特別連載上場企業の社長から “課題解決”を学べる 事業家集団

社長に「お前が決めて進めるんだ」と言われることで、経営者の覚悟が身につく──クルーズ小渕宏ニが、新卒間もない若手に伝えていること

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インタビュイー
三宅 遼

1994年生まれ。2017年、クルーズ株式会社に新卒入社。新規事業部にてECサイトの機能プランニング業務を経験後、ファストファッション系ECサイト「SHOPLIST.com」にて、新規営業、ECコンサルティング営業、経営企画、財務、新卒採用等、幅広い業務を経験。また、グループ会社のCROOZ SHOPLIST株式会社へ転籍後、新卒2年で最年少マネージャーとなり、プロダクトの更なる拡大に寄与。現在では、ECコンサルティング営業チーム唯一の営業企画として、営業スキルの底上げ・営業フローの仕組化により、組織の成果最大化を担当する。

畑中 庸平

2017年4月新卒入社。入社後は、新規営業、既存営業(コンサルタント系)、プランナー(機能開発系)を経て、新規営業に従事。
新規営業では、SHOPLISTだけでなく、グループ企業の「ECシステム構築・運用支援事業」「フルフィルメント事業」「JAD宅配急便事業」の新規営業も兼務。現在は、第二営業部(新規営業)に所属し、国内外問わず、新たなファッションアイテム、コスメアイテム、インテリアアイテムを取扱えるよう尽力している。

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「若手にも大きな裁量権を与えます」──就職活動中、この言葉に「もう聞き飽きた!」と食傷気味になっている読者は少なくないだろう。実態としても、採用活動を優位に進めるための謳い文句として使われているだけで、内実が伴っていないケースもある。

そんな中、若手に“社長と同等の権限”を与える企業があるという。

その企業とは、『SHOPLIST.com by CROOZ』(以下、SHOPLIST)を展開するCROOZ SHOPLISTである。同社は現在、クルーズグループの主要事業であるSHOPLISTの停滞を受け、代表取締役社長である小渕宏二氏が陣頭指揮を執り、同事業のV字回復に取り組んでいる。そのプロセスの根幹が、現場から徹底的に課題を吸い上げ、その解決を小渕氏と同等の権限を持ったメンバーが推進していく「重要プロジェクト」という仕組みだ。

重要プロジェクトのオーナーは、入社間もない若手メンバーであっても、年次関係なくアサイン。オーナーは、小渕氏と密にMTGを重ねながら、売上に数億円〜数十億円規模のインパクトを与えうる意思決定を繰り返すことになる。本記事で登場するのは、入社4年目にして複数の重要プロジェクトのオーナーを務める、三宅遼氏と畑中庸平氏だ。社長と同等の立場でプロジェクトを推進する2人の姿からは、事業づくりにおける「意思決定力」の重要性が浮かび上がってきた。

  • TEXT BY RYOTARO WASHIO
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY MASAKI KOIKE
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成長するため、「あえて厳しい環境」を選んだ

  • 売上に数億円〜数十億円規模のインパクトを与えうるプロジェクトの責任者を務める
  • 代表取締役社長である小渕氏と、密にMTGを実施しフィードバックを受ける
  • ただし、意思決定権は小渕氏ではなく、責任者に一任されている

一般的な「若手社員」であれば、逃げ出してしまいたくなるような重責だ。若手時代から、ここまで濃密な経験が積める上場企業は稀だろう。

入社4年目にして、そんな類稀な経験を積んでいる三宅氏と畑中氏。ただ、二人も数年前までは、ごく普通の就活生だった。

まず、三宅氏にクルーズへの入社理由と問うと、「一番成長できそうだったから」とシンプルな答えが返ってきた。「200社近くの選考を受けた」というが、なぜクルーズを「最も成長できる環境」と判断したのだろうか。

CROOZ SHOPLIST株式会社 MD部リーダー 三宅遼氏

三宅受けた会社の中で、最も厳しいフィードバックをしてくれたのがクルーズだったんです。

“学生あるある”かもしれませんが、当時の僕は「とにかく新規事業に取り組みたい!」と思っていました。でも本来、新規事業はあくまでも、世の中に価値を提供するための手段の一つにすぎない。それが目的化してしまっては、価値を生み出せませんし、そもそも既存事業で成果を出さないことには、新規事業を任せてもらえるはずもありません。

世間知らずの僕に、当時の面接官は「その考えはおかしいと思う」と真っ向からフィードバックをくれました。正直、気分は良くありませんでしたよ(笑)。でも、本来は30分だった面接時間を120分に延長してまで、率直な意見をぶつけてくれる、その熱量に圧倒されました。優しく「なるほど、いい考えだね!」と言ってくださる会社は数あれど、正面からぶつかって来てもらえる経験は初めてで、印象に残ったんです。

