連載株式会社オプト

「広告代理店のビジネスモデルは崩壊する」
オプト2代目社長が語る、ビジネスモデル変革のための組織論とは

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インタビュイー
金澤 大輔
  • 株式会社オプト 代表取締役社長CEO 

1980年生まれ、埼玉県出身、神奈川大学経済学部卒業。 学生時代に映像制作やイベント企画に没頭し学生ビジネスを主導。新卒ではテレビ番組制作会社に入社し、ADとして数々の番組制作に携わる。2005年9月に営業アシスタントとしてオプトへアルバイト入社し、その後、営業本部長や広告ソリューション事業執行役員を経て、2015年4月より株式会社オプト代表取締役社長CEO就任

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インターネット・マーケティングの領域で、長年サイバーエージェントとしのぎを削りながら業界をリードしてきたオプト。グループのホールディングス化に伴い、2015年に創業者である鉢嶺登氏から事業会社オプトの経営を託された金澤大輔氏は、昨年「Innovation Agency」としての成長を目指す姿勢を示し、今年に入ってからも様々な新しいチャレンジに打って出ている。デジタルトランスフォーメーションやデザインシンキングなど、新たなキーワードが次々浮上し、広告代理店不要論なども各所で語られるようになった「今」をオプトはどう捉え、どのようなInnovationを起こそうとしているのだろうか?

  • TEXT BY NAOKI MORIKAWA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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2008年に経験した2つの悔しさ。それが今の原点

「人の心を動かす仕事」。金澤氏は常にこれを追い求めてきた。学生時代にイベントに携わったのも、テレビ番組の制作会社に入ったのも、その一心だ。20代中盤でネット広告の世界に魅せられた時もそうだったが、さらにもう1つ。「まだ何も固まっておらず、型にはまらずに可能性を追いかけられそうな世界だったから」である。

しかし、ITスキルを持っていたわけでもない金澤氏にとって、IT×広告の世界への入り口となる、最初の中途採用は厳しい道のりだった。

金澤30社ほど受けて落ち続けました(笑)。でも、サイバーエージェントの説明会で藤田さん(藤田晋氏。サイバーエージェント社長)が競合としてオプトの名を挙げていたので、受けに行ってみたんです。そしたら、営業アシスタントのアルバイトとしてなんとか“お試し採用”してもらえました(笑)。

そこからは速かった。2年半後の2008年、28歳で最年少部長となり不動産業界を担当すると、オプトはこの年のインターネット広告業界で売上高日本一となった。その後も、本部長、執行役員にいずれも最年少で就任し、入社9年半で社長にまで登り詰めるシンデレラストーリーを駆け抜ける。

金澤そもそも何も知らずにアルバイトで業界に入ってきた私がこうなれたのは、オプトという会社がチャンスを惜しまずに与えてくれるカルチャーを持っていたからです。

当時からオーナー制度といって、誰でも手を挙げれば業務やプロジェクトを任せてもらえる仕組みがありました。早くいろいろなことを学び取って、遅れを取り戻したかった欲張りな私は、一気に9つのオーナーになって、とにかくがむしゃらに働いたんです。

金澤氏が入社したときから今まで一度も、オプトに「仕事を無理矢理やらせる」風土があったことはない。がむしゃらに働こうが、のんびり構えていようが、すべては本人の主体性、オーナーシップ次第。そして、仮に失敗をしてもセカンド・チャンスが用意されるカルチャーもあった。出る杭は叩かず伸ばす、の気風だ。

だから、9つもの役割を一気に欲しがる者など過去には例がなかったというが、「自分で希望するなら」と任せてもらえた。しかも、金澤氏は「もちろんそのすべてを成功させたわけではない」と笑うのだが、その後も変わらず、チャンスを手にすることが許されたというのだ。

金澤もちろん失敗すれば厳しく叱られましたよ(笑)。それでも、当時の広告業界にありがちな、軍隊的な空気は一切ありませんでした。

創業者である鉢嶺氏はカリスマ経営者として名高い。自主性を愛し、重んじる姿勢を貫いているからこそ、皆の憧れの的なのだという。そんなオプトゆえ、「上層部がトップダウンで命令を下し、理不尽な要請に対しても現場メンバーが一丸となって真っ直ぐに突っ込んでいく」という、“営業が強い会社”によくあるスタイルをとっていなかった。

