これからのSaaSが重視すべき3指標とその活用法──10兆円レガシー業界を変革するシタテルの勝ち筋に学ぶ
DXのスタートアップ企業が市場に変革を起こす。そんな勝ちパターンがよく語られるが、実際に既存の市場構造を変えていくために必要な泥臭い仕事を、あなたはどれくらい理解できているだろうか?
特にDXが進んでいないという指摘も多いアパレル業界の例から、その最前線を伝えたい。今でも工場とのやりとりをFAXや電話で行うこの業界内に、いきなりクラウドサービスを持ち込もうとする企業がいる。やはり、簡単には変わらないという。そんな中でいかにしてじわりじわりと事業を成長させてきているのか。シタテルが提供するクラウドサービス『sitateru CLOUD』の軌跡を、オンラインイベントで披露してもらった。この記事はそのレポートだ。
登壇したのは、取締役の鶴 征二氏、CTOの和泉 信生氏、『sitateru CLOUD』推進責任者の冨山 雄輔氏の3名。カスタマーサクセス(CS)とプロダクト開発、2つの側面から、「執念」とも言えるほどのUIやUXへのこだわり、現状の課題意識、未来への展望を語ってもらった。
- TEXT BY YUKI KAMINUMA
「SaaSだから変革できる」は間違い、
「マーケットプレイス」との融合がカギ
アパレル・ファッション・ライフスタイル産業には主に3つの課題があると言う。情報の非対称性、大量生産・大量廃棄、デジタル化の遅れだ。10兆円という非常に大きな市場規模がありながら、業界は長年洗練されてこなかった。
2014年に設立し、8期目を迎えたシタテルについて、その事業をよく知る読者はまだそこまで多くないかもしれない。衣服生産のプラットフォーム事業を展開し、業界の課題解決に使命感を持って挑んでいるが、いかんせんバーティカルでニッチにも見える事業領域。改めて、その事業について語ってもらうところから始めた。
鶴シタテルは衣服生産のフルサポートサービスと、衣服づくりにおける業務フローやEC販売を効率化させるクラウドサービス『sitateru CLOUD』を提供しています。
クライアントであるアパレル関係の登録事業者(ユーザー)は20,000社、縫製工場などの国内外工場(サプライヤー)は1,200社が参画しています。もはや「巨大プラットフォーム」と呼べる規模にまで成長しています。
『sitateru CLOUD』はものづくりのDXをサポートする「生産支援」と、受注生産特化型で、生産からECでの販売、配送までをワンストップで支援する「販売支援」の2種展開です。特に、2020年3月に先行スタートした『sitateru CLOUD 生産支援』が、順調に拡大しています。
スタート時点では、「アイテム情報管理機能」と「工場コミュニケーション機能」の2機能でしたが、2020年末には全部で6つの機能にまで拡張。展示会管理機能、生地・附属デジタル管理・購入機能、WEB仕様書作成、貿易・物流管理機能まで広がりました。
いずれも顧客からの声を取り入れた機能で、「共創型クラウドサービスだ」というありがたい評価をお客さんから直接いただくことも多いです。
経緯と背景は分かった。だが「アパレル業界」という、内実についてはよく分からない領域の話でもある。事業者にとってのメリットはどこにあるのだろうか。この点についてもしっかり答えてもらった。
鶴『sitateru CLOUD 生産支援』には、アナログであるが故の高いトラブル発生率を削減したり、リモートワークを前提とした業務フローの改善をしたり、月額利用料を払うことで初期費用を下げられたりといった、様々なメリットがあります。
例えば、衣服のデザインをする事業者と、それに基づいて実際に縫製をする工場との間は、FAXでのやり取りが多く、場合によっては電話も使われるので、記録を正確に残す手間が非常に多くかかります。そこに、デジタルを最大限に活用したクラウドサービスを導入することにより、業務を可視化でき、マネジメント層は管理面での大きなメリットを享受できます。
