連載スタートアップを知りたいならここを見よ!FastGrow注目スタートアップ特集──FastGrow Pitchレポート

博報堂DYベンチャーズ厳選!
エンタメ特化型メタバース、決裁者マッチング、バーチャルカラオケプラットフォームを展開するスタートアップが登場──FastGrow Pitchレポート

登壇者
加藤 卓也

1991 年生まれ。 新卒で株式会社カプコンに入社。某人気ゲームタイトルシリーズの新規事業企画等を担当。また VR タイトル開発の立ち上げにも携わる。 その後独立し、株式会社 VARK を設立。バーチャルライブプラットフォームの開発・運営を行 い、『Forbes 30 Under 30 Asia 2021「Consumer Technology」部門』に選出。 バーチャルライブ事業としては「fripSide VIRTUAL LIVE 2022 in VARK」を開催。さらにエン ターテインメント特化型メタバースへの進化にも挑戦中。

平野 哲也

1990年生まれ。父も叔父も近所も経営者という環境で生まれ育った。早稲田大学政治経済学部に入学後、プロの実演販売士や起業家支援会社でのインターン等も経験。大学卒業後、2014年2月に株式会社オンリーストーリーを設立。

前原 幸美
  • 株式会社アンビリアル 代表取締役 

新卒で(株)JSOLに入社し、製造業向けITコンサルティング〜開発を行う。その後BtoCサービスを作るべくKLab(株)に転職。開発リーダーとしてゲームやアバターサービスの開発・運営を行う。担当タイトルは月商2億円を達成。また、個人開発したアプリでも有料セールス6位にランクインし、事業譲渡。その後起業し、ゲームやアプリ開発を経て、現在はバーチャルカラオケ配信事業に注力。絆が生まれる世界をつくっている。

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーションを興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。

登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。

今回は、国内を中心にシードからレイターまで幅広いステージで投資を行うVC、博報堂DYベンチャーズとのコラボレーション企画として、同社が一押しする投資先の登壇を開催した。

本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、株式会社VARK、株式会社オンリーストーリー、株式会社アンビリアルの3社(登壇順)だ。

  • TEXT BY OHATA TOMOKO
  • EDIT BY RYOTARO WASHIO
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博報堂DYベンチャーズ
生活者を起点に、より良い未来をデザインする

株式会社博報堂DYベンチャーズ

博報堂DYベンチャーズは、国内のスタートアップを中心にシードからレイターまで幅広いステージでの投資を行うVCだ。投資対象は、革新的なテクノロジーを保有する企業や、新たなビジネスモデルを創出する企業など。

また、クリエイティブやマーケティング、メディア戦略立案、ビジネスデベロップメントなどのスキルを有した博報堂DYグループの人材が「カタリスト」として参画。同グループのリソースを活かした協業策を投資先企業と推進している。

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VARK
世界中に新しい可能性を創り出す、エンターテインメント特化型メタバース

株式会社VARK

最初に登壇したのは、エンターテインメント特化型メタバース『VARK』を開発・運営している、VARK代表取締役CEOの加藤卓也氏。

『VARK』は、バーチャルイベントを楽しめるサービスだ。ライブイベントでは、ハイクオリティかつ多種多様なステージで歌って踊るアーティスト達の世界を、目の前で体感することができる。

ユーザーは、VRヘッドセットのみならず、スマートフォンやWebブラウザからの視聴も可能だ。

2018年からバーチャルライブ事業に注力し、急成長を遂げている。現在はメタバース事業にも取り組んでいる。

加藤2021年12月に、ユーザーがアバターを活用し様々なコンテンツやコミュニケーションを楽しめる新機能、WORLD機能をリリースしました。これにより『VARK』はライブが実施されるドーム空間だけではなく、よりさまざまな空間を楽しめるメタバースに進化。その結果、この機能をリリースしてからわずか10日間で新規ユーザーが1万ほど増加するなど、大きく成長しています。

さらに、VRヘッドセットであるQuestを開発するMetaが選ぶ「“ベストオブ 2021年” 日本版」でベストアプリ大賞も受賞。今後は、カラオケやゲームを楽しめる機能を実装し、より本格的なメタバースにしていきたいと考えています。

本格的にメタバース事業を推進し始めたのは最近のことではあるが、2017年に起業した当初からメタバースに注目していたと、加藤氏は語る。

加藤スマートフォンが台頭し、SNSが急速に世界に広まりました。その次に来るものは何かと考えたとき、VRやメタバースなのではないかと。

2017年からメタバースに投資するのは時期尚早でしたが、2021年10月にはFacebookがMetaに社名変更したり、MicrosoftのCEOであるサティア・ナデラが「インターネットの次の波」と称したりするなど、メタバースが浸透し始めています。

急速に成長しすぎていて、どのマーケットデータが正しいのか分かりづらい状況になっていますが、確実に大きな市場と言える。私たちのようなベンチャー企業にも大きなチャンスがあると考えています。

「新しいマーケットであり、今後さらなる成長が見込めます。一緒に未来を作っていきたい方はぜひ来てください」と参加者に呼びかけた。

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オンリーストーリー
営業課題を解決する、決裁者マッチングプラットフォーム

