連載一人ひとりが紡ぐ、永遠ベンチャーの姿──株式会社ネクストビート

アセットの最適活用を描き、新規事業の現場まで入り込む──ネクストビートの経営企画は、なぜここまでやるのか?その理由を大木氏・荻谷氏に聞く

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インタビュイー
大木 雅志
  • 株式会社ネクストビート CSO(Chief Strategy Officer) 

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学院(スペイン)修士課程修了後、大成建設株式会社に入社し、海外現地法人管理等を担当。外務省専門調査員等を経て、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社し、政府機関の委託調査や日本企業の海外展開支援業務に従事。2024年4月、CSOとして株式会社ネクストビート入社。主な著書として「現代スペインの諸相―多民族国家への射程と相克」(明石書店、2016年)、「スペインのガリシアを知るための50章」(明石書店、2011年)の他、国内外で論文・記事を計90本以上発表。日本ラテンアメリカ学会正会員。日本大学非常勤講師。

荻谷 亜紀
  • 株式会社ネクストビート シニアプリンシパル 

青山学院大学文学部英米文学科卒業後、野村證券株式会社→デロイトトーマツコンサルティング合同会社→西本Wismettacホールディングス 株式会社でグランドデザイン〜プロダクト企画〜ローンチまでを経験後、ネクストビートの経営企画シニアプリンシパルとして入社。

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「経営企画は社会を変える力を持っています」

大木氏の力強い言葉が響く。隣に座る 荻谷氏が続ける。

「私たちは『ニッポンを元気にする』という大きな夢に向かって走っているんです」

ネクストビートは、人口減少社会に必要とされるインターネット事業を創造し、3領域12事業を展開する企業だ。その成長戦略の中核を担うのが、CSO(Chief Strategy Officer)大木雅志氏とシニアプリンシパルの荻谷亜紀氏らが率いる経営企画部である。

経営企画という言葉でイメージされる枠を超え、いわゆるBizDevを含めた新たな価値創造に挑む根幹となっているのが「NEXTBEAT IDENTITY」という独自の企業文化。本記事では、大木氏と荻谷氏へのインタビューを通じ、継続成長に向けた飽くなき挑戦の実像に迫る。

全社員参加型の新規事業立案制度「NorthstarCHALLENGE」、人材育成プログラム「NorthstarCOLLEGE」、そして主要サービスにおける戦略立案。これらの取り組みを通じて、経営企画がいかにして社会変革を主導していくのか、その可能性を探っていく。

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経営企画だからできる、事業創出への包括的なアプローチ

ネクストビートの経営企画部は、従来の枠組みを大きく超えた存在だ。多彩な経験を持つCSO大木雅志氏とシニアプリンシパルの荻谷亜紀氏が、その独自の役割について語る。

大木経営企画部の役割は、数字の管理だけではありません。社内のアセットを活用し、新規投資を行い、会社の成長をデザインするのが仕事です。

荻谷 私たちの業務は大きく2つに分かれます。まず、経営管理。既存事業の業績管理や課題抽出、解決策の検討を行います。

具体的には、各事業の計数をとりまとめ、事業責任者と連携しながら課題を抽出し、解決策を検討します。また、中長期のビジョンや戦略の策定、組織設計や予算策定も担当します。

そしてもう一つが新規事業開発。新たに立ち上げたBusiness Developmentチームを中心に、全社戦略に基づいて新規事業を提言し、事業化までの道筋をつけます。さらに深く入り込むパターンでは、アイデア発掘から市場分析、事業企画、PoC実施、プロダクト/オペレーション設計、事業化への体制構築まで、一貫してリードします。海外拠点の立ち上げや、そのための組織体制づくりにも取り組んでいます。

荻谷氏

この包括的なアプローチが、ネクストビートの迅速で柔軟な多事業展開を生み出している。

経営企画といえば、既存事業の管理や中長期計画の策定をイメージする読者が多いだろう。そんな考えをアップデートするかのように、ネクストビートの経営企画部は、より能動的で創造的な役割を担っている。すでに12もの事業を展開しながら、さらに事業を増やし、かつグローバル展開も加速させていく。そんな企業フェーズにあるからこそ、経営企画という役割に求められる期待は大きい。

