「個性を見つけ最適配置するから、事業が伸び続ける」──カオナビ流・セールス起点のキャリアグロース実例を徹底解説

登壇者
菅原 拓弥

専門商社で代理店営業を経験したのち、2021年1月にカオナビへ中途入社。エンタープライズセールス、プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)を経験した後、2024年7月からヨジツティクス事業室の室長を務める。

那須 大
  • 株式会社カオナビ アカウント本部 フィードセールス部 SMB・コマーシャルセールス3グループマネージャー 

新卒で大手人材系の会社に入社。求人メディアの営業として、企業向けに採用活動のアドバイスや媒体提案など4年間ほど経験する。2021年1月にカオナビのカスタマーサクセスマネージャー(以下、CSM)として入社し、SMBのお客様の「カオナビ」運用支援や活用促進を行う。2022年10月、フィールドセールス部へ異動し、SMBのお客様向けの新規セールスを行う。2024年10月にマネージャーに就任。

西川 ジョニー 雄介

モバイルファクトリーに新卒入社。2012年12月、社員数3名のアッションに入社。A/BテストツールVWOを活用したWebコンサル事業を立ち上げ、同ツール開発インド企業との国内独占提携を実現。15年7月よりスローガンに参画後は、学生向けセミナー講師、外資コンサル特化の就活メディアFactLogicの立ち上げを行う。17年2月よりFastGrowを構想し、現在は事業責任者兼編集長を務める。その事業の一環として、テクノロジー領域で活躍中の起業家・経営層と、若手経営人材をつなぐコミュニティマネジャーとしても活動中。

顧客開拓・価値創出の最前線を担う──。そんな役割である“セールス”を起点にキャリアを切り拓く秘訣を、今こそ広く伝えていきたい。

そう考え、上場スタートアップでの経験談から新たな視点やヒントを得られるセッションを株式会社カオナビ(以下、カオナビ)と企画した。この記事は、FastGrowが2025年2月に開催した『BizDevホンネ学会』におけるセッションのレポートだ。

カオナビは「個」の力が開かれ誰もが社会で活躍できる未来の創造を目指し、タレントマネジメントシステム『カオナビ』を開発・提供してきた企業だ。現在は、その『カオナビ』でのデータベースを基軸とした人材データプラットフォーム構想を掲げ、労務管理システム『ロウムメイト』や予実管理システム『ヨジツティクス』といった新規プロダクトの展開を広げるなど、業容を拡大。マルチプロダクトによる価値創出を進め、通期売上高は2019年の上場後も拡大を続け2025年3月期通期で94億円の予想、ARRは95億円(2024年12月末)まで着実に拡大してきた。

本セッションでは、同社でセールススキルを武器にBizDev(事業責任者)として活躍する菅原氏と、カスタマーサクセスとフィールドセールスでMVPを受賞しマネージャーとして活躍する那須氏、そしてFastGrow編集長の西川ジョニーによるパネルディスカッションを展開した。

SaaS企業でのセールス経験を起点として、どのようにキャリアパスを広げていくことが求められているのか?どのように新たな挑戦機会を得ていくのか?生々しい軌跡を、カオナビの2名から披露いただいた。

  • TEXT BY KANA ASHIHARA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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短期間で役割を拡張し続ける“理想の組織”が、個を尊重するカオナビの強み

──まずはじめに、カオナビ入社後のお二人のキャリア変遷を教えてください。菅原さんも那須さんも、非連続的にキャリアを開発してきた印象がありますね。

菅原新卒入社した専門商社ではセールスの経験しかありませんでしたが、カオナビではエンタープライズセールスからプロダクトマーケティングマネージャー(以下、PMM)、そして新規事業責任者と、役割をどんどん拡張させてもらっています。

那須私も同じく、前職の人材系企業ではセールス経験しかなかったのですが、カオナビにはCSMとして入社しました。その後、フィールドセールスに異動し、今はマネージャーを務めています。

カオナビ那須氏(左)、カオナビ菅原氏(中央)、FastGrow西川(右)

