・キャピタル・パートナーズによる初回投資はミドルステージに当たる2010年11月だった。買収後、現在は他社と合併し、Supershipとなっている。

出典:評価額は約77億円、nanapiがKDDIの子会社となり「けんすう」は次の答えを求めて旅に出る - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

8. QUIPPER LIMITED:リクルート

2015年4月に全株式を47.7億円でリクルートに譲渡し、グループ入りした。モバイル教育プラットフォームの開発・運営を行う。日本ではスタディサプリとして、サービスを展開。2010年12月に設立。グロービス・キャピタル・パートナーズは、2012年5月に初投資。その後、2014年に追加投資を行なった。

出典:元DeNA創業メンバーの渡辺氏が創業した「Quipper」をリクルートが約48億円で買収、現状と今後の狙いを聞いた | TechCrunch Japan

9. コマースニジュウイチ:Yahoo!

2016年7月、ヤフーにより買収され100%子会社となった。取得額は非公表で、十数億円程度と見られている。ECサイト構築ソフトウェアの開発、販売やデータセンターの運営を主な事業とする。1999年12月に設立。グロービス・キャピタル・パートナーズによる初投資は2008年9月。

出典:ヤフー、コマース21買収!その意図は|ECのミカタ

10. フィジオス:Google

2013年2月にGoogle, Inc.により買収。2年後の2015年2月に解散した。2009年1月に設立された東大発ベンチャーで、物理シミュレーション技術をエンターテイメント分野に応用し、様々なコンテンツを提供していた。グロービス・キャピタル・パートナーズの初投資は、同社が2010年11月に4億5000万円の資金調達を実施した際、ベンチャーキャピタル5社の一角として第三者割当増資を引き受けたものである。

M&Aされた投資先企業リスト

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後編では、未上場の注目企業を紹介

今回個別に取り上げた10社以外にも、リストにあるように、ライフネット生命アカツキオイシックスなど、数々の上場企業への投資実績を持つグロービス・キャピタル・パートナーズ。

今後も投資先を次々とIPOへと導いていくことだろう。

近日公開予定の後編では、未だ上場していないものの、注目すべき投資先企業を紹介する。

こちらの記事は2017年07月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

FastGrow編集部

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