優しく僕の意見を聞き入れてくれる、居心地の良い環境を選ぶのか。厳しくとも、間違っていることは「それは違う」と言ってもらえる環境を選ぶのか。成長のためには後者を選ぶべきだと考え、クルーズに入社することに決めました。

入社後は、ECコンサルタント、新サービスのデザインや導線設計を担当するプランナーを経験した後、2年目にはSHOPLISTの出店ブランドを集める新規営業を担当。ここで大きな成果を残し、頭角を現すことになる。

三宅氏が取り組んだのは、新規出店ブランドの売上を中長期的に伸ばすために必要な課題解決を実施すること。SHOPLISTは月額出店費用ではなく、売上に対する固定比率を出店手数料として得ることで売上を得ている。したがって、出店してもらうだけではなく、ブランドが販売している商品が売れなければ、SHOPLIST自体の売上も利益も伸びないという構造である。

三宅氏は担当する新規出店ブランドが販売開始当初から売上を大きく伸ばすためのサポートを実施し、中長期的に売上を伸ばし続けるための仕組みを構築したのだ。

三宅新規出店が決まったブランドに、商品品質運用体制に関してフィードバックし、改善を促すアプローチを取りました。SHOPLISTでは、運営側がお客様に提供しているサービスレベルを4段階で評価し、ブランド側に開示しています。その評価により、お客様に商品が見られる機会が変わってきます。

特に新規出店ブランドは、販売開始前に評価を知ることはできないので、低い評価になってしまうことが少なくありませんでした。そのまま質の改善がなされず、売上が伸び悩むケースが多発していたんです。

そこで、新規出店が決まったブランドが他のECサイトで販売している商品の画像やユーザーからのレビューを見て、オープン前に「ここを改善してから販売を開始しましょう」と提案するようにしました。そうすることで、オープン時から高い評価を獲得して、新規出店ブランドの売上拡大を図ろうと考えたんです。

結果として、このアプローチは大きな成果につながりました。商品の質が改善されることで、中長期的に売上が伸びていったというわけです。

この功績により、クルーズグループ約300名から1名だけが、年に1回選ばれるグループ代表賞にノミネートされ、3年目には既存営業を担当する部署のマネージャーに就任。同年次でのマネージャー就任は、クルーズグループの中でも異例のスピードだったという。

マネジメントする15人のメンバーは、ほぼ全員が年上。自分より経験豊富なメンバーをまとめ、チームの目標を達成させることは、容易ではなかったはずだ。しかし、「マネジメントも含め、これまでしんどいと感じたことはない」と応じた。

三宅入社してからの3年半の間、ずっと成長している実感があるんです。個人的に、少なくとも半年に一度、自分の仕事を振り返って「どんなことがあったか」「どんな学びを得たのか」を整理する時間を取っているのですが、必ず毎月、何かしらの大きなトピックがあると気づくんですよ。

一年目のある月に「初めて商談に行った」というトピックがあったと思えば、翌月には「初めて一人で商談に行った」、さらに翌月には「初めて月にこれくらいの売り上げが出るブランドを獲得」と更新されていく。さらにその2ヶ月後には、初めての商談から半年も経っていないのに、もう「後輩を連れて商談でアドバイスをしている」というトピックが出てきたりしました。

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急遽告げられたチームの兼任。
そこから学んだ、チームで成果を出すコツ

「最も成長できる環境」を求めてクルーズを選んだ三宅氏とは対照的に、畑中氏は「結局は自分次第。成長できる人はどんな環境でも成長すると考えていた」と語る。そんな畑中氏がクルーズを選んだのは「どの会社よりも1番ワクワクしたから」だという。

CROOZ SHOPLIST株式会社 新規営業 畑中庸平氏

畑中僕も三宅と同じく、事業をつくり、伸ばせる人になりたいと考え、ITベンチャーを中心に就職活動を進めていました。クルーズを選んだのは、どの会社よりも、変化し続けていると感じたからです。

僕が就職活動をしていた2016年当時、クルーズは主要事業だったソーシャルゲーム事業を譲渡し、SHOPLISTを柱に据えることを発表するなど、大きな変革の只中に置かれていました。歴史を振り返ってみても、5回以上メイン事業を転換しながら、成長を重ねている。こんなに変化に富んだ会社は他にないなと感じたんです。

