ZoomとSlackでは、感情どころか業務内容も伝わらない?
テレワークの秘訣は「テレカンでもテキストでもないちょうど良い会話」の有無にあり
「やっぱり満員電車は苦痛。家で仕事ができたら通勤時間も節約できて、楽だよなぁ」と、1年前まではあなたも思っていたのでは?そして今ではきっと、そのデメリットも多く見えるのでは?
コロナ禍により、このたった1年の間に、テレワーク・リモートワークを経験したことのあるビジネスパーソンが一気に増大した、とそう言えるはずだ。なんとなく「良さそうだよね」と思っていた“現実味の無い働き方”から、「意外にできたけど、意外にやりにくい」と肌感覚で分かる“現実的な働き方”へ、認識が変化したのではないだろうか。
経営者の立場なら、テレワークの導入に手応えを感じているかもしれない。しかし現場レベルでは、試行錯誤を続ける者も多い。「企業として上から下までうまくテレワークを導入できた」といえる企業は、まだまだ少数派と思われる。
そんな指摘をしてくれたのがラウンズ代表取締役、合田翔吾氏だ。コロナ禍などまったく予想できなかった2018年に、テレワーク普及を目指す活動や事業を積極的に開始するため企業。情報を発信するメディアを立ち上げ、Webサービスも開発しながら、テレワークを普及させるために最も必要な条件を探ってきた。
「オンラインのコミュニケーションや、業務の急なペーパーレス化は、やっぱり人間にとって苦痛なんです」と言い切る合田氏。「確かに、Zoomでは解決できない課題はある」と呼応した、出資者であるXTech Ventures手嶋浩己氏。テレワーク導入のワナ、現場と経営者それぞれが考えるべきこと、そして本当に必要だと判断し開発したプロダクトについて、2人にじっくり語ってもらった。
- TEXT BY RYOTARO WASHIO
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
「コロナ禍でテレワーク試したけどやめました」の共通点
リード文で述べたように、国内において先駆けて「テレワーク」について考えを深め、その普及のために起業したのが合田氏だ。
運営しているWebメディア『シゴトバ』はテレワーク・リモートワーク専門記事を配信。そのサイト上のポップアップで表示された読者アンケートの結果が非常に目を引いた。
【質問】テレワーク中に「ちょっと話したい」時、どうしてますか?
Teams、Slack、Chatworkなどのチャットで我慢する |
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34% |
Teams、Zoom、Google Meet などのWeb会議を設定する |
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19% |
すぐに電話する |
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36% |
remotty, ラウンズ, remo などの仮想オフィスツールを使う |
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11% |
「さっさと電話で済ませたい」「とりあえずチャットしてみよう」そんな声が聞こえるようだ。立場によっても、職場の雰囲気によっても、回答は変わるだろう。しかしいずれにせよ、テレワーク中に取る行動というのは人によって大きく変わりそうだ。
合田想像通りだとは思いますが、「テレワーク」という言葉や考え方の認知は、もうかなり広がっています。データを見ると、昨年までは導入している企業の割合が20~30%程度でした。それが、このコロナ禍における非常事態宣言以降、これは都内に限った数字ではあるものの、50~60%という高い数値になっています。
私は子育てと仕事の両立に苦労した経験から、テレワークをもっともっと普及させたいと思って活動してきました。そんな立場から言えばこれはものすごい前進と言えるわけです。
ただもう少しきちんと分析するなら、昨年まではほとんどの人が「テレワークって意味は知ってるけど、本当にできるの?」という状態、今年は「否応なしにやらされたが、意外とやれた」と感じている状態でした。そしてこれから「どう思った?何が良かった?良くなかった?」と真剣に考えていくようになると思います。