ジョニーこれだけ役割を変えているのは、スタートアップでも珍しいですよね。

菅原カオナビではそこまで珍しいことではないんです。個性を尊重し、一人ひとりのキャリアに寄り添っている結果として、よくある話です。

ジョニーなるほど。そうしてどんどん活躍していく人が増える組織は、まさに理想的な姿の一つなのではないかと思います。どのように実践されているのか、ここからじっくり聞かせてください。

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キャリアの初期に抱えた不安が、転職のきっかけに

──ではここから、カオナビ入社前もふくめて、お二人のキャリアを具体的に紐解いていきましょう。

菅原新卒で入社した専門商社では、配属でオフィス家具の提案や空間デザインを希望していましたが、そうではなく他社と協業事業を立ち上げるアライアンス担当部署に配属されました。想定外の配属先でしたが、社会人として最初はここで頑張ろう!とがむしゃらに働き、25歳の頃に昇格試験に特選で合格して主任に昇格しました。

そこから課長、そして部長へと昇進していく縦方向のキャリア開発軸が見えてきたのですが、横方向に強みを増やしていくようなキャリア開発軸が見えづらく「このまま昇進を目指すべきなのだろうか?」「自分がしたいのはこの会社での昇進なのだろうか?」と、いろいろと考え始めました。その際に、カオナビという会社を知り、「“はたらく”にテクノロジーを実装し個の力から社会の仕様を変える」というパーパスに強く惹かれ、転職を決めました。

菅原当時(2021年)のカオナビはちょうど第二創業期とも呼べそうなタイミングで、面白そうな仕事がたくさん広がっているように見えたんです。率直に、「今入社すれば、さまざまな経験をさせてもらえそうだ」と思いました。それに、即戦力の人材ばかりを採っていそうなフェーズだったのに、必ずしもそうではない私を採用してくれるという点からも、「本当に個を見てくれているということなのかもしれない」と感じましたね。

登壇時の資料

菅原カオナビ入社後は、まずエンタープライズセールスを担当した後、プロダクトマーケティングマネージャーへキャリアを転換、そして現在は『ヨジツティクス』という新規事業の責任者を担当させていただいています。

このように、カオナビでは自分のキャリアを非連続に拡張することができており、非常に高いモチベーションで働き続けることができています。

──ありがとうございます。ここで、『ヨジツティクス』についてはもちろん、そもそもカオナビがマルチプロダクト展開をしている、という事実についても(会場を見渡しても)ご存知の方がまだ少ないようですね。立ち上げの経緯なども含め、どういった事業なのかをお聞きできますか?

菅原この『ヨジツティクス』は、社員の構想・起案から事業化に至った、ボトムアップで誕生したプロダクトです。『ロウムメイト』と同じく2024年にローンチしたばかりです。

登壇時の資料

菅原各企業における予実管理という業務は、経営管理・事業管理のみならず、人材データプラットフォーム構想における人員計画の精度を向上させるためにも不可欠なものです。最近では、人的資本経営に取り組む企業が増えてきていますよね?その開示を検討する際にも、人へ投資した費用対効果も見るために有用な業務となります。

私たちが提供する『ヨジツティクス』では、財務だけでなく非財務のKPI管理も可能にしています。たとえば、人員を増やしたり、研修時間を増やしたりした際に、売上や利益にどう影響するのかをすぐに可視化し、分析できます。また、従来の採用計画や事業計画とのギャップの大きさもすぐに確認できるようにしています。

祖業のタレントマネジメントシステム『カオナビ』と組み合わせ、一つのプラットフォーム上で一元管理することで、ユーザー企業さんたちは大きな利便性を享受することができると考えています。ここまで一気通貫で展開しているプロダクト群は国内にほとんどないため、カオナビこそがやるべきだと考え、注力しているところです。

登壇時の資料

ジョニー後ほど詳しく伺いますが、実はこの『ヨジツティクス』は、社員の構想・起案から事業化に至ったプロダクトとのことです。まさにカオナビのValuesの一つである 「コンフリクトを恐れない」 というものが体現された実例だと思います。

