特別連載信用経済社会におけるプラットフォーマー ネットプロテクションズ

隠れた起業家育成企業・ネットプロテクションズ。
“起業家と正社員の兼務”すら許され、やりたいことを探求できる

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インタビュイー
木下 雄登

2015年ネットプロテクションズ入社。
新規事業のセールス、マーケティング、システムに従事しつつ、新卒研修・メディア立ち上げなど行う。
2018年より社員でありながら自己資本100%のお花の会社、株式会社マーウィを立ち上げ、業務時間中にネットプロテクションズの業務と並行しながら事業立ち上げ中。

三上 高広

2017年ネットプロテクションズ入社。
マーケティング、カスタマーサポートに従事した後、セールスユニットにジョインし
事業企画・戦略立案、組織改革、新人育成などを行う。
並行して教育事業立ち上げを行い、2019年からメディア事業責任者も兼務。

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熱い想いを、事業というアウトプットに昇華させる起業家たち。ステークホルダーを巻き込みながら、ときに泥臭く、未踏の地を切り拓く。

起業は、いわば総合格闘技。求められる素養は多岐にわたる。起業家として活躍するための修行を積める場所として、紹介したい企業の一つがネットプロテクションズだ。経営哲学、事業戦略、組織体、開発体制…後払い決済事業を中心にクレジットテック市場を牽引する同社を、FastGrowは多角的に取り上げてきた

本記事では、同社の“起業家育成企業”としての側面を照らす。話を伺ったのは、社員でありながら自己資本100%で起業し、ネットプロテクションズの業務中に自社を経営することを承認されている木下雄登氏、セールスリーダーを務めながら教育事業をスタートさせ、メディア事業の責任者を兼任する三上高広氏。

決済事業という「事業推進力を身につけるための最高のフィールド」を基軸に、メイン業務とサイドプロジェクトの往復で「トライアルを繰り返しながら、やりたいことを探求できる」成長環境に迫る。

  • TEXT BY MASAKI KOIKE
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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起業家と正社員、二足のわらじを履く理由

木下氏は、誰よりもネットプロテクションズというプラットフォームを使い倒し、起業のための経験を積み重ねてきた。

学生時代より「花」に惹かれ、花にまつわる事業を立ち上げる志を抱いていた木下氏。まずは基礎的なビジネスの経験を積むべく、企業への就職を選択した。入社先は、売上アップだけでなく、あらゆるステークホルダーの幸せも鑑みるバランス感覚に共感し、ネットプロテクションズを選ぶ。2015年に入社後、主に新規事業のセールス、マーケティング、システム開発に従事した。

並行して、大小さまざまな企画を推進。部門をまたいだ交流会の開催、リソースの20%を使って担当業務外のプロジェクトに取り組める制度「ワーキンググループ」による新人研修の企画などを手がけた。

なかでも打ち込んだのが、採算度外視でミッションの探求のみにコミットするオウンドメディア『THINK ABOUT』だ。志を同じくするメンバーと自主的に発案し、業務時間外の準備からスタートした。メディアの運営経験はなく、予算が下りる見込みもなかったが、自身の手で制作しながら進めていったという。

3年以上の時間をかけてコンテンツを積み上げていき、THINK ABOUTのコンセプトに沿って2018年に企画した大規模なカンファレンス『貨幣の束縛』は、97.4%の来場者満足度をマークした。木下氏はこの経験から、事業づくりの要諦を学んだと振り返る。

株式会社ネットプロテクションズ マーケティンググループ / 株式会社マーウィ 代表取締役・木下雄登氏

木下事業は、自分自身と外部環境が変容していくなかで、小さな成果を積み重ね続けることで立ち上がります。予想外の課題に何度も直面していくうちに、ものごとを長期的な目線で見たり、変化を受け入れたりする能力が身につきました。

その学びは、2018年に創業したマーウィにも活きている。マーウィは、法人・個人向けに贈答花を提供し、「より多くの方により濃くお花の価値を伝える」ことを目指す。

木下THINK ABOUTを通して「事業モデルは変わりうる」と学んだので、中長期的な視点に立ち、小さな検証を繰り返しながら事業を推進できるようになりました。おかげで、「いきなり大型の資金調達を実施し、検証が不十分なアイデアで勝負して大失敗」といった、スタートアップがよく陥る失敗は回避できていると思います。

一方で、木下氏は現在でもネットプロテクションズの正社員として、THINK ABOUTの運営を続けている。この“二足のわらじ”スタイルは、マーウィを起業する旨を同社代表・柴田紳氏に伝えた際に、「本気で応援しているからこそ、Win-Winの形を模索したい」と提案を受け、確立された。

木下氏がネットプロテクションズの仕事を続ける代わりに、ワーキンググループの一環として、若手社員にマーウィを手伝ってもらう。さらに、ネットプロテクションズの経営陣とのメンタリング機会も得ているという。