緊急事態宣言から半年が経つ中、マスメディアは「大企業のテレワーク推進」についても、「大企業が原則出社に転換」についても、いずれも大きなニュースとして扱い続けている。
合田一旦テレワークを導入し、進めてみたものの、一部の企業で元に戻っているというのは事実です。戻っていく企業が出るのはしょうがないことだと思います。まずはその理由を冷静に見極めようとしています。
大きく分けて二つのパターンが考えられます。一つは、テレワークの形を、導入後に改善し続けて作り上げていくところまで推進しきれないパターン。もう一つは、現場の社員さんたちから「オフィスに戻りたい」といった人恋しさに基づく意見が多く出てくるパターンです。
手嶋僕自身は正直、出社せずオンラインでやろうとなっても、あまり不便を感じなかったのですが(笑)。でもたいていの人は、業務環境のような身のまわりの何かが大きく変わった時って、改めていろいろ考えるようになりますよね。
合田「コロナ禍で出社すべきでないと感じて、せっかくなのでテレワークを試してみたけど、なんだかうまくいかずに辞めました」という企業さんがいくつもあります。先ほど述べたようなパターンの共通点があるように思います。
テレワークは中途半端に導入すると失敗するんです。「働き方を柔軟にしてみたつもりだったが、むしろ逆効果だったのか『会社を辞めたい』と言っているメンバーが増えてしまっている」そんな訴えを聞くことが、コロナ前でもありましたよ。
音声コミュニケーションが最重要な2つの理由
「出社せずに働ける環境」を広げるため動き始めた合田氏。既に紹介したメディア事業で、情報を発信していくことも確かに重要だが、実際に業務の現場をテレワーク向きに変えていくためには、別のアプローチが必要になると考えた。
もともと開発経験が豊富だった合田氏は「テレワーク推進のために最も重要な課題を解決するプロダクトを作ろう」と、分析を始めた。そこでたどり着いたのが、「メンバーの管理」という課題だ。
合田部下が自分の目の届くところに出勤してこない、それがテレワークです。つまり、マネジャー層は、メンバーのタスクや目標の管理をしにくくなる。あるいはもっと単純な話で、本当に出勤しているのかどうかすら分からないかもしれません(笑)。これはテレワーク普及を妨げる重要な課題だと感じて、解消するツールを開発しようと決めました。
作り上げたのは、メンバーに関するデータを集めて、その働き方や業務の進捗などを見えるようにするプロダクト。実際に導入してもらうことにも成功し、組織の様子を見せてもらった。しかし、主な利用者であるマネジャー層の満足度が、どうしても上がっていかなかったのだという。
合田途中までは仮説通りだったので「なぜ?」と思い、ヒアリングも実施して詳しく分析しました。そして見つかったのは「マネジャー層がそもそもメンバーを信頼できていない」という、働く上で最初に考えるべき重要事項の欠陥でした。
でも、確かにそうだなと納得しました。「メンバー管理」の課題を解決する前に、マネジャー・メンバー間の信頼関係構築にしっかりコミットしなければ、何事もうまくいきません。テレワークという業務環境においては、これがむしろさらに難しくなっているという点にも気づくことができました。
それから、マネジャーとメンバーの関係値改善に必要な要素を考え、それは「日常の会話だ」と仮説を立て、改めてプロダクト開発に取り掛かりました。そうしてできたのが、今の『roundz(ラウンズ)』です。
このプロダクトの特徴は、社内における“音声”のコミュニケーションを徹底して促す点だ。Zoomのように映像を伴うわけではない。その理由は2つあるという。
合田仕事のコミュニケーションを、チャットではなく音声(口頭)で行うことのメリットには、大きく分けて次の2つがあります。
一つ目は、「そのコミュニケーションが効率的になる」ということ。単発のタスクの結果報告であれば、チャットで「○○を終えました」と伝えれば十分ですよね。でも、それだけでは済まない場合というのがほとんどではないでしょうか?業務の話をマネジャーとする場合なら、たいていは「トピックが複数」あり、「それぞれの内容も複雑」であることが多いはず。