事業やプロダクトをより良いものとしていくために、利害の対立を恐れず議論し、提案していったことが、この新規事業の立ち上げにもつながったのだなと感じました。

──それでは那須さんからもキャリアの変遷について、改めてお願いします。

那須私はスポーツ推薦で大学に進学しており、アルバイト経験がないまま大手人材会社に入社しました。当時は敬語の使い方やパソコンの操作がわからない状態からのスタートでした(笑)。ですが上司に恵まれて、毎朝のロールプレイングを中心とした熱血指導を受けながら努力を重ねた結果、2年目には拠点トップの営業成績を収め、3年目には全国ランキングにも入るようになりました。

登壇時の資料

那須順調にキャリアを積んでいる感触がありましたが、担当していた求人媒体の事業撤退が決まり、別の事業部へ異動することになります。また、ほぼ同時期に新型コロナウイルスの影響から訪問営業を自粛する状況にもなってしまいました。それでキャリアに大きな不安を感じ始めたんです。そんな中、カオナビがCSの立ち上げメンバーを募集していることを知り、応募しました。

そこで縁あって入社となり、CSMとしてCS部署の立ち上げを推進し、転職1年目でMVPを受賞できました。

その後、当時のCSのメイン業務だった解約抑止から貢献価値を広げたいと思い、アップセルまで担当できるフィールドセールス(以下、FS)に異動させてもらいました。こちらでもMVPを受賞することができ、現在はマネージャーを担っています。

ジョニー二度のMVPの受賞、すごいですね。CSでもFSでも受賞できた秘訣があれば、お伺いできますか?

那須秘訣として話すのは難しいのですが、CSの時は「ただひたすら、がむしゃらに頑張った」という感覚で、その経験がFSで活きたのが良かった、という流れになります。

CSの経験から、「お客様が実際にシステムをどのように使っているのか?」「どこに悩みを感じているのか?」ということは、かなり深く理解できていたと思います。それが、FSとして新規のお客様に対して具体的な事例を伝える時に役立ち、自分の強みとすることができたと思います。

ジョニーFSに異動してからも、「CSの経験があるからこそわかること」という那須さんの個性が活きたんですね。

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カオナビ流キャリア開発──部署や役職を越えた1on1を通し、新たな可能性に気づく

ジョニー菅原さんの、セールスからPMMへのジョブチェンジは大きな転機だと思うのですが、どのような経緯でそうなったのかをお伺いできますか?

菅原まずそもそも、私自身がPMM*という役割の必要性を感じ、社内で起案しました。当時、カオナビにはPMMというポジションがなく、営業・マーケティング・プロダクトが連携しながら成長を加速させる仕組みが必要だと感じていたんです。

*PMM(Product Marketing Manager)とは、プロダクトの価値を市場に伝え、成長を加速させる役割を担う職種。市場調査やポジショニング戦略の策定、価格設定、営業・マーケティングとの連携を通じて、適切なターゲットにプロダクトを届けることがミッション。営業・開発・マーケティングをつなぎ、プロダクトの成功を支える。

2024年4月に『ヨジツティクス』、7月に『ロウムメイト』をローンチしましたが、その1年ほど前から立ち上げに向けた動きがあり、カオナビは新たなフェーズを迎えていました。そんな中で、組織規模も大きくなり、経営層がトップダウンで意思決定を進めにくい部分も目立ち始めていました。そこで、企画機能を強化し、マーケットとプロダクトをつなぐPMMという役割が必要だと考え、提案を行ったのです。

──そうだったのですね。とはいえ、PMMの起案をしたものの、当初は転職も考えたと伺っています。

菅原はい。セールスとしての実績を積みながら、「このままセールスを続けて本当に自分の成長につながるのか?」と考え始めていました。セールスからセールスへ転職しても、結局また同じ道を歩むことになるのではないか。そう思うと、転職するよりも、新しいチャレンジができる環境があるかどうかが重要だと感じていました。