「ここでなら常に新しいチャレンジができるのではないか」と思い、ワクワクしたんですよね。変化がないと、面白くないじゃないですか。

入社半年は、営業やプランナーを経験。その後は、一貫して新規営業を担当しているそうだ。3年目にはSHOPLISTの営業を担当しながら、ECサイト構築や物流ソリューションを提供するグループ企業である、CROOZ EC Partnersの営業も兼務することになった。この時期が、最も苦労したと振り返る。

畑中当時は、僕も含めて3人の営業メンバーがいるチームに所属していたのですが、人数はそのままに、グループ企業の営業も担当することになったんです。当然、苦労しました。

急激に業務範囲が広がったことで、個々のメンバーがバラバラに動いているだけでは、チームとしての目標は達成できないと気づきました。個人の数値ばかり追っていたそれまでのスタンスを反省し、「チームとしていかに目標を達成するのか」という視点を身につけたのはこのときですね。

既存事業と新規事業、それぞれに費やすチーム全体のリソースのバランスを検討しながら営業を進めたこの経験は、大きな財産になっています。

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数億円規模のインパクトを与えうるプロジェクトで、
新卒2−3年目にも社長と同等の権限を得られる

こうして着々とキャリアを積み重ねてきた三宅氏と畑中氏が、現在最も注力しているのが、冒頭でも触れた「重要プロジェクト」の推進だ。重要プロジェクトとは、クルーズの主要事業であるSHOPLISTの急成長を目的に推進されるプロジェクト。

その背景意図や内実については別記事で詳述しているが、部署ごとに日次ミーティングで、事業・組織に関連するあらゆる課題が吸い上げられ、そのうち事業へのインパクトが大きそうな課題を解決すべく、「重要プロジェクト」としてプロジェクト化する。一つひとつのプロジェクトにはオーナーがアサインされ、「社長と同等の権限を持って」課題解決にあたっている。若手メンバーがオーナーに任じられるケースも珍しくないという。

三宅僕がオーナーを務めているプロジェクトの数は、全部で4つ。いずれも営業の自動化や仕組み化に関するものです。目的は「営業のフラット化」。属人化した営業手法を変革し、営業の質を底上げするためのプロジェクトを推進しているんです。

営業の仕組み化に関するプロジェクトを推進しているのは、全社で僕一人。つまり、僕がこのプロジェクトを止めてしまえば、営業手法は変わらず、SHOPLISTの売上成長は鈍化してしまうわけです。逆に言えば、僕がやり切れば、事業を劇的に伸ばすことができる。簡単なミッションではありませんが、大きなやりがいを感じています。

営業クオリティボトムアッププロジェクト

  • 新規出店ブランドの初速を上げるための提案資料フォーマット化
  • 定期商談で用いる提案資料のフォーマット化
  • 円滑に売上などに関するデータを抽出する仕組みの構築

一方、畑中氏は2つのプロジェクトのオーナーを務めている。

畑中1つ目は、新規オープンしたブランドの、販売初日の平均売上額を10倍にするプロジェクト。販売初日に売上が伸びるブランドと、そうでないブランドがあるのですが、これまではそれぞれの要因が整理されていなかったんです。すべてのブランドが販売初日から売上を伸ばせるようにするため、成功事例を分析し、販売開始までの提案内容を定型化することに取り組んでいます。

2つ目は、出店契約が成立してから実際に販売を開始するまでのリードタイムを短縮するプロジェクト。これまでは契約から販売開始まで、約1ヶ月を要していました。この準備期間を「最短1日」に短縮し、ブランドと僕たちがより早く売上を得られるようにすることを目指しています。

これらのプロジェクトが事業に与えるインパクトは、数億円単位と試算されています。それだけの額を生み出す可能性を秘めたプロジェクトのオーナーを務めていると考えると、身が引き締まりますよね。

ブランド出店後、初日売上を過去最高の10倍出すプロジェクト

  • 新規ブランドの売上最大化のための提案資料フォーマット化
  • 新規ブランドの契約~販売までのリードタイム短縮

両氏が取り組んでいるプロジェクトのうち6個は、重要プロジェクトの中でも、事業に対するインパクトが特に大きいと注目される「激アツ重要プロジェクト」に指定されている。その報告会はデイリーで開催され、毎日17時から、小渕氏と激アツ重要プロジェクトオーナーが集まり、その進捗と改善案がディスカッションされている。

ミーティングの模様は全社員に向けてライブ配信され、全社がその進捗を把握できる仕組みとなっているそうだ。この仕組みにより「SHOPLISTが毎日課題を解決して前進していく様子」を社員一同で共有し、モチベーション高く働ける、というわけである。