そうした内容を、マネジャーがきちんと理解できる解像度で、テキストチャットに落とし込んで伝えるのは簡単なことではありません。よほど文章作成能力(テキストスキル)がない限り、的確な報告にはならないと思います。
逆に、テキスト化に難儀して平気で30分は作成に悩むような内容でも、口頭での対話なら1分以内に終わるようなことだって普通にあると思いますよ。そうしたコミュニケーションを取りにくい状況になっているのなら、それは非常にもったいないことです。
この点、まさに1年前には想像もつかなかったことではないだろうか。口頭の報告がほとんどだった頃には、より良い伝達方法があると考える機会自体が少なかった。だがテレワークを「実際に経験」してみたあなたなら、業務上のチャットがいかにコミュニケーション上の手戻りを発生させ、余計な時間を浪費させているか、もう分かっているだろう。
合田二つ目は、「感情を交えたコミュニケーションができる」という点。テキストチャットに、微妙な感情を込めるのは簡単ではありません。わざわざ感情を表現した内容や絵文字、スタンプなどを付ける必要があります。
でも口頭のコミュニケーションなら、感情がにじみ出る場合がほとんどですよね。口調やテンポ、抑揚といった要素が必ず含まれるので、聞く側も感情を推しはかることができる。感情だけでなく、「価値観」など人によって異なる背景なども感じることができ、関係値構築に資する情報が大きく増えます。
これも、以前は想像しにくかったかもしれないが、今なら納得の話だろう。信頼を構築するためのコミュニケーションに、実はいろいろな要素が絡み合っていたという事実が隠れていたのだ。
そして、これらの課題を解決するためのプロダクト開発に力を集中させた合田氏率いるラウンズのメンバー。では、実際にローンチしたプロダクトはどのようなものだったのだろうか。
「オフィスじゃないと信頼構築できない」説を覆す
手嶋氏が初めて合田氏に会ったのは、まさに『roundz』ローンチの頃だった。
手嶋最初にサービス概要を聞いたときは正直、「Zoomでいいんじゃないの?」と思いました。
合田氏率いるラウンズが提供している『roundz』を、ごく簡単に説明すると、社内メンバーが口頭でコミュニケーションを取るツール。と、これだけ聞くと、確かに手嶋氏と同じ反応をしてしまいそうになる。
手嶋でも、機能やその開発思想を詳しく聞いていくと「なるほど、これは既存のツールの"穴”を埋めるサービスなのだな」と理解できました。
『roundz』は、「声のバーチャルオフィス」と喩えられる。「使い方としては、トランシーバーをイメージしてもらうと分かりやすい」と合田氏。同サービスの利用時、ユーザーは部署やプロジェクトごとに「ルーム」を開設。特定のキーボードを押すことで、ルーム内にいる同僚に「話しかける」ことが可能になる。
新型コロナウイルス感染症の流行を機に、テレワークは大きな広がりを見せた。その拡大を支えるのが、ZoomやGoogle Meetなどの遠隔コミュニケーションに特化したツールだ。これらのツールによって、テレワークは支えられている。しかし、現状のテレワーク環境には大きな問題があると合田氏は指摘する。
合田人は普段の何気ない会話の中で信頼関係を構築していきます。日常的なコミュニケーションが失われてしまうと、人と人とのつながりが薄れ、企業は組織力を高く保てなくなる。
実際、組織力を武器にしている会社が緊急事態宣言の解除後、テレワークをやめる例は少なくありませんでした。オフィスに出勤していたときの“貯金”を切り崩しながらテレワークをしていたものの、長く続けていると会社としての強みが失われてしまうと判断したからでしょう。
『roundz』はテレワーク下でも日常的な会話、何気ない会話をチームにもたらし、メンバー間の信頼関係を構築するためのプロダクトなんです。
信頼関係は1対1のコミュニケーションによってのみ成り立つものではない。人は常に、他者間で生じるコミュニケーションを見ながら、信頼関係を構築する方法を考えているというのだ。たとえば、上長からの信頼を得たいと考える時、上長が他者のどのようなことを評価し、どんなことにいらだっているのかを無意識のうちに観察し、価値観を判断している。この「観察」を、オフィスというリアルな空間が可能にしていた。