ちょうどそのタイミングで、経営層との面談があり、「菅原がPMMを立ち上げたらどうか?」と提案を受けました。その際、経営層が私の履歴書を細かく読み込み、セールスとしての実績や過去のキャリアを踏まえて、「プロダクトを最も理解し、現場で売ってきた人がPMMをやるのが最適ではないか」と伝えられたんです。

そのとき、私は「カオナビはここまで個人のキャリアに向き合ってくれるのか」と驚きました。こうした対話を経て、「転職ではなく、ここでPMMとして挑戦することが、キャリアの広がりにつながるのではないか」と考えるようになったんです。

ジョニーなるほど。カオナビの個性に対する考え方がよく伝わるエピソードですね。その後、菅原さんはPMMとしてどんな取り組みをされたのでしょうか?

菅原PMMとしては、料金プランニングや営業資料の整備、オプションサービスのモニタリングスキームの構築など、未整備だった領域を見つけ、一つずつ整えていきました。FSやインサイドセールス(以下IS)、マーケティングといった役割・部署ごとにそれぞれが課題を抱えている状況でもあったので、代理店営業の経験を活かして各所とのコミュニケーションを深めることに注力しました。その結果、良い連携強化を進めることができ、成果にもつながっていきました。

ただ、先ほどお伝えしたように、社内にPMMの前任者はおらず、「カオナビにおけるPMMの役割をどう定義するか?」 というところからのスタートでした。

そこで、社内外の情報をインプットしながら、何を担うべきかを整理。結果として、営業・CS・マーケティングと連携し、プロダクトの価値を最大化する仕組みを作ることがPMMの役割だと定めました。この取り組みが、各部門との連携強化や営業効率の向上につながったと感じています。

──ありがとうございます。そして実は那須さんも、マネージャーになる前に転職を考えていたそうですね。

那須そうですね。もともと私はプレイヤー志向が強く、マネジメントには興味がありませんでした。CSやFSで成果を出し、表彰も受けましたが、「このままずっとプレイヤーとしてキャリアを重ねていくのか?」という漠然とした不安がありました。営業として成果を出すことにやりがいは感じていましたが、次のステップをどうするか悩んでいたんです。

ちょうどそのタイミングで、カオナビ側から面談が組まれました。カオナビでは、マネージャー同士が定期的にメンバーのキャリアについて話し合い、「このタイミングで那須には次の挑戦機会を与えたほうがいいのではないか?」と議論されていたそうです。その結果、「マネジメントの道も選択肢に入れて考えてみてはどうか?」と提案を受けました。

それまでのキャリア選びは完全に「自分が成果を出せるか」という軸でしたが、「チームや組織にどんな影響を与えられるのか?」という視点が加わり、次のキャリアの可能性が見えてきましたね。

ジョニーたとえ、マネージャ―のキャリアに興味がなかったとしても、それは那須さんの大事な個性であり、カオナビの社内では尊重されていたんですね。そのうえで、フラットに評価をされる中で、那須さん自身のお考えにも変化が生まれたということだと思いました。カオナビさんらしい、素敵なお話ですね。

──次に、異動に関連して、「セールスを経験したからこそ、キャリアが変わっても良かったこと」「セールス経験が足かせになったこと」があればお聞きできますか?

菅原良かったことは、「この機能があれば売れる」と直感的に捉えやすかったことです。

PMMになった当初、セールスとしての受注実績があることから、顧客が求めるプロダクトの解像度は高いと自信を持っていました。PMMとしても、セールス経験があるからこその視点から新たな企画(主にプロダクトの機能面)を考え、提案することができました。

一方、足かせになったこととして、「セールス起点に偏ったプロダクト解像度になっていた」ということがあります。これはPMMになってしばらく経ってようやく気づくことができました。

ジョニー具体的には、どのような失敗を経験し、どのように気づいたんですか?