ちなみにこの組織には、意外な特徴がある。「経営企画」の経験だけでなく、営業の経験も重視して採用を進めている点だ。

大木ビジネスを成長させ続けるためには、常に現場に即した売上・利益を意識する必要があります。その視点に欠ける企画は、机上の空論になってしまう。だからこそ、経営企画で必要なスキルを持ちつつ、営業感覚もお持ちの方を求めているのです。

この方針により、営業現場に即した実践的な戦略立案が可能となっている。

荻谷 経営陣と近い距離で議論しながら、ネクストビートとしての新規事業開発の在り方・組織体制づくりなどにも携わることができます。これは、私自身がネクストビートに魅力を感じた理由の一つでもあります。

このように、ネクストビートの経営企画部は、戦略立案と実行力の両立、そして全社的な視点での価値創造を通じて、新たな経営のあり方を模索している。その挑戦は、経営企画という言葉からイメージされる領域を超えて、企業としての継続成長全体の変革につながる可能性を秘めているのだ。

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イノベーションの土壌を育む、NorthstarCHALLENGEとNorthstarCOLLEGE

ネクストビートの経営企画部が推進する特徴的な取り組みが、「NorthstarCHALLENGE」と「NorthstarCOLLEGE」だ。これらの独自制度の推進に中心的な役割を果たしているのが、豊富な国際経験を持つ大木氏と、コンサルティングや新規事業開発の経験を持ちMBAホルダーでもある荻谷氏だ。

大木NorthstarCHALLENGEは、新たな事業の種を発掘し、次世代のリーダーを育成するプロジェクトです。毎年開催しており、役職問わず全クルー(社員)が新規事業のアイデアを提案できるコンペティションになっています。

荻谷 これはアイデア発掘の重要な手段の一つです。全クルーが事業アイデアを応募できます。そして、そのサポートとしてNorthstarCOLLEGEという社内スキルアッププログラムも用意しています。

大木この二つの取り組みを通じて、アイデアを具体化するスキルを身につけることができます。このスキルは、新規事業を開発する時だけでなく、クルーがクライアントと日々接する中でお聞きする課題に対して、最適な解決策をご提示する時にも活かせるものと考えています。

従来の企業では、新規事業の立案は一部の幹部や専門部署に限られることが多い。しかし、ネクストビートでは全社員がこのプロセスに参加できる。この民主的なアプローチが、多様なアイデアの創出を促している。

さまざまな成長支援施策(提供:株式会社ネクストビート)

なお、NorthstarCOLLEGEは、単なる研修プログラムではない。それは、社員の潜在能力を引き出し、イノベーションの土壌を育み続ける場となっている。

大木NorthstarCOLLEGEは、クルーの自己実現を支援する学びの場です。経営陣や専門知識を持つ有識者による講義を受けられます。社会人になると学びの機会を得るのは簡単ではありません。時間の制約もあり、何を学ぶべきかも明確でない場合が多いですからね。

これらの制度は、ネクストビートの「Vision2030」実現に向けた重要な取り組みだ。「Vision2030」は2030年までに実現したい10の目標を定めたもので、経営企画部はこのビジョン達成に向け、人材と組織文化の育成に注力している。

そしてNorthstarCHALLENGEとNorthstarCOLLEGEは、単なる人材育成やアイデア創出の場にとどまらない。ネクストビートの企業文化そのものを体現し、「NEXTBEAT IDENTITY」を全社に浸透させる役割をも果たしているのだ。

荻谷 これらの制度を通じて、クルー一人ひとりが「永遠ベンチャー」の精神を体感し、挑戦を恐れない文化を育んでいます。それが、ネクストビートの持続的なイノベーションの源泉となっているのです。

このように、ネクストビートの独自制度は、組織全体のイノベーション能力を高め、持続的な成長を実現するための重要な基盤となっている。それは、経営企画部が主導する、未来志向の人材育成と組織開発の具体的な形なのだ。

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「俯瞰」「橋渡し」といったキーワードが物語る、経営企画からの新価値創造

大木新規事業開発は、私たちのミッション実現に向けた重要な取り組みです。経営企画部門は、アイデアの発掘から事業化までの全プロセスに深く関与しています。

冒頭でも説明した通り、ネクストビートの経営企画部は、新規事業開発の中心的役割も担っている。多くの企業では、経営企画部門は戦略立案に留まり、実行は他部門に委ねることが一般的だ。しかし、同社では異なるアプローチを取っている。