木下ネットプロテクションズでは、若手メンバーが事業立ち上げの現場を経験する機会を享受できる。一方で僕も、信頼のおけるメンバーを集められ、なおかつ長年の経営経験で培った知見も借りられます。

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コンサルでもメガベンチャーでもなく、ネットプロテクションズを選んだ理由

木下氏と同様に、三上氏は「経営者になりたい」という想いを胸に、ネットプロテクションズに新卒入社した。

誰かを幸せにした人が、また他の誰かを幸せにしていく、“恩送り”のサイクルを体現する事業や組織をつくりたい──自らのミッション実現のため、事業やプロダクトをつくる力と、組織や人を動かす力の両方を、高いレベルで身につけたかったという三上氏。就職活動時には、コンサルティングファームや事業会社、メガベンチャーも選択肢にのぼった。

しかし、事業と組織の両面で豊富な経験を積めそうな環境としては、ワーキンググループ制度のあるネットプロテクションズが一番だった。何より、最終面接で柴田氏にかけられた言葉が決め手となったという。

株式会社ネットプロテクションズ BtoBグループセールスユニット 兼『THINK ABOUT』・三上高広氏

三上「僕、たぶん3年くらいで辞めます」と言ったら、「いいよ」と即答してくれたんです。本気でやりたいことがあるなら応援するよ、と。まさに僕が目指していた“恩送り”を体現している会社だと思いました。

2017年に入社した後は、マーケティング、カスタマーサポートを経て、セールスユニットに配属。事業企画や戦略立案から、自発的に動いて100万円の予算を得た組織改革までを経験した。

新卒1年目の終わりには、事業部全体の戦略策定を推進するプロジェクトにも携わる。プロダクトの未来を考えながら、各部門を俯瞰し、事業部のメンバー全員で議論する場をファシリテートした。

ワーキンググループも最大限に活用し、THINK ABOUTのリーダーを木下氏から引き継いだ。さらに、2019年夏に実施された中高生向けインターンシップ『THINK FLAT CAMP –次世代リーダー成長支援プログラム U-18–』にも従事。木下氏がTHINK ABOUTをスタートさせたときと同様、はじめは有志で業務時間外に集まってゼロから企画し、予算を取り付けていった。

現在は、BtoB・企業間後払い決済 / 請求代行サービス『NP掛け払い』のセールスリーダーとして、アカウントベースドマーケティングを主導している。ワーキンググループをフル活用している三上氏だが、「サイドプロジェクトを手がけることは必須ではないし、その自由さがネットプロテクションズの魅力だ」と語る。

三上メイン業務に100%のリソースを割いてもいい。僕も最初の1年は、事業サイドが面白くてフルコミットしていました。サイドプロジェクトの粒度も、人によって多様です。

毎年立ち上がる採用や研修のワーキンググループもあれば、コーヒー好きのメンバーが趣味でおすすめのコーヒーを淹れていたら、予算がついてみんなが飲めるようになったケースもあります。

会社のミッションと個人のミッションを鑑みて、それぞれが主体的に関わり方を決められるんです。

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「裁量権を決める」時点でトップダウン。“出る杭”を大切にする企業カルチャー

ネットプロテクションズは、木下氏や三上氏をはじめ、若手メンバーの活躍が目立つ。

コンビニ、郵便局、銀行での後払い決済を一括で導入できる『NP後払いair』は入社1年目の社員が、サービスを受けた後に利用者が価格を決めて支払える『あと値決め』は入社4年目の社員が起案した。

木下氏と三上氏に「なぜ、若手にそこまでの裁量権を渡せるのか?」と尋ねると、問いそのものを覆された。

木下「裁量権を決める」という行為が存在する時点で、ある程度のトップダウン構造ですよね。ネットプロテクションズには、そもそも「裁量権」という概念がありません。一人ひとりが経営者目線で仕事を考えるため、ミッション実現に資するのであれば、年次や立場に関係なく意見が通り、予算を得られます。

三上「先輩と後輩」というタテの関係性も希薄ですよね。全員がフラットに接しているし、後輩を育成するときも、先輩面しない。代表から新卒1年目まで、学びながら共に成長していくスタンスを大切にしています。

裁量権がないことに加え、事業の強い収益基盤も、その環境を後押しする。主力サービスのBtoC通販向け決済『NP後払い』は、年間1,350万人のユニークユーザーを抱え、トランザクションは年間4,300万件。請求書の発行・送付、問い合わせ対応、入金ミスの確認…膨大な取引をさばけるオペレーションと、貸し倒れリスクを管理するノウハウを、創業から20年かけて磨き上げてきた。