また、自社内の業務フロー効率化だけには留まりません。工場やバイヤー、貿易企業、原料メーカーまでもがこのクラウドサービスに参加できるようにしています。同じシステムを共有しつつ、コミュニケーションツールとして活用できるので、取引効率を飛躍的に上げることができます。
ところで、昨今は「SaaSでレガシー業界を変革する」とうたうスタートアップが非常に増えている。しかし全ての企業がうまくいっているわけでもない。どこに差があるのか?そんな問題意識を持っていたが、シタテルの特徴を聞くと少し納得のいく答えが得られた。
鶴私たちは、SaaS的な価値提供を行いながら、マーケットプレイスとしての価値提供も行っている、そんな特徴があります。
「ファッションテック」と呼ばれるサービスはいくつか出てきていますが、私たちのようなものづくり支援のサービスはかなり少ないんです。だからこそ、しっかり作り込んで、業界で広く使われるようにやっていきたい、そういう使命感は強いですね。導入ユーザーは150社まで進み、マーケットプレイス価値のGMVも9ヶ月で26倍、サブスク課金の伸びも6.2倍と順調に拡大しています。
つまり、「SaaS」というだけでレガシーを刷新できるわけではないということだ。ビジネスなのだから当然のことではあるが、現場の声に基づいた価値提供をいかにして続けられるかが問われる。SaaSというビジネスモデルも、マーケットプレイスというビジネスモデルも、そのための手段でしかない。これらをうまく組み合わせたのがシタテルのプロダクトということなのだろう。
プロダクトアウトは維持しつつ、DXコンサルタントとして導入支援
SaaSでありながら、マーケットプレイス的なサービスでもある、一見矛盾するような組み合わせを実現させているという特徴が分かった。確かに独特で、魅力的に思える。だが冒頭でも述べたとおり、既存の慣習が色濃く残っている業界では、そもそもクラウドサービス導入に向けて障壁も多い。今回の本旨はここだ。シタテルはそうした課題をどのように乗り越えようとしているのだろうか?
聞くと、「プロダクト提供に終始せず、コンサル的役割も丁寧に果たす」そんな答えが返ってきた。これも一見、非効率的にも思える。そんなことが本当に可能なのか?じっくり語ってもらった。
鶴弊社の主な顧客は、上場している大手のアパレルブランド、繊維商社、総合商社の繊維部門などです。エンタープライズのお客様は特に、IRで“DX導入を”と宣言してはいるものの、具体的な施策については実効性をなかなか高められないでいます。
DX導入の初期段階をどう進めるべきか、現場のデジタルツール活用のレベルをどう上げていくべきか、といった具体的な点にまで入り込んで、私たちはお手伝いをしていますね。なぜなら、「クラウドサービスの導入」がゴールなのではなく、「業務効率や販管費率の改善策の一つがクラウドサービスの導入」だから。
我々もお客様と同じ目線で課題に向き合い、提案します。経営陣とも現場とも話し、必要があれば双方を繋ぐ役割にも回ります。
冨山繰り返しになりますが、アパレル業界は非常にアナログ性が強く、古い慣習が多く残っています。携わる方一人ひとりを見ると、ファッションに興味があることと関係するのか、新しいもの好きで、アンテナの高い方も多いです。
そのため、プライベートではデジタルを先進的に取り入れているのですが、仕事となると話は別。デジタルシステムを新たに導入するという話になっても、現場の人は「大変なことはしたくない」「今までのやり方は変えたくない」と感じてしまっているんです。
だからこそ、私たちはシステム屋として入って行ってはいけない。それでは、業界に溶け込みにくいんです。「プロダクト導入を目指す」だけでは不十分。企業に入り込み、隣に座って一緒に考えるようなDXコンサルタントの役割を果たしながら、現場の方々が導入したサービスを使いこなし、実務上の成果が出せるように進める必要があると感じています。