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「最後はお前が決めて進めるんだ」
──事業家に必要な“意思決定力”を磨く

ミーティングでは小渕氏を中心に、役員陣からもアドバイスは送られるものの、あくまでも最終的な意思決定をするのは、プロジェクトオーナー自身。仕組みとして定期的な意思決定を求められる環境だからこそ、自然と「意思決定力」が身につくという。

三宅マネージャーを務めていた際にも感じていたことなのですが、事業をスピーディーに成長させていくためには、意思決定力が不可欠です。決めるべき人が迷っていては、事業は前に進みません。

プロジェクトによってミーティングの頻度は違いますが、オーナーは2週間に一度は社長とディスカッションし、意思決定する機会が訪れる。僕の場合、営業の仕組み化に関するプロジェクトを多く担当しているので、僕の意思決定が遅れると、営業チーム全体の成長速度も下がってしまいます。僕が意思決定しないことには、仕組み化は絶対に進まないわけです。

もちろん、一つとして簡単な意思決定はありません。しかし、重要プロジェクトという仕組みによって、半ば強制的に意思決定を迫られる。それを繰り返すことで、着実に「決める力」がついてきているのを感じますね。

三宅氏は「プロジェクト開始当初は決めることに慣れておらず、社長の意見に従うだけになってしまっていた」と振り返る。意思決定する難しさを感じていたのは、畑中氏も同様だ。

「激アツ重要プロジェクト」のミーティングの様子。ディスプレイにはその様子を見守る100人以上の社員たちが映し出されている。

畑中最初は、自分の判断に自信が持てませんでした。特に他部署を巻き込んだ企画をする際は、「これをお願いしてもいいのだろうか」と迷ってしまう場面が少なくなかった。

しかし、今では迷うことなく他部署を巻き込めていると思います。このプロジェクトの重要性が全社的に理解され、進捗が共有されているのが大きいですね。

激アツ重要プロジェクトのミーティングは中継されていて、全社員が見られるようになっています。他部署のメンバーも「こんなことをやろうとしているんだな」と分かってくれている。だから、協力を求めやすいですし、他部署を巻き込む決断も下しやすくなっていると感じています。

そもそも、重要プロジェクトが始まるまでは「他部署を巻き込む」という考え自体が希薄でした。これまでのプロジェクトは、部内で完結することも少なくなかった。その当たり前をまず疑えと教えてくれたのは、社長の小渕です。何かを大きく変えるときは、前提となっている考え方から疑わなければならないと学びましたね。

「社長とのディスカッションからは学ぶことが多い」と三宅氏は重ねた。ディスカッション相手は、2001年にクルーズを立ち上げ、6年で上場企業にまで押し上げた経営手腕を持つ小渕氏。特定の部署への影響にとどまらず、「会社としていかに価値を生み出すか」という全社的な視点ですべての施策に関して意見を述べる小渕氏とのミーティングからは、毎回大きな学びを得ているという。

三宅ブランドとのキックオフ資料一つとっても、もともと僕は営業と経営企画、バックオフィス系しか経験していなかったので、「いかにして営業部門として最高のアウトプットを出すか」という思考にとらわれがちでした。

でも、小渕は「プロモーション・販促部門と連携して、サイト内外を盛り上げる方法も考えたほうが、ブランドは喜ぶよね」とフィードバックしてくれて。さらに、「プラスアルファで、この取締役とこの取締役に相談してみたら、もっと良いアイデアが出るんじゃない?」「人が足りない?それなら、採用すればいいじゃん」とも言われました。

こんな風に密にディスカッションを重ねながら、「ああ、社長って、こういう景色をみているんだ」と学んでいきました。いかに自分の視野が限定的だったのか、思い知らされましたね。その後もずっと、経営者としての視座を、日々小渕から学んでいます。

しかし、いくら鋭いフィードバックをもらったとしても、最終的な意思決定はオーナーに委ねられる。小渕氏の言葉を借りるならば、「お前が決めて進めるんだ」。

三宅小渕はすべての事象をかなり解像度高く理解し、アドバイスしてくれます。意見とその根拠を合わせて伝えてくれるので、とても納得度が高く「なるほど、そう考えるのか」と勉強になることが多い。

ですが、最後は「オーナーはお前なんだから、お前が決めて進めるんだ」と。そうは言われても、最初は意思決定に迷いがあり、小渕の意見をそのまま自分の決定としてしまうことが多かったんです。しかし、今では小渕が「『A』がいいのではないか」と言っても、僕の判断で「B」を選ぶこともある。小渕の意見も取り入れながら、自分の考えをもとに意思決定できるようになったと感じています。

