伊藤 豊
KMFG株式会社
代表取締役社長株式会社エルテス
社外取締役一般財団法人ルビ財団
代表理事1977年栃木県宇都宮市生まれ。2000年に東京大学文学部行動文化学科(心理学)を卒業し日本アイ・ビー・エムに入社。2005年にスローガン株式会社を創業し2022年2月までの約17年間代表取締役社長を務めた。2022年には東京大学出身の上場企業創業者有志を中心に立ち上げたUT創業者の会ファンドを立ち上げ、現在もファンドのジェネラルパートナーを務める。2021年から経済同友会のノミネートメンバーに選出され、教育改革委員会副委員長を務め2023年より経済同友会会員。著書に「Shapers 新産業をつくる思考法」。2023年3月にKMFG株式会社を立ち上げ、スタートアップ向けのアドバイザリー業務を中心に提供開始。また、財団・NPOの立ち上げも準備中。
どういう目的・経緯で起業したのでしょうか?
もともと起業なんてするつもりはなかったのですが、たまたま、どうしても解決したいと思った課題が自分の中で明確になったので起業しました。2004年当時、外資系の日本支社で働いていたので、ちょうど日本市場が縮小して日本支社の裁量がどんどんなくなっていき、世界における地位が沈下していったように感じました。それは外資日本支社の話だけではなく、日本全体の縮図じゃないかと思ったんですね。人口減少・少子高齢化でマクロトレンドで下降するのは仕方ないものの、何かしらそこに抗うことができないか?と思い始め、人材の配置問題という仮説にたどり着きました。
同じような問題意識で既に取り組んでいる会社がなかったので、自分でやるしかないかなと思いました。そんな経緯で、創業の動機が、青臭い理想主義みたいなものだったので、誰かがつくった会社にお世話になる形でやろうとすると、理念とかいいからまず稼いでくれって言われるのがオチだろうなと思ったというのもあります。
だから、儲かることや自分ができそうなことは一回すべて忘れて、とにかく自分自身が本当にやる価値がある、社会にとっても意味のあることをしよう。そう思ったんです。起業するといろんな人からその市場は大きいの?と聞かれるのですが、市場の大きさも無視することにしました。とにかく意義が第一優先。だから規模は二の次で、仮に大きくなれなくても仕方ない。小さくてもいいから意義があることをやろうと思ったんです。
伊藤 豊氏の回答
外部資本を入れたということは、上場を目指すということでしょうか?
もともとは、上場する必要があると思えば考えるし、必要ないとかすべきじゃないと思えばしない、という教科書的な考えを持っていました。
しかし、自分たちの事業はとても社会性のある事業だし、ミッション・ビジョンも社会性の高い広がりをもったものなので、これが本当に実現すると特定の個人が所有するプライベートカンパニーである方が違和感だと感じたんです。
また自分自身も半永久的にスローガンの社長なのではなく、自分より適切な経営者がいたら社長を譲り、引退すべきだと思えるようになったこともあり、なおさらプライベートカンパニーにすべきじゃないんじゃないと思うようになりました。今はまだまだ未熟ですが、このままやり続ければ、将来的に必ず社会の公器にふさわしい事業グループになるという確信はあります。
伊藤 豊氏の回答
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