福島 広造
ラクスル株式会社
ストラテジックアドバイザーITコンサルティング会社を経て、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。企業変革/テクノロジー・アドバンテッジ領域を担当。2015年ラクスル株式会社へ入社。全社の取締役COO及びRaksul事業CEOを経て、現在はストラテジックアドバイザー。
ビジネス、新規事業の立ち上げの際にどこまで具体的にビジネスモデルを組み立ててスタートしますか?
見込みのある・ない事業の見切り方が自分になく、ビジネスを立ち上げる経験をしたいものの具体化が進めなくて未熟な気分が続いてます。
やりたいことありきでスタートして、見えてくるものをロジカルに整理してビジネスモデルを整えるべきでしょうか?
これまで経験した一番の「失敗」は何でしょうか?
できれば具体的な事例で、どう乗り越えたか、そして今だったらどう回避するかなどを教えていただけると幸いです。
ラクスルのようにビジネスモデルの異なる複数事業を継続的に成長させるための秘訣はなにかありますか?
新規事業や子会社を量産している多くの上場ベンチャーが、結局創業事業など1、2つの事業しか成長させられていない、という状況はよく目にすると思っています。(サイバーエージェントやリクルート、最近だとグリーだけ別格な印象です)
秘訣はありませんが、ラクスルは複数のコア事業が急成長を続ける事業体を目指しており、そのために不可欠な事業家・BizDev人材を次々と輩出することを目指しています。
“非連続”な事業価値にフルコミットして、成長角度を変える役割は、経営企画や事業責任者とも異なり、日本では希少性の高い役割です。ラクスルでは、BizDevを目指す新卒・若手に機会提供するスタイルを5年以上続けており、いまではコア事業のリーダーシップもいくつも担ってもらっています。詳しくはこちらの記事を見てください。
福島 広造氏の回答
福島さんから見て、この会社は伸びそうだ!とおもう会社ありますか?着眼点が知りたいです。その理由も教えてください。
よいKPI設定、悪いKPI設定の差分を教えてください。
プラットホームの“計数マネジメント”というnoteで書いたので紹介します。
よいKPI3か条(DO)
- 其の壱:“執着”するKPIオーナーが決まっている
(操縦士のいない飛行機は墜落する) - 其の弐:“価値”に直結するKPIに絞られている
(測定・達成可能なものを安易に設定しない) - 其の参:サイクル(設定→予測→実績)が“やり抜かれている”
(設定で終わり、やり抜けない組織がほとんど)
悪いKPIの落とし穴(DON’T)
- 実績のホッチキス止めが仕事になる
→実績報告は仕組み化、アクションしないと無価値 - 人事評価がKPI管理の主目的になる
→“価値”に直結しないプロセスや行動を評価するKPIを追加しがち - 独りよがりで複雑怪奇なKPI管理を高度と勘違いする
→誰でもわかるKISS(keep it simple stupid)が原則
福島 広造氏の回答
ラクスルクラスのCOOは何をされているのでしょうか?執行もするのでしょうか?それとも仕組みづくりでしょうか?先日、経営と執行に関して松本さんのTwitter投稿も話題になったので知りたいです。
ラクスルは役員陣を筆頭に優秀な人材が多数所属していると思います。そしてその優秀さに依存せず、汎用的な仕組みづくりを怠っていないところにラクスルの強さ(優秀な人材×汎用的な仕組みのコンボ)があると思っているのですが、実際に組織としてハードな成長を追う中で現場にその意識を徹底させるために具体的に取り組んでいることやマネジャー陣に指示していることはありますか?
ぶっちゃけ、起業したいと思うことはありますか?今の実績や経験があれば、起業しても成功する気がしたので。また今のスキルが起業に活きるかなども合わせて伺えると嬉しいです。
BCGを経てベンチャーに転職されたかと思いますが、戦略コンサルを経てよかったと思うスキル・要素はありますか?(例:CEOが考えた突拍子もないアイディアを投資家や社会に分かりやすいストーリーに仕上げる、など)
スキル要素は、大企業の戦略コンサルとスタートアップの経営では、規模も立場もまったく異なるので、アンラーニングのほうが多かったです。具体的に得たものとしてBCGでは、「勝ち筋を考え抜く仮説思考」や「事業インパクトへのコミットメント」など、プロフェッショナルとしての仕事の流儀を叩き込まれた経験が財産になっています。
ただ、20代から事業経験をガンガン積むラクスルの新卒・若手の活躍と進化速度を目の当たりにすると、当時35歳でラクスルに飛び込んだ自分では、今からさらに数年経験を積んだ彼らに勝てる気がしないですね。「〇〇を経て〇〇」みたいなキャリアは結果論としてはありますが、なりたいものになれる機会が目の前にあるなら、一歩目から選ぶことをお勧めします。
福島 広造氏の回答
こちらのnoteを拝読しました。「『立ち上げ期』を乗り越えたら、『規模の"不"経済』の顕在化まで放っておきたい気持ちを抑えて、すぐに考えだすのが理想」とありましたが、ラクスルでは具体的にどのような状況/数値になってから立ち上げ期を超えたと判断しましたか?
またそのタイミングでどのような施策を、どのような優先度で考えたのか伺いたいです。