菅原企画の仕事に長く携わる中で「売上へのインパクトがどれくらいあるのか、という視点が足りない」と、経営層から指摘を受けるようになったんです。

これには、なるほどたしかにと思いました。競合他社も同じように、顧客の要望を聞き、対応していきます。私が単純にセールスとして聞き取っている要望に応えるだけでは、マーケットインの域を抜け出せず、プロダクトアウトの思考による、自社ならではのプロダクト優位性の確立につなげられないのだという観点に至ることができていなかったんです。

──なるほど。やはり異動を伴うチャレンジが多いと、失敗が起こることもそれなりに多いのではないかと思います。正直、事業に悪影響は及ぼさないのでしょうか?

菅原短期的な悪影響は起こるかもしれないと思いますが、中長期的には全く問題ないと考えています。

カオナビはそもそも、「社員の可能性を信じる」というのを大切にしているので、基本的に失敗に対しては寛容なんです。

先ほどお話したように、私はPMMを立ち上げた際に山ほど失敗をしました。ですがそのたびに、直接の上司でもない経営層が壁打ちに付き合ってくれたおかげで、改善を進めることができました。

登壇時の資料

那須加えてお伝えすると、カオナビのValuesにもあるように、弊社では「仕組み化」を特に重視しています。5つのバリューの中でも「仕組み化にこだわる」が徹底されています。

誰かが新しいチャレンジをするときに、過去の成功・失敗パターンやマニュアルが蓄積されているので、ゼロから手探りではなく挑戦しやすい環境が用意されています。チャレンジを推奨しつつ、スムーズに成果を出せる仕組みを整えている企業だと思いますね。

ジョニーカオナビ社では独自の働き方制度「MY WORK STYLE」が浸透し、1日49分という短い残業時間でも成長し続けられるのは、仕組み化が影響していたんですね。

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異動・役割拡張は日常茶飯事。
カオナビの競合優位性はここにあり

──お二人の話を聞くと、改めて役割変化の大きさが印象的です。カオナビ社内では、本当にお二人のような職種や役割の変更が頻繁に起きているのでしょうか?

那須はい。比較的、頻繁に起きていると思います。それがカオナビという会社のカルチャーなのだと思っています。

つい先日、FSとISの連携に課題が出て部門を統合するという、チーム単位での役割変化がありました。そしてもちろん、個人単位でみても「この人はこのポジションの方が向いている」とわかればスピーディーに異動が行われます。

ジョニーそこにスピード感があるのはすごいですね!ですが統合や異動って、頻繁にやるとデメリットも大きいのではないかと不安を感じる人がいると思うのですが……。

那須もちろん、場当たり的にやっているわけではありません。恐らくカオナビは、他社よりも組織やキャリアについての面談の頻度が多い会社ですね。私のチームでは、「たて」と「ななめ」を組み合わせ、週3回の1on1を実施しており、キャリアの希望やプライベートの状況といった細かい情報までキャッチアップしています。

私自身も、「たて」と「ななめ」で1on1を実施してもらえたからこそ、今のキャリアがあると思っています。先ほどお伝えした通り、自身ではプレイヤーとしてキャリアを突き詰める想定でしたが、カオナビ側がマネジメントとしてのキャリアを見せてくれたからこそ、今の自分があると言っても過言ではないでしょう。

登壇時の資料

ジョニー個人のwill/can/mustをフレームワーク化したり、ななめ1on1を形式化したりと、仕組みとして個性を尊重してキャリア支援をしているのは、カオナビさんの大きな特徴ですよね。

那須ありがとうございます。加えて、自社でも『カオナビ』をフル活用し、メンバーの情報を一元管理して現場のマネジメントにおける意思決定スピードを加速させています。

たとえば「このプロジェクトを進めるなら、誰と誰を組み合わせるのがいいか」 といった議論がスムーズにできるので、スピーディに意思決定を進めていくことができる。これもカオナビならではの強みだと思います。

カオナビにおける従業員と会社の関係性の考え方(登壇時の資料)

菅原私からは、別の視点を補足します。弊社ではこの図のように、「相互選択」という考えを大切にしています。成果を出せば、その次の成長機会が生まれるというかたちですね。

逆に言えば、成果を残す前に「この部署に行きたい」といった希望を挙げても、それがすぐ通るわけではありません。

ジョニーこの「相互選択」を実践し続けるには、部門や異動について検討する責任を持つマネージャー層の負荷が大きそうですね。どのように対応しているのでしょうか?

