日銀フィンテックグループに聞く。民間企業と議論を進める「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」と、その先にあるもの
日本のフィンテックの魅力を世界に発信し、更なる発展に向けたビジネス機会を創出することを目的とした「Japan Fintech Week 2024」が、2024年3月4日〜8日に初開催されている。3月5日〜8日にはフィンテックの最新動向や金融分野での社会課題解決などを議論するイベント『FIN/SUM2024(フィンサム2024)〜“幸福”な成長をもたらす金融~』も開催されて、国内外のフィンテック事業関係者が一堂に会し、熱い議論がなされることだろう。 イベントでは、長く低迷を続けている日本経済を浮上させる“新しいフィンテックの潮流”を知ることができる。新しい金融サービスの担い手は、従来の金融機関に加えて、IT、流通・小売業、スタートアップなど非金融分野へと広がっていることも実感できるはずだ。 今回の記事で取り上げたいのは、Japan Fintech Weekでも注目トピックの1つである「中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)」だ。日本銀行は「いつでもどこでも誰でも安心して使えるお金」をデジタルな形態で提供することについて検討していることを公表済みである。日本銀行は、2021年から、個人や企業を含む幅広い主体の利用を想定した一般利用型CBDCに関する実証実験をスタートさせており、2023年4月にはパイロット実験が始まった。その一環として設置された「CBDCフォーラム」においては、リテール決済や関連技術に携わる民間事業者の有用な技術や知見の活用へと動き始めている。 CBDCフォーラムの運営を担当する日本銀行 決済機構局フィンテックグループ長の鳩貝氏と、Japan Fintech Weekの企画・運営を行う金融庁 総合政策局フィンテック参事官室 イノベーション推進室長兼チーフ・フィンテック・オフィサーの牛田氏にお話を伺った。CBDCフォーラムの取り組みとは?金融の未来に必要なことは?など、Japan FIntech Week及びFIN/SUM2024への参加時間をより有意義にしてもらうために、ぜひ理解を深めてほしい。…