「やりたいと思った人間が経営者感覚でコミットし、責任を背負いながら成長していく」のがオプトの特徴。「一人ひとりが社長」という理念が貫かれている。

トップダウンでもボトムアップでもなく、強いて言えばミドルアップ・ミドルダウンの環境下、金澤氏は「与えられた仕事だけでなく、仕事は自分の意思で能動的にやっていいんだ」と捉えられるように変化し、そんな環境をくれたオプトを誇りに感じるようになった。

だが、超高速のシンデレラストーリーをすいすい駆け上がったのかというと、そうではなかった。部長に就任し、売上高日本一になったという2008年に、転機は待ち受けていた。

金澤日本一ですからね、嬉しいわけですよ。それで当時のメンバーに『やったな!』と声をかけたら、全員が口をポカンと開けている。気の抜けたような表情が並ぶ様子を前にして『なんだ、嬉しくないのかよ』と思いかけた瞬間、アッと気づいて猛烈に反省をしたんです。

いつのまにか「売ればいい、勝てばいい」の考え方で、自分のやり方をメンバーに押しつけていた。そんな自分に気づき、自己嫌悪に苛まれたのだ。「上の命令に従うだけで、自分では何も考えない軍団が突撃する」カルチャーではないことを誇りに感じていた自分が、気づけば勝利至上主義の鬼軍曹になっていた。

金澤幸せの定義というものを完全に取り違えていました。『一番になれば、どんなに仕事がきつくても皆は喜んでくれる』と勝手に思い込み、皆のやる気や主体性を奪っていたんです。そんな状況で一番になったって達成感や幸福感を得られるわけがないのに。

見回せば他のミドル層も似たようなスタイルをとり始めていた。だから猛省しながらも、こう考えた。「いつか自分が経営者になったら、オプト本来の良さを際立たせる役割を果たそう」と。

そうして取り組み始めたのが「人生年表」。何歳になったら、どういう立場になり、そこでどんな施策をとるのか、そのために今、自分は何をすべきなのか、といった事柄を書き込んでいく。一種のキャリア・ビジョン達成用to Doリストだ。

そして金澤氏は、事あるごとにこの人生年表の内容を、あえて公言していくことも決めた。

この年、金澤氏はもう1つ大きな痛みを味わった。リーマンショックだ。不動産業界を担当していた金澤氏だけに、影響はダイレクトに出た。いくつもの不動産業のクライアントが経営破綻に追い込まれ、オプトとしても数億円規模の損失を被ることになった。

金澤金銭面よりも、自分たちのやってきた仕事でお客様を救うことができなかったことが本当に悔しかった。不況になろうが何だろうが、そういう時にこそお客様に必要とされ、貢献できるサービスをやらなければいけない。そう心に誓いました。

ここまでの内容は、入社から10年足らずで社長になった男の“汗と涙の立身出世物語”のように感じるかもしれない。だが、意味もなく闇雲に書き伝えたわけではない。2つの痛みを味わって大いに反省をした男が、その体験をバネにして今、トップに立っている。その事実が、現在進行中のオプトの変革につながっているのだ。

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集え、「誠実な野心家」。オプトは「夢を叶えるプラットフォーム」に過ぎない

先に紹介した人生年表には「32歳で社長になる」と書き、まわりにも宣言していたそうだが、34歳の2015年に金澤氏はオプトの社長に就任した。

創業者の鉢嶺氏は持株会社オプトホールディングのCEOとなり、その子会社という位置づけになった株式会社オプトのトップを鉢嶺氏から受け継いだ形。カリスマ創業者からの継承だけに、傍から見れば荷が重そうにも感じるが、金澤氏は即座に直言したという。

金澤『何か要望はあるか?』と聞かれたので、言いました。『3年間は黙って見ていてください』と。株主に向かって何を言い出すんだ、って話ですよね。

ケロリと笑いながら、こう言ってのける金澤氏だが、本当にこれまで口出しをしないでいてくれている鉢嶺氏の度量の大きさに感謝しているという。

そして、だからこそ思う存分に改革を進めているという金澤氏は、節目である3年目を迎えたタイミングで「私たちはInnovation Agencyです」と明言。「誠実な野心家であれ。」というイズムも同時に社内外へ示した。

現在進行中の変革は、この2つのキーワードを体現するためのものというが、その真意はどこにあるのか?