多数のメンバーが一同に介しコミュニケーションを取るオフィスだからこそ、他者を観察し、信頼関係を結ぶための方法を考えることができた。しかし、テレワークでは他者同士の「何気ない会話」を目にすることはなく、「いかに信頼関係を結ぶか」を考えるための材料が得られない。
テレワークに移行する以前、オフィスで一定期間を共に働いた者たち同士であれば問題なくコミュニケーションが取れるだろうが、テレワークが長期間に及べばほころびが生じる。ましてや、オフィスで共に時間を過ごした時間が少ないメンバー同士であれば、円滑なコミュニケーションに支障を来すのは自明だろう。
ボイスチャットを「サブ」でなく「メイン」に
日常的な会話を担保するために、ZoomやSlack、あるいはボイスチャットに特化したコミュニケーションツールである『Discord』を常時接続している組織も少なくない。しかし、それらのツールではオフィスで交わされていたような「日常的な会話」を取り戻すことは難しいという。
その理由は、既存ツールの多くがボイスチャット「も」できるツールであるからだ。ではなぜ、ボイスチャット以外の機能が付いていると日常的な会話が妨げられるのだろうか。その理由は、日本人の平均的なパーソナリティにある。
合田相手に気を使うがあまり、直接会話すること自体をやめてしまうんです。テレワーク中、誰かに何かを相談したいなと思っても「相手の仕事を邪魔してはいけない」と考える人が多い。マネジャーですら、部下の仕事を邪魔してはいけないと電話することをためらう人が多いと言われているほど、日本人は他者に気をつかう傾向がある。
その結果「邪魔になるかもしれない」と思わなくても済む方法を採ってしまう。たとえば、『Zoom』などを常時接続していたとしても「急に話しかけると相手の仕事を邪魔してしまうのではないか」と考え、チャット機能や『Slack』などその他のコミュニケーションツールで「ちょっと相談があります」とテキストを送る人が多い。
また、相手に合わせようとしすぎるがあまり、それに疲れてしまう場合もあります。ビデオ機能がついたツールを用いて「ちょっと相談しよう」とコールしたとき、上司がビデオをONにしていると、こちらもONにしなくてはならないような気がしませんか?「カメラOFFにしない?」と気軽に言える場合もあるしれませんが、簡単に言い出せないない関係もあるでしょう。毎回顔を映して話すことが負担になり、「もうコールすること自体をやめて、会議のときに相談しよう」と考えてしまう人もいるんです。
『roundz』はボイスチャットの妨げになりうる機能を排除した、音声コミュニケーションに特化したツールなのだ。「話しかけてOK」「通話NG」「退席中」など、各メンバーのステータスがひと目で分かるようになっており、話しかけるハードルを下げるための工夫を凝らしている。
強みは「開発思想」そして「プロダクトとメンバーの相性」
テレワークを導入する企業が増えたことは当然、『roundz』の成長を後押しした。11月17日には、シードラウンドで手嶋氏が率いるXTech Venturesなどを引受先とした、総額5000万円の第三者割当増資を実施したことを発表したが、手嶋氏によれば「投資を決めたのは新型コロナウイルス感染症が流行する以前。2020年の1月頃だった」という。きっかけは、XTech VenturesとFastGrowが共催した、起業家を目指す方々に向けた合宿イベント、XTV Bootcamp 2020だった。
すでにプロダクトのベータ版も存在していたが、「資金調達を考える中で、投資家に向けたプレゼンテーションについて悩んでいた」という。投資家の意見を求めて参加したのがこの合宿で、担当メンターとなったのが手嶋氏だったのだ。
なぜその手嶋氏は、ラウンズへの投資を決めたのだろうか。
手嶋テレワーク関連市場が伸びていくことは自明ですし、成長市場の中で唯一無二のポジションを取れると感じたからです。最初に「『Zoom』でいいんじゃ?」と思ったことは先程申し上げた通りですが、詳細を聞いていくと、ユースケースが全く違うことが理解できた。つまり、既存のプロダクトとは競合しないと思ったんです。
強いて競合を挙げるとすれば『Discord』ですが、このサービスは元々ゲーム実況の配信を想定してつくられたサービス。ユーザーが勝手にビジネス上のコミュニケーションを目的に使い始めたものなんです。対して、『roundz』は最初から音声コミュニケーションを目的に開発されたサービスであり、合田さんが仰っていたように日本人の特性を捉えて設計されている。