当然のことながら、プロダクトの出来がその価値提供を左右する、しかも顧客が課題を明確にとらえているとは限らない、これらの特徴を持つレガシーな領域。だからこそ、プロダクトアウトの発想は最重要だ。しかし顧客に相対し、導入を進める段階にあっては、いわば「DXコンサルタント」として徹底して顧客目線に立ち、戦略を共に練って実行していくという。「コンサルティングファーム出身者こそ、バーティカルSaaSの企業で活躍できる」と繰り返し説く彼らの想いも、ここに透けて見えた。
初期ユーザーの導入失敗は命取り、最初の5社にこだわれ
また、もう一つ紹介してくれた特徴は、「初期ユーザーのサクセスにこだわる」ということ。鶴氏は「最初の5社に徹底的にこだわる」と明言している。サービス開発において、初期ユーザーと丁寧に向き合うか、一気にユーザーを拡大させるか、その塩梅は難しい。初期ユーザーに向き合いすぎると事業のスピードが落ちやすいことも多いというのも想像しやすいだろう。シタテルの狙いはどこにあるのだろうか。
鶴僕らが「最初の5社に徹底的にこだわる」と言っているのは、初期ユーザーの成功体験がシャワー効果で他企業にも広がっていくからです。
逆に、一気に受注数を増やし薄い接点で付き合うと、サクセスできない時に不満がシャワー効果となり広がっていく。これでは、長い目で見て拡大させていくことを考えるとデメリットが多い。だからサービスローンチ初期のユーザーは特に、コンサルティングのような役割も合わせて強く果たすことで、徹底的にサクセスしてもらえるようにこだわります。
これは単に開発要望を聞くという意味ではなく、ユーザーの事業に伴走するということ。開発要望ももちろんいただきますが、それぞれについてきっちりと「この会社だけの特殊ケースではないか?」を社内で冷静に議論します。
冨山初期ユーザーと向き合う、これは泥臭い形、つまり手間や時間が非常に多くかかるケースが多いですが、敢えてしている部分があるんです。導入企業内でも、現場で「使ってよかった」という口コミレベルで実感が広がっていくと、他部署での活用も進み、全体として成果が出やすい。
現場のユーザーに寄り添いヒアリングする、そして丁寧に障壁を取り除いていく。この一見遠回りに見えるやり方が、ユーザーの成功につながっています。そしてこのことがひいては、私たちのサービスの成功につながると考えています。
当然、導入してすぐに結果が出るケースばかりではない。それでも結果が出るまで伴走していく。この難しさについて「谷底を見せない」という独特の表現を使って説明した。
冨山最初は産みの苦しみというか、導入には苦労がありますよ。せっかく導入しても、もしかしたら苦労があって、クライアントは「失敗した」と感じる瞬間があるかもしれません。そういう「谷底」を見せないように、しっかり伴走していくような感覚です。その時期を越えて結果が出始めたら、そこでようやく「使ってよかった」となるわけです。
「3つの指標」と、その見方
さて、この事業がSaaSである以上、読者としても気になるのが「どの数字を指標として追っているのか?」という点ではないだろうか。数字達成が目的化してしまうと、ユーザー目線が疎かになる、そんな指摘もよく起こる。そこで聞いてみると、ここでもまた独特の考え方が垣間見えた。
鶴前提として、クラウドを使っているお客さんが主役で、伴走するのが僕たち。だから数字というのは、「結果として付いてくる指標」と、「追いかけるべき数字」とがあると考えています。
チャーンレートや利用人数、クラウドの利用状況などの数字は「付いてくる指標」です。これらは、お客さんが「利用しよう」と思って使うことで変化する数値です。つまり、我々のアクションでお客様の心が動き、その結果として変わるもの。例えば、登録者数や機能の利用者数は、お客さんが私たちに共感してくれて初めて伸びるもの。これらの数字獲得が目的化すると、お客さんの共感をすっ飛ばした動きになってしまい長続きしません。