株式会社オンリーストーリー

続いて登壇したのは、決裁者マッチングアプリ『ONLYSTORY』とその有料版「チラCEO」を開発・運営している、オンリーストーリー代表取締役CEOの平野哲也氏。

冒頭で、平野氏は「決裁者」とのマッチングに着目した背景について語った。

平野私の父や叔父が経営者だったことから「いずれ経営者になりたい」「経営者の力になりたい」と思っていました。そんな彼らが特に課題を感じていたのが、営業だった。実際に、日本の経営課題ランキングの1位は「営業」です。

一口に「営業」と言っても、問題は様々。その中で目を付けたのが、BtoB領域の営業における「決裁者と会えない」問題です。例えば、ある企業の新入社員に「コピー機が半額で購入できますよ」とアプローチしても決裁権がないため、なかなか購入の検討は進みませんよね。

そういった問題を解決すべく、決裁者とのマッチングプラットフォームを開発しました。

『ONLYSTORY』は、完全審査制の決裁者マッチングプラットフォームだ。現在、5000名以上の会員が登録しており、アポイントの獲得や協業先の開拓など、様々な課題解決に活用されている。

サービスは無料版の「ONLYSTORY」と有料版の「チラCEO」に分かれており、有料会員になることで、ダイレクトメッセージを送ったり、オンラインイベントに参加できたりと、さらなる機能が体験できる。

平野広告の運用支援をしている企業の決裁者の方がが『チラCEO(ONLYSTORY 有料版)』を約15ヶ月利用したところ、決裁者との商談を約170件獲得し、そのうち19件が成約に至りました。投資した金額の約6倍のリターンを得ることができたそうです。

また、「一方的な営業」を横行させないことにも注力しているという。

平野会員になる企業は、当然「商品・サービスを売りたい」という気持ちが大きい。とはいえ、会員が「売りたい」という気持ちばかりを伝えていては、プラットフォームとしては成り立たない。

そこで『ONLYSTORY』は「GIVE」をベースにしています。一方的な「売りたい」だけでなく、相手の「求めること」も聞く。売る側、買う側に分断されない双方がフラットに話せる商談にしてもらうことを大切にしています。

今後は「営業のみならず、経営課題全般に活用できるサービスにしていきたい」と語り、ピッチを締めくくった。

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アンビリアル
SNSのような配信体験を提供する、バーチャルカラオケプラットフォーム

株式会社アンビリアル

最後に登壇したのは、バーチャルカラオケプラットフォーム『topia』を開発・運営している、アンビリアル代表取締役の前原幸美氏。

『topia』は、 アバターでカラオケや雑談を配信できるプラットフォームだ。配信者は、オリジナルのアバターを作成。スマートフォンのカメラでフェイストラッキングを実施し、自分の動きに合わせてアバターを動かすことが可能だ。

また、視聴者は応援として、配信者に投げ銭アイテムを送ることもできる。

中でも特徴的なのが、SNSのような配信スタイルだと語る。

前原従来からあるライブ配信アプリは、配信者と視聴者の層がくっきり分かれている「スター型」が多かったのですが、トピアはみんなで配信をして、みんなで視聴・応援をする「SNS型」のコミュニティが形成されています。

配信の敷居を下げる仕組みとして、例えば1つのルームで最大12名の配信者がコラボしたり、クローズドなルームで友人とカラオケをしたりすることが可能です。配信アプリというより「常時接続型のSNS」となっています。

さらに、数ある配信アプリの中でも特に配信ハードルが低いことも、活発な利用を促進している。

前原月間アクティブユーザーのうち、半数以上が配信者になっています。他の配信アプリにおける配信者率の平均が10~15%とされていることを鑑みると、かなり高い水準にあると言えます。

アバターがあることで見栄えを気にせず配信できたり、話し続けるのが難しい人でもカラオケがあることで気軽に続けられたりする。そういったことが配信に対する心理的なハードルを低げているのではないかと感じています。

コロナ禍によって、さまざまなエンターテイメントを家で楽しむことが多くなり、インターネット上で友人などとつながり、遊ぶことも一般化しつつある。そんな流れを踏まえ、今後はメタバース構築にも取り組んでいきたいと語る。

前原メタバースを閲覧するだけであれば、スマートフォンがあれば十分ですし、専用のデバイスは必要ありません。『topia』もスマートフォンがあれば楽しめるバーチャル空間になっていますし、すでにユーザー同士がお金をやり取りできるような仕組みを構築しています。より機能を充実させていって、ゆくゆくはメタバースとして楽しんでもらえるようにしたいですね。

音楽領域のメタバースプラットフォームを目指すという同社。「特に、開発・企画のミドルマネジメント層を求めています。他にも募集している職種があるので、ご興味ある方はぜひご連絡ください」と語り、ピッチを締めくくった。

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今後も毎週木曜朝7時の「FastGrow Pitch」では、注目スタートアップが登壇し、自ら事業や組織について語る機会をお届けしていく。ぜひチェックしてほしい。

こちらの記事は2022年04月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

大畑 朋子

1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。

編集

鷲尾 諒太郎

1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。

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