この開発思想の違いが、大きな違いを生むんではないかと感じたんです。次第に「こちらの方が使いやすい」と感じるユーザーが増えていくのではないかと。そうなれば、多くの人に利用されるサービスのなるのではないかと考えました。
ラウンズのチーム構成にも魅力を感じたと付け加える。合田氏をはじめ、ラウンズのメンバーは全員がエンジニア経験豊富な熟達した技術者集団。最小限の人数でプロダクト開発に向き合える体制となっていることも大きな強みだと感じたそうだ。
手嶋ラウンズは長期戦に耐えうるチームなんです。新型コロナウイルス感染症の流行によって大きく状況は変わりましたが、2020年1月時点ではテレワークが浸透するためにかなりの時間を要すると思っていました。確実に流れは来ているものの、一気に進むことはないだろうと。
長期戦を戦うためには、筋肉質な組織を構築し、バーンレートを抑えなくてはならない。ラウンズはまさに必要最低限の人数でチームをつくっていたんです。プロダクトと初期チームの相性がとても良いと感じました。
「想定外のスケールチャンス」をモノにする
合田氏もまた、昨年までは長期戦になると思っていたそうだ。実際、昨年時点では営業をしていても「テレワークという言葉は聞いたことがあるが、まだ考えていない」といった声はおろか「そんな言葉聞いたことがない」という声すら珍しくなかったと振り返る。
しかし、社会の趨勢は大きく変わった。手応えをこう語る。
合田事業継続観点や組織観点でテレワーク推進は重要な役割を占めるようになると考えています。
新型コロナウイルス感染症の流行が今後どのようになっていくかは予想できませんが、しばらくはテレワークを中心としたワークスタイルが一般的になるでしょう。円滑なテレワーク体制を築くことが、経営者には求められている。
また、テレワークの体制が整備されれば、人材の定着にも良い影響があるでしょう。たとえば、何かしらの都合で会社から離れた実家に戻らなくてはならなくなったメンバーがいたとき、これまでであれば退職してもらうしかなかった。しかし、テレワーク環境が整っていれば、辞める必要はなくなります。採用の面でも、これまでは「通勤できること」が暗黙の採用条件になっていましたが、その条件に縛られることなく、全国の、あるいは全世界の優秀な人を会社に迎え入れられるかもしれない。
このように、今後の会社運営において、テレワーク体制を整えることは大きな意味を持つ。そして、『roundz』でその下支えをしていきたいと思っているんです。
掲げるミッションは「すべての人にテレワークという選択肢を」。舞台は整った。
合田全員がテレワークをすべきだとは思っていないんです。ただ、子供が生まれたときなど、人生のさまざまな出来事に合わせて働き方を選べる世の中にしたい。そうすれば、生き方の幅はもっと広がっていくはずなんです。
新型コロナウイルス感染症は確かにテレワーク導入を加速させましたが、「やっぱり難しい」と辞めてしまう企業も少なくない。個人的にはこの流れはすごく悲しい。今後は、テレワークを廃止してしまった企業の状況を把握して、その原因を分析し『roundz』を使っていかにこの流れを食い止めるか考えていきたいと思っています。
手嶋2020年9月に正式版をリリースし、お金を支払って利用する企業が増えている段階です。まずは少数でもいいから、熱狂的なファンをつくっていかなければなりませんね。地道にファンを増やしていきながら、次の資金調達を狙っていくのがネクストステップになると思います。
長期戦になると思っていましたが、思わぬ形で世の中は急速に変化を遂げました。一気に攻勢に出て、テレワークにおける問題を解決し、日本の働き方を変えていってもらいたいですね。
こちらの記事は2020年12月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
鷲尾 諒太郎
1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。
写真
藤田 慎一郎
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