金澤先に人の部分を話しますね。オプトが誠実な野心家の集団だ、という発信は最近になって始めたものですが、もともと私が入社する以前から『先義後利(せんぎこうり)』の理念を鉢嶺が提唱し、それが社内に浸透していました。

自らの利益を考えるよりも、先に義をわきまえて行動しなさい、というのが先義後利。収益を追求するのは当然のことだが、それよりもまずお客様や世の中に対して誠実であるべし、という精神を今の私たちの言葉に置き換えたといってもいいです。

この「誠実な野心家」について、因数分解をして教えてほしいとお願いをすると、金澤氏は「妙な誤解はしないでくださいね」と前置きをしながら、自社とサイバーエージェントとの比較を話し始めた。

多くの人が「ネット業界で凌ぎを削るライバル」だと思っている企業との比較話には大いに興味のわくところだが、「サイバーエージェントのことを批判するつもりは毛頭ない。むしろ尊敬している」というのが金澤氏の大前提。

それでも両者には明白な「違い」があるのは事実だし、わかりやすいだろうから話す、というわけだ。

金澤新卒採用などを実施していると、オプトもサイバーエージェントも受ける、という人が初期段階では多数来ます。当然ですよね、ネット広告という括りでいえばトップを争う2社なんですから。ところが、最終的に当社に入る人と、サイバーエージェントに入っていく人との間には、必ずといっていいほど違いがあるんです。

「流行や先進性に敏感で華やかな印象を与えるような人物」は採用段階が進むうちにサイバーエージェントへ流れて行き、オプトの選考を通過する多数派は「多少地味な印象だが素朴で誠実そうな人物」になっていくとのこと。

「いずれもこの領域には必要な人物像だから、どちらが上か下かという話ではない」と、再び前置きをしつつ、金澤氏はもう1つ、取材サイドの興味をくすぐる企業名を例に挙げた。リクルートだ。

金澤毎年のように繰り返される現象なので、ある意味面白いなあ、と採用担当の人事チームのメンバーとも話すのですが、採用段階が後半に入る頃には、サイバーエージェントと掛け持ちで就活をしている学生は減っていき、リクルートと掛け持ちをしている学生が目立ち始めるようになるんです。

金澤氏が教えてくれた現象を乱暴にまとめると、こうなる……華やかで尖ったことを好む人はサイバーエージェントを選び、「実直で真面目」を愛するような人はオプトに共感。

その一方で、自立心旺盛ゆえにリクルートへ魅力を感じているような人間が、オプトの選考段階でも目立つようになっていく……。こう捉えると「誠実な野心家」というキーワードの意味がなんとなく理解できたような気がしてくる。

以上の捉え方を伝えると、金澤氏はニコニコと笑うだけで肯定も否定もしなかったが、「誠実な野心」というものを説明するために、別のエピソードを教えてくれた。

金澤以前、面接で『私は将来、教師になりたい。だからオプトを受けました』と真っ直ぐに本音を教えてくれた人がいました。

聞けば『本当に生徒にとって価値のある教師になるためには、社会のことをきちんと理解した人物にならなければいけない。実業界で社会人を経験して、短期間で濃密な経験のできるところを探していたら、オプトに出会った』というんです。

オプトならば、社会に出た者がどういう現実と向き合い、その中でどう成長していけば良いのかを経験できる、と信じてくれたわけですよ。もう、胸がキュンキュンして、すぐに採用を決定しましたよ。

この志望者は希望通りオプトへ入社し、その後退職をして教師となっている。嬉しそうに語る金澤氏はさらに、もう1つのエピソードも教えてくれた。

オプトから転職を志した優秀な社員が不合格になったと聞き、転職志望先の経営者に電話をして「もう1回、あいつにチャンスをくれ。すごく優秀ないいヤツだから」と口利きまでしたというのだ。