荻谷 新規事業開発のプロセスは多岐にわたります。事業アイデア発掘、市場分析、事業企画、PoC実施、プロダクト/オペレーション設計、事業化への体制構築など、これら全てをリードします。

大木計画を立てるだけでなく、その実現まで責任を持つことが重要です。そうすることで、より実効性の高い戦略を立案し、迅速に軌道修正することができると考えています。

たとえば今後、新規事業の事業責任者を他の部署からアサインしつつ経営企画部の所属とし、事業責任者と経営企画部のメンバーが一緒に企画・戦略を練り上げていくような動きをしていけると面白いのではないかと考えています。事業が走り出し、ある程度の目途がついた段階で、事業部として独立・自走させるようなイメージですね。

もし、経営企画部のみ企画を立ててしまうと、実効性に乏しい事業開発になる恐れがあります。逆に、経営企画から遠く離れ独立した新規事業組織が生まれると、非効率な事業開発になってしまうかもしれません。こうしたデメリットを排し、スピーディーかつ効率的に新規事業開発が進むよう、新たな枠組みをいろいろと検討し、試していきたいと考えています。

なおそのためにも、先ほどもお話しした通り、経営企画部には営業経験者など多様なメンバーを増やしていきたいと考えているんです。

大木氏

このように試行錯誤が続けられていく新規事業開発プロセス。ちなみに、既に生まれている成果の一例として挙がったのが、「保育士バンク!」を基盤とした事業創出だ。

大木これまでに『保育士バンク!』の事業を通じて、保育施設様や求職者様とのネットワークを構築してきました。こうしたアセットを活用し、『保育士バンク!総研』や『KIDSNA』といった新たな事業を創出することができました。

この事例は、既存事業のアセットを活用した新規事業開発の好例だ。経営企画部門が全社的な視点を持ち、各事業間のシナジーを見出すことで実現した成果といえる。最近ネクストビートに加わった荻谷氏は、この点に強く魅力を感じたという。

荻谷 「保育」「子育て」「地方創生」といった社会課題解決に直結する事業領域に強く惹かれました。特に、保育業界に関するネットワークやアセットを活用して、自身も子育てをする中で感じた課題に取り組めることに大きな魅力を感じ、入社を決意しました。

大木私たちには、ネクストビートの持つネットワークやアセットを駆使することに加え、オープンイノベーションを活用した事業開発を強化して成長を加速させていくことが求められているんです。

オープンイノベーションの活用は、外部の知見や技術を取り入れることで、イノベーションの幅を広げる効果がある。経営企画部門は、この外部連携の橋渡し役も担っている。

大木経営企画部では、各事業を深く理解しつつ、会社全体を俯瞰する能力が求められます。そこから、より大きな価値を生み出す企画を立案していこうとしています。

荻谷 私たちの目標は、ネクストビートの事業を通じて、日本そして世界の社会課題解決に貢献すること。そのために、常に新しいアイデアを探求し、挑戦し続けていきます。

経営企画部が主導する新規事業開発プロセスは、ネクストビートの未来をかたちづくる重要な要素となっている。それは、ビジネスの成長と社会的価値の創造を両立させる、新たな経営のあり方を示唆しているのだ。

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グローバル×社会課題解決という未来設計こそ、経営企画のミッション

そして、グローバル展開や社会課題解決にも視野を広げていく必要があるのも、経営企画部の難しさであり、やりがいであると二人は続ける。

大木私たちは「ニッポンを元気にする」というミッションを掲げていますが、その実現には国際的な視点が不可欠です。グローバルな視野を持ちながら、日本の課題解決に取り組むことが重要だと考えています。

この国際的な視点には、大木氏の外務省専門調査員やデロイト トーマツでのグローバルな経験、そして荻谷氏の多国籍企業での経験が活かされている。

荻谷 海外における事業開発にも積極的で、2年前にシンガポールに拠点を設立しました。そして今後も複数の海外拠点を立ち上げる予定です。ネクストビートのミッションを実現できる対象地域・国の選定や、新たなビジネスモデルの考案を進めています。