菅原手前味噌で恐縮ですが、先ほども言った通り『カオナビ』を使って対応することで、個性をしっかり把握できるので、スムーズに進められていると思います(笑)。「相互選択」を円滑に進めていくためには、把握すべきこと・考えるべきことが非常に多いので、プロダクトの活用は重要です。

そのうえで、私の上長であるCo-CEOの佐藤や柳橋と検討する際には、「メンバー個々人にとって最善の選択肢は何か?」を軸に会話することを意識しています。会社側の都合から役割を押し付けるようなことになっては本末転倒ですからね。このカルチャーは、カオナビならではだと思います。

──なるほど、プロダクトの力も借りながら、個々人の個性に向き合っているということですね。この観点で、「まさに、メンバーの個性を活かせている」と感じたエピソードがあれば教えてください。

那須まず前提として、カオナビにおける「個性を活かす」とはどういうことなのか。それはやはり、「得意なこと(Can)」だけをやればいいわけではありません。本人が「どうありたいか(Will)」も受け止め、実現のための伴走をすることが重要です。

そして、「苦手だけどチャレンジしたい(Must)」と思っているのかどうかも 把握した上で、チャレンジの機会を提供するといったスタンスを大事にしています。

登壇時の資料

菅原私は『ヨジツティクス』の事業責任者として、全ての職種の人を等しくリスペクトすることを大事にしていますね。

その人の業務内容や課題、大切にしている価値観を知るために週次で1on1を実施したり、飲み会を開いたりしてコミュニケーションを取っています。コミュニケーションを深めることで、表も裏も含めて、その人の個性が見えてくると思うんです。

ジョニーカオナビが掲げる「個性を生かし、社会を変えていく」という考え方が、社内の環境にも反映されているんですね。その思想が、プロダクトを通じて社内外に浸透していっているようにも感じます。

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キャリアチェンジを成功させる鍵──「挑戦心」と「環境」の掛け算

──最後に、セールスからのキャリアの切り開き方について改めてご意見をいただきながら、まとめていきたいと思います。まず、カオナビでキャリアを拡張しているメンバーの間に、共通点があれば、お聞きできますか?

那須「上司や経営層に対して、多くのことを発信し、伝えている」「やりたいことを積極的に主張し、チャンスを自ら掴みにいっている」という姿勢があると感じます。言い換えるならば、「個性を伝える」ということでしょうか。

つまり、自ら働きかけ、チャンスを求める姿勢がある人は、結果的に成果も残しながらキャリアを拡張できていると感じます。これはセールスに限った話ではなく、どんな役割の方にとっても重要なことだと思います。

そのうえで、私の経験をふまえると、「セールスで培ったスキルはほかの職種でも活かせるものが多い」と感じています。もちろん、新しいチャレンジをした後に、またセールスに戻る、というのもアリだと思います。

ですので、「興味がある」「挑戦してみたい」という想いがあるなら、まずは一歩踏み出してみてほしいですね。

菅原私も近しいことを思っていまして、「まずはやってみることが大事」だと伝えたいです。

キャリアに悩んでいろいろと考えても、「この選択が正解なのかどうか」はチャレンジしなければ絶対にわからない。ですので、「チャレンジしてフィットしなければ戻ることもできる」と捉えて、一歩踏み出してみることをお勧めしたいです。

そして、そうした挑戦をいつでも歓迎しているのがカオナビという会社なんです。カオナビは、なによりも個性を尊重しています。

人材データプラットフォーム構想というユニークな事業をつくっていくためにも、個性が光ることが何よりも重要。「この職種は、こういう特性のある人が担うべき」といった固定観念に縛られず、どんな職種・所属でも、一人ひとりが個性を発揮して挑戦するような組織でありたいと思っています。

──「カオナビは個性を大事にする会社」と感じた方も多いと思います。ただ、自分の個性や「ありたい姿」を見つけるのは難しいと感じる人もいるのではないでしょうか? その見つけ方についてアドバイスをいただけますか?