金澤人それぞれに夢や野望はある。それを成し遂げる舞台としてオプトを選んでくれるなら、こんなに嬉しいことはないんです。

そして、その野心を追いかける上で、あるタイミングを迎えた時に別の場所が必要になったなら、迷わずここを出ていってくれていい。オプトが夢を実らせるためのプラットフォームになれるのならば、出入り自由(笑)。

ここに居続けて価値を出してくれたら、経営者としてはこの上なく嬉しいですけれど、夢や希望を断念したり、ねじ曲げてまで残って欲しいとは思っていません。

命じられたことしかできない者は、オプトの文化には合わない。かつての金澤氏同様、自分の意思で仕事にコミットし、成長を熱望し、自由に暴れたがる野心家に集まって欲しい。そして、野心を実現するためには、周囲の仲間や顧客、関係者に誠実であることが重要だと気づく人物であって欲しい。それが金澤氏の望みであり、今オプトで働く皆の総意なのだという。

金澤いつまでこの会社にいてくれるか、というのは重要ではありません。自分の人生を豊かにするために、今この時をオプトで働いていきたい、と願ってくれるならば、ゆくゆく卒業するつもりでも大いに結構。

もちろん、卒業の仕方にはこだわって欲しいですが、ここを巣立った人たちが多方面で活躍しながら夢を実現してくれたら、僕らも喜びを共有できます。

過去の経験談を聞く中で「リーダーの号令のもと、一心不乱に軍隊のように突撃する他社がオプトを制することは何度もあった」と語っていた金澤氏。

「それでも個々の主体性を重んじ、1人ひとりが自分の頭で考え、行動するオプトを評価してくれるお客様も増えていった」とも話し、「それが誇らしかった」という金澤氏ならではの人材観、組織論がここにある。

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コンサルファームも広告代理店も関係ない。ビジネスモデルの大転換が始まった

いよいよ「Innovation Agency」について聞かせてもらおう。「誠実な野心家」を集め続けるためにも、広告代理店不要論が囁かれている今、従来路線のままで良いはずはない。

金澤氏率いるオプト本体からも、鉢嶺氏率いるオプトホールディングからも、次々に新しい打ち手が発表されているわけだが、今後のビジネスの進展について、金澤氏はどう考えているのか?

金澤結論を先に言うと、既存のビジネスモデルは好調ですし、現行の延長線上でやれることから改革していきます。ただし、今後のオプトの成長を牽引するもう1つの車輪を今皆で必死に組み立て、動かし始めています。

両輪が出揃ってシンクロしながらまわり始めた時、我々がお客様から対価を頂戴する仕組み、ビジネスモデルはこれまでとはまったく違った形になる可能性が大きいし、それをむしろ望んで動いています。

「新しい車輪」を構成するチームは複数あるが、オプト全体で追いかけている目標は、クライアント企業とのInnovationの共創だ。

顧客のマーケティング戦略のみならず、経営戦略そのものにアジャストし、計画策定段階からエンドユーザーの活用段階までのすべてに一気通貫で寄り添い、ともに価値を生み出していくのだ。その具体策を金澤氏は以下のように説明する。

金澤もともと、オプトには強みがあります。マーケティングの上流工程へのコンサルティングから、最下流であるCRM活用のための仕組み作りまでカバーしている当社のようなプレーヤーは、ほとんどいません。

そのため、広告を発注する側の企業の多くは『戦略策定はコンサルティングファーム、マスメディアの広告展開は総合代理店、インターネット領域は専業のネット広告代理店、CRM分野はツールベンダー』というように、プロセスや役割ごとで異なるプレイヤーに依頼をしてきました。クライアント側も、このそれぞれの局面に合わせて異なる部署が対応してきたんです。

ところがデジタル変革という技術面での環境変化や、効率経営を一層追求する潮流などもあって、今では企業内での部署の統合や、複数部門のヨコ串連動でマーケティング上のすべてのアプローチを行うようになっています。

顧客側の本音を考えれば、すべての領域やプロセスを一元的に任せられるワンストップな集団、すなわちAgencyを望む声が高まるのも当然のこと。ネット広告やCRM領域を中心にデジタル技術がどんどん進化しながら流入しているのに、テクノロジーに詳しくないコンサルが戦略を立てても機能しない。