このプロジェクトを実行している現場のことに関しては、小渕よりも僕の方が詳しいはず。そこに自覚的になったことが、変化のきっかけだと思います。当たり前ですが、事業推進やプロジェクト運営の力は小渕の方が圧倒的に上。しかし、現場との接点は、僕の方が圧倒的に多いはず。小渕の視点と僕の視点、その両方が掛け合わさってこそ、成果につながる。

小渕から常に「お前が決めて進めるんだ」と言い続けられたからこそ、この大事な視点に気付けたと感じています。

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若いうちにより好みするな!
事業家を目指すなら、どんな業務にでも「素直に」向き合え

4年目にして社運を握る複数のプロジェクトオーナーを務める両氏に、少し意地悪な質問をぶつけてみた。「3ヶ月で異動することもあったと聞いたが、一つの業務を長く続けることなしに、ビジネスパーソンとしてのスペシャリティを得られている感覚はあるか」。

三宅「事業を伸ばす力」がついていると感じていますよ。確かに、3ヶ月で異動することもありましたが、問題は時間ではなく質だと思っています。同じ業務をだらだら1年続けている人よりも、3ヶ月でその業務に関する知識やスキルを身につけられている自信があります。

何より、事業を伸ばすためには、幅広い業務に関する知識が必要です。営業だけできても、事業はつくれませんよね。もちろん、何かに特化する選択肢もありだとは思います。営業を極めたい人はとことん営業を突き詰めればいい。実際、一つの業務に特化したキャリアを歩んでいる同期もいます。

結局は、自分は何をやりたいのかが重要です。僕は会社や事業を伸ばせる人になりたいと思っているので、幅広い業務を経験できる今の環境は、とてもありがたい。

畑中僕も自分次第で、すべての経験をつなげ、活かすことができると思っています。どんな業務にでも真剣に向き合えば、それがやがて、思ってもみなかった大きな成果を生むことがある。

たとえば、年に一度、出店ブランドの方々が一同に集うカンファレンスを開催しているのですが、かつてそこで使用する資料づくりを任せてもらったことがあります。すると、その資料が評価されて、部長が韓国のブランドにプレゼンするための資料作成を任せていただくことができました。

さらに、そのプレゼンがうまくいき、今度はブランドの方との会食に同席することになりました。そして、他のECサイトも取り扱えていなかったそのブランドに、SHOPLISTで販売してもらえるようになった。最初は1ブランドのみの展開だったのですが、いまでは20〜30のブランドを展開するまでに拡大しています。ただの資料作成が、予想だにしなかった大きな成果につながったんです。

どんな業務が何につながるかは、誰にも予想ができません。これは職種でも同じことが言えると思うんです。営業で得た知識や経験はきっと他の領域でも活きると思っていますし、逆もまた然り。与えられたその場で必死に努力をすれば、その経験は必ずその先につながっていくと思っているので、いろんな職種を経験することに抵抗感を覚えたことはありませんね。

事業を伸ばす力をつけるために、幅広い業務を経験する環境だからこそ、求められるのは「素直に目の前の業務に向き合うこと」だと2人は口を揃える。

三宅僕の経験上、まずはやってみることが、何よりも大事。先輩社員から言われたことを、とにかく試してみる。言わば、吸水力の高いカラカラのスポンジのように、まずは受け入れる。

最初から「いや、僕はそれやりたくないんです」と言ってしまうような人は、事業家育成に力を入れているクルーズには、フィットしないと思います。「わかりました、やってみます!」が言えない人は、成長できないでしょう。とにかくたくさん行動し、失敗して、学びを得て成長できる人が事業家に向いているでしょうね。

ですから、たとえば「ファッション事業が絶対にやりたいんです!」といった領域へのこだわりが強い人は、SHOPLISTには向いていないかもしれません。求めているのは、ファッションのプロではなく、事業家ですから。

そして、重要プロジェクトが始まった今、事業家を志す人にとって、より理想的な環境になったと感じています。僕らのような新卒2〜4年目の若手が、社長と直接ディスカッションしながら事業に大きなインパクトを与える意思決定ができる会社なんて、他にはないでしょう。

畑中僕も素直さは重要だと思いますね。あとは、変化を恐れない人が合うでしょうね。クルーズは常に変化し続けています。その変化を楽しみながら、次々と生まれる新たな機会に挑んでいける人がフィットすると思います。

事業家を目指して、変化を楽しみながら素直に行動し続けられる方は、ぜひ一度お話を聞きにきてください。

こちらの記事は2020年12月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

鷲尾 諒太郎

1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。

写真

藤田 慎一郎

編集

小池 真幸

編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。

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