この環境下で進むネットプロテクションズのミッションは、「つぎのアタリマエをつくる」。メンバー全員が、主体的にこの“問い”を探求している。

正社員数が160名近くまで増えた現在でも、全社合宿などの場で、「この会社がつくりたい、つぎのアタリマエとは何か?」を全員で議論する。日常の業務でも、ミッションと照らし合わせて取るべきアクションを決める。

そうしてミッションを探求していくなかで重視しているのは、「非合理性」だ。だからこそ、同社には「出る杭を打つ」と真逆の価値観が浸透している。

三上出る杭を打つ意味がわからないです(笑)。つぎのアタリマエは、非合理的な取り組みから生まれると思っています。「出る杭」は、新しいものを生み出すための可能性そのものじゃないですか。

針のように尖ったものを許容していかないと、つぎのアタリマエはつくれないと思います。次世代の芽を潰していたら、せいぜい同じ形のものが、少しずつ拡張するだけになってしまいます。

木下出る杭が打たれないからこそ、小さな成功体験を積み重ねられます。小さく、高速で立ち上げサイクルを回していけるため、着実に0→1の事業づくりスキルを身につけられる感覚がありますね。

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事業推進力を身につけたいなら、「決済」は最高のフィールド

過去の連載記事で詳述したが、ネットプロテクションズではあらゆるメンバーが経営者視点で意思決定できるよう、Slackは基本的にオープンチャンネルで運用。ナレッジシェアツールのScrapboxにも「社内Wiki」として全てのプロジェクトの動向が書き込まれており、余すことなく情報共有がされている。

木下氏は「誰もが経営者のように振る舞えるからか、ついネットプロテクションズを『僕の会社』って言っちゃうんですよね」とはにかむ。さらに同社の主要事業である「決済」は、事業推進力を身につけるにあたって最適なフィールドでもあると、三上氏は言う。

木下決裁領域は関わるステークホルダーが幅広く、その均衡を保つことが難しさに挙がります。業種や業態、事業規模が異なる顧客に対して、自分たちのオペレーションチームやエンジニアが、連携して価値を提供していかなければなりません。

さらに、顧客のその先にいるエンドユーザーのことまでも見ていく必要もある。多くのステークホルダーを巻き込んでプロジェクトが進むからこそ、自分で事業を興す際にも必須である、「自らの想いを伝え、チームを動かし、実際に推進していく」力がつくのだと思います。

三上決済はあらゆる企業活動の“出口”でもあります。ビジネスにおいては、マーケティング、営業、契約、利用…そして最後に必ず「決済」というプロセスを通るんです。

出口を最適化するためには、一連の商流を全て把握する必要があります。だから、企業活動の仕組みについても、多くの実践知を積み重ねられると考えています。

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トライアルを繰り返し、「やりたいこと」を探求できる環境

ただし、ネットプロテクションズに不向きな人材もいると、ふたりは見ている。「事業で実現したい世界がある人にはフィットするが、儲かるだけの事業をつくりたい人には向かない」と木下氏。三上氏は同意しつつも、「やりたいことが明確にあるなら、入社しなくていいのではないか」とも語る。

三上想いとアイデアがあるなら、すぐ起業するのがいいと思います。とはいえ、「将来は起業したい」といった漠然とした展望を持つ学生さんのように、社会に対する想いは持っていても、具体的な方法が定まっていない方もいるでしょう。

そうした方には、会社都合で社員のキャリアを規定しようとしない、ネットプロテクションズがフィットすると思います。事業活動の中で、大小さまざまなトライアルを繰り返しながら、やりたいことを探せますから。

木下トライアルしているうちに、やりたいことへの想いが止まらなくなってしまったのが僕ですね(笑)。

木下氏は、2020年春にはネットプロテクションズを退職し、マーウィにフルコミットする予定だという。とはいえ、「つぎのアタリマエをつくる」営みに邁進し続けることに変わりはない。

木下地道にPDCAサイクルを回し続け、ようやく事業が立ち上がる目処が立ってきました。今後は、花の領域で「つぎのアタリマエをつくる」ことにフルベットしていきます。

経済合理性を保ちながらミッションを追求できる目処が立つまで、並行して社員でいさせ続けてくれたネットプロテクションズには、本当に感謝しています。

事業が立ち上がりきらない状態で独立してしまうと、生き延びるための売上をつくるのに必死で、理想を追えなくなってしまう。資本関係はないですが、エンジェル投資をしてもらっていた感覚ですね。

三上氏も「数年以内には、ネットプロテクションズを卒業するつもりだ」と展望を語った。

三上今後は、THINK ABOUTやTHINK FLAT CAMPのような採算度外視のプロジェクトだけでなく、安定的に収益が上がる仕組みづくりにも挑戦していきたい。今以上にもっと自由にプロジェクトが立ち上がっていっても、自然と利益が確保できる状態が理想ですね。

こちらの記事は2020年02月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小池 真幸

編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。

写真

藤田 慎一郎

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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