那須カオナビは、会社全体で「個性をこう育てる」という決まった方法があるわけではなく、現場ごとに考え方が違う というのが特徴ですね。

特に若手の場合、「自分はまだ個性を見出せていない」と感じる人も多いですし、考えることから逃げがちになることもあります。

だからこそ、意識的に振り返る機会を作ることが大事 だと考えています。たとえば、1〜2ヶ月ごとに過去の経験を振り返り、「楽しかったこと」「やりがいを感じたこと」をログとして残す取り組みを行っています。前職では半年に1回くらいでしたが、カオナビではこの頻度が高く、より細かく自己分析できる環境があります。

菅原私自身は、個性を見つけるには人とのコミュニケーションが欠かせない と思っています。特に、私は経営陣とのパイプラインとしての役割もあるので、日頃からメンバーと頻繁に対話し、どんな価値観を持っているのかを知るようにしています。

ただ、向き合って話す中で、時には「この人の状況でカオナビにいるべきではない」と感じる人がいるのも事実です。そういう場合は無理に引き留めることなく、新たな環境を選んだほうが良いこともあると思います。でも、実際に辞めた人たちとも関係が悪くなることはほとんどなく、それぞれが自分の道を前向きに進んでいるんですよね。最終的には、自分が納得できる選択をすることが何より大切なんだと思います。

──具体的なアドバイスで、実践するイメージが湧きますね。ここまでのお話を通じて、カオナビに興味を抱く方々もいらっしゃるかと思います。そこでお二人から、ぜひ未来のカオナビのセールスパーソンに向けてメッセージをお願いできますでしょうか?

菅原カオナビは、自分の個性を活かして挑戦したい人にとってチャンスが多い環境だと思います。なぜなら、単なるHR SaaSではなく、HRプラットフォーマーとしての進化を目指し、マルチプロダクト展開を進めているフェーズだからです。事業がどんどん拡大する中で、新しいポジションや役割が生まれ、セールスとしての経験を活かして幅広いキャリアを描ける可能性があります。

那須加えて、カオナビにはななめ1on1など、個性を尊重しながら成長できるカルチャーがあります。単に売上を追うだけではなく、自分の強みやキャリアの方向性を考えながら挑戦できる仕組みが整っているんですよね。だからこそ、ただ決められたことをこなすのではなく、自分の意志で動きたい人には非常に向いている環境だと思います。

菅原とはいえ、カオナビって一見するとホワイト企業っぽく見えるかもしれませんが、実は決められた時間内でしっかり成果を出さないといけない環境なんですよね。自由に残業できないし、限られた時間の中で成果を出す必要があるので、そういう意味ではタフな環境なのかもしれません(笑)。

那須そうですね(笑)。ただ、それができる環境でもあるので、効率よく動いて、成果を出しながら成長したい人には、すごくおすすめの環境 です。ぜひ、一緒に働くことを楽しみにしています!

ジョニーお二方ともありがとうございます。ここまでの話を聞いて、カオナビの組織カルチャーと、そこで築けるキャリアの広がりがよくわかりました。セールスポジションが事業成長の中心になっていて、成果を出せば、マネージャーを始め、PMMや事業責任者など、より戦略的な役割に挑戦できる環境があるのも特徴的です。

今、カオナビはHRプラットフォーマーとしての進化を目指し、第二創業期の真っ只中にあります。マルチプロダクト戦略を本格化させ、新規事業の立ち上げが次々と進む中で、セールスとしての経験を活かしながら事業そのものをつくっていくチャンスが広がっています。

また、相互選択のカルチャーのもと、会社と個人がキャリアを共に考え、成果を出せば新たな挑戦の機会を得られる。自由に働ける会社ではなく、成果を求められる環境だからこそ、成長意欲がある人には最適な場所だと感じました。

こちらの記事は2025年03月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

芦原 花菜

写真

藤田 慎一郎

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