私たちがまず追いかけていくべきは、顧客接点数や接触数、そしてその中でフィードバックをどれだけ聞けるか、課題をどれだけ聞けるか、顧客のジャーニーを追えるか、すなわちオンボーディングとトレーニングでサクセスのために前に進められているかどうか、などです。
これらは要するに、「カスタマーサクセスの視点でどれだけ寄り添えているか」ということです。
もちろん、「結果として付いてくる指標」をおろそかにしているわけではもちろんない。「追う行動」と「後の確認や反省」をしっかり切り分けて考えている、ということなのだろう。
また、これだけではなく、先に述べた「マーケットプレイスとしての価値提供」にも絡んで重視している指標が他にもあるという。
鶴SaaSでありながら、『sitateru CLOUD 販売支援』においてはEC機能も提供しているため、GMVの指標を持っているのもシタテルの特徴ですね。
冨山特にCS部門において、GMVは注視しています。『sitateru CLOUD』を通してどれだけマーケットとコミュニケーションをしているか、が分かるわけですから。GMVの高いお客さんは、システム活用度が高いということが多いです。じゃあなぜ高いのか?その背景を探ることで、さらなる成長への鍵が見つかるのではないかと考えています。
「結果として付いてくる指標」と「追いかけるべき指標」の2つをしっかり区別して扱えるか、そしてシタテル独特の「マーケットプレイスならではの指標」を合わせていかに活用できるか、この3つがシタテルのサービスグロースを支える重要な数値だということだ。
新ビジネスモデル「SaaS×マーケットプレイス」
そして「SaaS×マーケットプレイス」とでも呼ぶべき新しいビジネスモデルを、これからさらに確立させていくという点にも、改めて注目したい。これが「レガシー産業のBtoBビジネスにおいて、一つの型になっていく」と鶴氏は予期する。
世界でも珍しいビジネスモデルであり、実現には困難も多いはずだが、いかにして成り立たせているのだろうか。ここでCTOの和泉氏が、参考にしたサービスまで教えてくれた。
鶴SaaS×マーケットプレイスのモデル自体が難しいのではなく、どこのテック企業にも同様の難しさがあると思います。それは、業界課題への共感は集まりやすい一方で、それに対して顧客がお金を払うかは別だということ。顧客は結局、自社が抱える課題の解決にお金を払うものです。
目の前の顧客の課題を解決しつつ、その先に業界課題が解決されていく。そんなストラテジーを描き、時間軸を埋めていく作業に一番の難しさがあるのだと思っています。
和泉忘れてはいけないのは、10年、20年と続いてきて今の産業の形があるわけだから、今の形がある意味、正しいということ。それを忘れ、IT導入だけが正しいのだと主張しても失敗するだけです。
「今の正しさ」を認識した上で、どこを変えるべきかを慎重に選ぶ。とはいえ前例のないチャレンジですから、最後は強い心で決断することも重要。
感覚的にはiPhone初代が出た時と似ていると思っています。携帯にボタンは要らない!と言い切れるどうか。また、クラウドを構想する時に参考にしたのはAWSです。領域は異なりますが仕組みなどは参考になりました。
鶴ITを掲げるスタートアップ企業はITの導入が目的化されがちですが、元々ITは課題を解決するために必要なもの。ITだけでなく、泥臭い営業も、お金の力も、何を使ってもいいから業界を変革することが一番の目的なわけです。
あわせて、開発時に意識すべきことも聞いた。すると和泉氏が語ったのは「作業の一歩前」というキーワードだ。
和泉私がよくしている思考法は、お客さんの“作業の一歩前”を想像すること。何事にも、作業をする一瞬前がありますよね。そこで何を考えるか、お客さんの気持ちを演じてみる。そうすると、その作業をしたかったんじゃなかったんじゃないか、もっと他の方法があるのでは、と気づくことができます。その上で徹底したヒアリングをしていきます。
鶴開発前のヒアリングも、1社などでなく20〜30社行うべきものですよね。そうすることで溜まっていった会話の中から、どの会社も共通していることを紡ぎ出せます。共通キーワードを徹底的に探すことで、クリティカルレベルの高い課題を抽出していけるんです。