シンガポール拠点の設立は、ネクストビートのグローバル展開の第一歩だ。経営企画部は、この海外展開戦略の立案と実行を主導している。

同時に、ネクストビートは社会課題の解決を事業成長の機会と捉えている。

大木人口減少、少子高齢化、地方の過疎化など、日本が直面する課題は多岐にわたります。これらの課題に真摯に向き合い、インターネット事業を通じて解決策を提供することが、私たちの存在意義です。

荻谷 「Vision2030」には、グローバル展開や社会課題解決に関する目標も含まれています。経営企画部として、このビジョンの達成に向けた具体的な戦略を立案し、実行しています。

「Vision2030」の策定と実行においても当然、経営企画部は中心的な役割を果たしている。それは、単なる事業計画ではなく、社会的価値の創造を含む包括的なビジョンだ。

大木経営企画部門は、会社の未来を設計する役割を担っています。そのためには、優秀な人材を育成し、イノベーティブな組織文化を醸成することが不可欠です。グローバル展開と社会課題解決は、この未来設計の重要な要素なのです。

ネクストビートの経営企画部が描く未来像は、国境を越え、社会に深く根ざしたものだ。それは、ビジネスを通じて真の社会価値を創造する、新たな企業のあり方を示唆している。

荻谷 私たちの目標は、ネクストビートの事業を通じて、日本そして世界の社会課題解決に貢献することです。そのために、常に新しいアイデアを探求し、挑戦し続けていきます。実は経営企画部は、この挑戦の最前線に立ち続けるということなんです。

グローバル展開と社会課題解決という二つの大きな課題に取り組むネクストビートの経営企画部。その挑戦は、日本企業の新たな可能性を切り開く先駆的な取り組みといえるだろう。

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「NEXTBEAT IDENTITY」が、他社とは一味違う経営企画部門を生んでいる

ここまでに説明してきた取り組みの根底にあるのが、同社の「NEXTBEAT IDENTITY」という企業文化だ。最後にそのつながりについて確認しよう。

大木「NEXTBEAT IDENTITY」は単なるスローガンではありません。常に、私たちの意思決定や行動の指針となっています。経営企画の活動において、特に強く反映されているとも感じます。

荻谷 常に新しい市場や技術にチャレンジしていますから、「永遠ベンチャー」や「One Vibes」といった考え方が不可欠です。たとえば『保育士バンク!』を求人サイトから保育業界全体を変革するプラットフォームへと進化させる戦略も、この精神から生まれました。

この企業文化は、経営企画部門が単なる立案者ではなく、実行者としても機能することを促している。荻谷氏はその意義を強調する。

荻谷 私たちは、戦略を立てるだけでなく、その実現に向けて現場と一緒に汗をかきます。この姿勢が、より実効性の高い戦略の立案と、迅速な軌道修正を可能にしているのです。

さらに、「NEXTBEAT IDENTITY」は、経営企画部の人材育成にも大きな影響を与えている。

大木先ほど、採用において、「営業経験も重視している」と伝えました。実際に現場でも、経営企画部門のメンバーには営業として社外に出ていく業務まで担ってもらうようにしています。情報収集のための同行ではなく、実際にプロジェクトリーダーとして企画の提案や応札まで行っているんです。

このように、「NEXTBEAT IDENTITY」は経営企画部の活動の根幹を成しており、ネクストビートの独自の戦略立案プロセスを支える重要な要素となっている。

荻谷 「NEXTBEAT IDENTITY」に基づいた経営企画活動は、私たちの強みです。この文化があるからこそ、常に新しい挑戦ができ、社会の変化に柔軟に対応できるのだと思います。

例えば今後、地方創生領域のアセットを活用しての新規事業に取り組んでいきたいですね。少しでも興味関心を覚える人がいたら、ぜひ一緒に取り組むために話をしたいです。

大木今後も「NEXTBEAT IDENTITY」を大切にしながら、経営企画部としての機能を進化させていきたいと考えています。それが、ネクストビートの持続的な成長と、社会への貢献につながると信じています。

「NEXTBEAT IDENTITY」と経営企画の密接な関係は、ネクストビートの独自性を生み出す源泉となっている。それは、単なる事業計画の策定にとどまらず、企業文化に根ざした持続可能な成長モデルの構築を可能にしているのだ。この独自のアプローチが、ネクストビートの未来をどのようにかたちづくっていくのか、今後の展開が注目される。

こちらの記事は2024年08月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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