逆に、顧客が描く大きなビジネス戦略の絵図を理解できない技術専業集団では、意図するものとはズレのあるテクノロジーしか提供できない。一気通貫を強みとするオプトの既存事業が好調な理由の一端もここにあるのだろう。だが、その好調さに甘んじる気は毛頭ないようだ。

金澤部門や組織の変化であったり、使うテクノロジーであったりが変化しているだけではないんです。企業は、価値を生むためのパートナー選びそのものを再考し始めています。こうなれば、我々としても従来型の広告代理店のビジネスモデルではいけない。

1つひとつの広告を請け負い、その広告費からマージン10%とか20%をいただく、というモデルではなくて、お客様の変革すべてに一気通貫で寄り添い、そこで得た価値の一部をパートナー企業として頂戴するような、そういうモデルが可能な実態を持っていく必要があるんです。

もはや、いわゆる広告代理店とは異なる顧客支援をオプトは開始している。例えば、担当者がクライアント企業に常駐し、マーケティング戦略の遂行、クライアントメンバーのデジタル教育などを主とするミッションにコミットし、時にはクライアントとともに代理店やベンダーを選考する側も務めるケースが増えているとのこと。

さらに今年5月、スタジオオプトを設立。デザインシンキングやオープンイノベーションを積極的に進めながらクリエイティブ領域での変革を担う存在として注目を集めている。Innovation Agencyとしての総合力強化に違いないが、それとは異なる効果も生まれているようだ。

金澤クリエイターやデジタルのエキスパートなど、組織に従属しないタイプの専門家にも、自由にどんどん参画してもらっています。それによって社内の空気を良い意味で変えてくれる効果が出ています。組織としてのダイバーシティが豊かになり、働き方の自由度も上がっています。

また、100名というスタジオオプトの人員募集に対して8月時点ですでに400名もの応募がありました。クリエイティブやテクノロジーで最先端のものに触れ、今までにない価値を生み出す集団が生まれると、これほどまでに熱気ある反応が起きるんだ、というのは私にとっても嬉しい発見です。

もちろん、オプト以外の企業も新しい時代へ向けて、チャレンジを開始している。コンサルティングファームが大手デジタルエージェンシーをM&Aで統合し、一気通貫のサービスをうたっていたりもする。だが、金澤氏は余裕の微笑み。

金澤畑違いの専門家集団、あるいは規模の異なる組織の連携というのが、どれだけ難しいものなのかを、我々は知っています。私自身、これまで数々の協業経験の中で、苦労をしてきましたし、同時にたくさんのことを学ばせてもらいました。

オプト全体がそんな蓄えを持ちながら、今の変革に臨んでいますから、他社の動きはチェックしているものの、自信をもって自分たちがやるべきことを自分たちで考え、実行しているんです。

事実、「コンサルティングファームとデジタル変革を進めていたがうまくいかなかった企業からの相談は増え続けている」という。

この通り、先に金澤氏が教えてくれた、新しい成長のための両輪を今は整えながら進んでいる状況。これを「踊り場」と呼ぶ金澤氏は、最後にこう言った。

金澤正解がないというか、いくつもあり過ぎるというか(笑)、先の見えないところは多々あるのですが、そんな今の踊り場が楽しくてしょうがない。

そもそも自立心旺盛な『誠実な野心家』が揃っている集団でしたが、社内は今ワクワク感でわきたっています。だから確信しています。お客様が目指す新しい目標と、オプトのメンバーが胸に秘めている夢とが、必ずリンクして、今までとは違うモデルや価値がこれからの5年、10年で必ず生まれていく、と。

若いメンバーにも、生意気でいいし、オプトと関係なくてもいいから、自分のビジョンをガンガン発信しろ、それがオプトらしさだ!と言い続けています。

そういう個々人のビジョンやオプトのカルチャーに共感するお客様が、きっといるはずだし、そういうお客様とこそ長いおつきあいをして、企業変革を共に実現したい。だからこそ、不器用なんだけど夢と熱意がある者。そんな誠実な野心家を社内にどんどん増やしていきますよ。

こちらの記事は2018年11月27日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

森川 直樹

写真

藤田 慎一郎

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