外部知見も業界理解も学ぶ姿勢を辞めない
イベントを通して気付いたのは、SaaSの話から始まり、CSが出るところまではSaaSらしかったわけだが、そこからコンサルティングやマーケットプレイスといった全く異なるビジネスモデルの言葉にまで、話が広がっていったこと。新しい挑戦をする中では、さまざまな知識や経験が活きるということが感じられる。
つまり、当たり前のことを言うようだが、「学び続けること」はやはり重要なのだろう。そう聞くと、シタテルでは社内での学びはもちろん、外部領域からの知見を持った人材を取り入れることも重視しているらしい。特にBPR経験やコンサルファームでの経験を持った人材は活躍のフィールドが多いというのだが、これはどういうことだろうか。
鶴顧客の課題を捉え解決策を提案するには、常に勉強し続ける必要がある。コンサル業からの学びや、アパレル業の方と一緒にする分析などが、非常に役立ちますね。また、私たちはいわゆるSaaSの猛者の集団ではないからこそ、SaaSに関しても日々勉強です。
多様な知見を持ち寄って議論を深めていくことで、新しいアイデアが生まれると思っています。また、企業のフェーズに合わせてハイタッチだけでなく、ロータッチ・テックタッチを組み合わせてオペレーション設計していく必要もある。コンサルタントなど、構造の仕組み化が得意な方の力を、いまぜひお借りしたいですね。
冨山シタテルのCS部門は業界出身者が多いため、お客さんに仲間意識を持っていただいている一方で、強い推進力で業界を導く能力はまだ足りない。客観的に業界を見て興味を持ち、引っ張ってくれる方が活躍する場がとてもたくさんあります。
異業界の力を借りたいと率直に語る鶴氏と冨山氏。しかしアパレル業界は、複雑性の高いバーティカル業界であり、「働きたい」と考えるビジネスパーソンが多いとは言えない領域でもある。そこで最後に世界観や展望について聞いてみた。
鶴アパレル・ファッション業界は、一言で言うとクローズドな業界。俯瞰して見ると、もっともっと最適化できると感じる箇所ばかりです。そこにプレイヤー同士が何をやっているのかが分かる、開かれた新しい経済圏を作りたいと思っているんです。
サービスのグロースやさらなる開発において、まだまだやるべきことが多いので、PM的な人材は今後必要になっていきます。CSも、エンプラ顧客が増えているが故に、人材が足りない状態。様々な方々に助けていただき、業界変革に向けてスピードを上げていければと思っています。
冨山ファッション・アパレル業界は、コロナ禍で転換期に来ています。これまでのやり方を変える強い意思のある企業を、できる限りサポートしていきたい。そんな存在が求められています。やりがいを強く感じられるタイミングですよ。
和泉衣服生産の業務は想像以上に多岐に渡っており、私たちが今解決できることは、まだほんの一部でしかないんです。でも私たちの目標は、全ての領域を解決し、衣服を作ることを誰でもできるほど簡単にすること。
やるべきことが多いからこそ、一つひとつの機能開発に、各々サービスを作るぐらいの設計が必要です。実装設計のエンジニアも事業開発者も必要。やれることは山のようにあって難しい業界であるからこそ、変えられれば大きな仕事になる。チャレンジする楽しさは他とは比べものになりません。業界を変革する長い道のりを一緒に走ってくれる仲間を、どんどん増やしていきたいですね。
こちらの記事は2021年03月12日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
上沼 祐樹
KADOKAWA、ミクシィ、朝日新聞などに所属しコンテンツ制作に携わる。複業生活10年目にして大学院入学。立教大学21世紀社会デザイン研究科にて、「スポーツインライフ」を研究中。
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